カテゴリー「経済・政治・国際」の記事

2025年1月24日 (金)

「 日本外交の劣化 」 山上信吾・著(文芸春秋社刊)

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反中姿勢を露わにするトランプ政権の誕生で、戦狼外交もこのところホンの少しおとなしめだが、覇権国家として西側の民主主義国家に牙をむくのがお約束のシナである。台湾情勢も今後どう展開するか分からぬ中、元外交官の評論家たちを交えて情勢を分析をするテレビの政策番組も多い。尖閣の例でも明らかなように、彼ら評論家らの討論を聞いていると、シナに関しては一応「ケシカラン」との声を挙げながらも、相手の言い分も忖度し、我が国の過剰な反応を諫めるかの融和的な物言いに落ち着く発言もよく聞く。そんな中、最近テレビやネットで、一貫してはっきりとした反中を貫く意見を繰り返しているのが、前オーストラリア特命全権大使で、現在は外交評論家である山上信吾氏である。外務官僚上がりに似合わぬ明快、かつ小気味よい主張を繰り出す山上氏のことを注目していたら、昨年彼の新著「日本外交の劣化」が文芸春秋社から出版され、これが評判となっているらしいので購読してみた。


総じて日本の外交は問題が生じた際に事なかれ主義で、ややもすれば相手国に押され気味であり、外務省は国益をどう考えているのかと日ごろ私は心配していたのだが、山上氏が本書で指摘する外務省の実態をみれば、「やはりそういうことか、役人はそんな考えで動いているのか」と合点がいく箇所が非常に多い。曰くロビイング能力の劣化、気概の弱さ、外に出て行かない内向き志向、規律の弛緩、政治家との不適切な距離、チャイナスクールの視野の偏り、国益に背く行動など、いまの外務省の内部に巣食う宿痾を氏は本書で舌鋒鋭く批判する。自分の上司たちを実名で論評したかと思えば、総合商社のトップから中国大使となって注目を浴びた伊藤忠の丹羽氏(と思われる人物)も批評しており、読みながら勇気ある発信に感心することしきりである。東大法学部に入る前は桐朋学園でピッチャーだったというだけあって、全編忖度なしで「おいおい、ここまで書いても大丈夫なのかい?」と心配になるほどのスポーツマン的ド真中の豪速球直球の内容であった。


本書の後書きには「本書は、外交官としての私の遺言である。遺言である以上、かつての先輩、同僚、後輩との人間関係に遠慮して行儀よく丸く収めることは、とうにあきらめた。むしろ、今後の日本外交のために、歯に衣着せず、敬称を略して語ることとした」と氏は覚悟を披露しているが、こんな直言居士的性格のため、本人としては人事的に今一歩報われなかった口惜しさも随所ににじみ出る文章だ。しかしものごとをソフトに収めるのが「大人」のような世の風潮のなか、国益や後輩を思えばこそ歯に衣を着せず黒白はっきりと意見を通す氏の姿勢には好感がもてる。第2次トランプ政権の誕生で世界のパラダイムは大転換するであろうに、相変わらずグローバリズム追従かつ媚中の石破政権をバックにするのが今の外務省だと云える。内部崩壊の韓国、無法のシナやロシア、ロシアに歩み寄る北朝鮮など激しく移り行く国際情勢から目が離せない中で、外務省の重要性は一段と増している。山上氏のように保守の心情に立脚しつつ、日本人の矜持を持って国益を追求する人材が、今の外務省に多数いるのだろうか。読めば読むほどそんな心配を想起させる「日本外交の劣化」であり、氏が苦言を呈する人事・教育の適正化を同省に望みたいところである。

2024年12月29日 (日)

2025年はトランプ政権の再登場で日本の覚悟が試される

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この時期に「日中戦略的互恵」で良いのか?

