飛鳥Ⅱ2026年「アラスカ・ハワイグランドクルーズ」日付け変更線を超えて

6月1日 日付け変更線上の真上を北上する飛鳥Ⅱ 左舷は東半球、右舷は西半球
西向きに日付変更線を超えると、カレンダーから一日が消滅するという船旅ならではの現象を今回も経験した。加えて飛鳥Ⅱは日本に向かって船内時間を調整しながら航海を続けているため、1日が25時間になる日が2日に1度出現する。往きの航海では午後2時に行っていた船内時間の調整だが、復航は従来通り夜中の2時に時計の短針を1時間バックさせるので、朝7時だと思って目覚めてもまだ6時だったりする。そんな朝にプロムナードデッキに出てみると、いつもより多くの人が明け方から歩いているから、一時間早く目が覚めてしまった人が多いことが分かる。このような時差調整を繰り返し、現在の船内時間と日本標準時の時差は2時間となった。仕事の連絡を東京にするにも、あまり時間を気にせずに発信・返信できるのは良いが、クルーズ終了の日が迫って来たことを日本時間との差からも感じて寂しいものである。
日本は台風で大雨が降ったそうだが、太平洋の真ん中はこれまで天気もよく海も穏やかだったので、シーホースプールの水も暴れず泳ぐ人の姿が目立つ。我々も毎日のデッキ上のジョギングによって疲労がたまった足をかばうべく、クルーズ終盤は時々泳ぐことにしてきた。船の若干の動揺により、頭上を流れる雲が右に行ったり左に行ったりするのを水中から仰ぎつつ泳ぐのはとても気持ちが良いものだ。海水を汲み上げたシーホースプールに浸かった後に、リドからラーメンなどをプール脇まで持ってきてもらうこともあるが、泳いだ後の火照った体で麺をすすっていると、まるで「海の家」に来たような感覚になってくる。南の空の下、なんと贅沢な「海の家」であろうか。その後、シャワーを浴びてビスタラウンジで氷いちごなどを注文すると、小学校の夏休みがまたやって来たような気分になってウキウキしてくるのだ。
楽園のような船上だが、そこは揺れる船の上である。夫人が船内で転んで怪我をし、途中で緊急下船して帰国を余儀なくされた乗客が、知り合いの中だけでも2組いた。2人とも前日までダンス教室に元気に通っていたのに、急に姿を見せなくなったので、それぞれ親しい人たちに聞いて骨折したとわかったのだが、ほかにも怪我や病気でクルーズを中断したケースがあるようだ。骨折に至らないまでも転んで打撲症を負い医務室に駆け込んだ知人もいるので、やはり船内での一挙手一投足には、注意を払う必要がある。今回は医療費が飛びぬけて高いアメリカの各地を回るクルーズだったので、クレジットカードに付帯する旅行保険だけでなく、万一に備えて海外旅行中の病気や傷害をカバーする保険を別に掛けることを旅行社は強く推奨していたが、我々は「その時はその時」と割り切って、保険料が極めて高い別途の保険には入らなかった。これもあと2日もすれば日本の海上保安庁の管轄する海域に到達するので、もしもの時にもどうやら高額の医療費に直面することもなさそうだ。もうすぐクルーズが終わってしまう寂しさは大きいものの、何事もなく終わりそうという安堵の気持ちも徐々に強くなる終盤である。






















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