年の瀬である。明ければいよいよ1月21日から米国で第2次トランプ政権が始まる。ワシントンD.Cでは、すでに対シナ強硬派と見られる閣僚や政権中枢メンバーも発表され、新政権は初日から全力で、バイデン大統領政権がこの4年間行ってきたリベラルな政策をひっくり返す新大統領令を次々と出すというから実に楽しみだ。まずは不法移民の取り締まり強化と国外追放、地球温暖化対策の諸協定や諸施策からの離脱、関税の追加導入、特にシナ相手に大幅なタリフ増を行うことなどが予想されている。ここのところ世間に流布されて来たグローバリズムのくびき、特にジェンダーフリーやいわゆる”ポリコレ”による制限を一蹴し、WOKE(=意識高い系)運動から「常識を取り戻す」と彼は宣言していると云うから拍手を送りたい。そう云えば日本国内ではバイデン大統領の下、エマニュエル大使の強引な内政干渉によりLGBT法案が成立してしまったが、本家本元の米・民主党は ” 行き過ぎたポリコレ”でコケてしまい、LGBT法案ではすっかり足をすくわれた格好になっているのが自公政権。だからバカな法案を拙速で通すんじゃないと言ったでしょ、と内心密かに笑いが止まらない。

 

先日JALに搭乗したら、日本語に続き、"LADIES AND GENTLEMEN" というお馴染みのアナウンスが、なんと " GOOD AFTERNOON, EVERY ONE”に変わっていてのけぞった。なんでも「ジェンダーに中立的な表現」を導入したとの航空会社のホームページの説明だが、妻は「有象無象っぽい " EVERY ONE"よりも " LADY"の方がいいのに」と苦笑いをしていた。このような行き過ぎたジェンダーフリーブームにトランプ氏は「性は男と女の2つのみ」「トランスジェンダーの狂気を止める」と広言し、LGBT問題などでバイデン政権により毀損された女性の権利保護に立ち向かうそうだ。なんとも頼もしい男だ。まさにGENE AUTRY の「COWBOY CODE」で歌われたような "HE MUST RESPECT WOMEN, PARENTS, AND HIS NATION'S LAW”を体現するマッチョ大統領の再登場である。 言葉狩りやメディアによる表現の規制ではなく、「まっとうな常識」の世界に戻る初年度が、来る2025年であることを期待したい。


トランプ政権は地球温暖化の対策の枠組みであるパリ協定からの離脱も真剣に考えており、温室効果ガスの排出増加への懸念よりも国内の石油と天然ガスの増産を通して物価上昇(インフレ)の抑制をはかると主張している。大統領選中の彼のスローガンは「ドリル、ベイビー、ドリル(掘って、掘って、掘りまくれ)」であった。先般、兵庫県にある玄武洞を訪問し、傍らのジオ・パークにある博物館を見て知ったのだが、地球は巨大な発電機であり地球磁場の反転は繰り返し起きているとのこと。いうまでもなく磁場の反転となると我々の生活に重大な影響を与えることであろう。そのほかにも隕石の衝突、火山の爆発、太陽フレアの変化など、地球環境の変化には解明されていない実に様々な要因があるようだ。人類によるCO2排出も地球環境変化の要因の一つではあろうが、一知半解の浅知恵で排出権クレジットなど胡散臭いビジネスが行われているのでなかろうか。これらを見るにつけ、いま流行りのCO2規制よりもトランプのやり方が正しいような気がしてならないのだ。


トランプ政権のスタートを前に、もっとも懸念されるのが石破内閣である。トランプ大統領に会えないのは、彼のこれまでの言動に起因するので自業自得だが、なぜ先日わざわざ日中外相会談を行ったのか大いに疑問が湧く。尖閣諸島にはシナの公船が毎日威嚇にやってくる。多くの日本人のビジネスマンが理由も明らかにされずにシナの当局に拘束されているうえ、福島の原発から排出される水を「汚染水」と呼び、日本のEEZ内にブイをいくつも設置し「合法だ」と言いはるのがシナだ。深圳の日本人児童刺殺事件も、経済が大きく落ち込んでいる政府の反日プロパガンダの影響だと云われれている。国是として反日を掲げるそのシナが、いま日本に近づこうとしているのは、トランプ政権の厳しい対中デカップリング策を前に、日米関係に横槍を入れ日米を離反させることが目的なのは明確である。いまトランプが手を振り上げようとするこんな微妙な時期に、わざわざ北京に外相を送り「日中戦略的互恵関係」や「日中経済対話開催」だの「シナ人観光ビザを30日に拡大」などと、彼が激怒するような会談を行う必要があるのか。石破政権の外交音痴ぶりには「おいおいバカ殿ご乱心!それで大丈夫か?」とほとほと心配になる。


さて何度も言うが 「 MAKE AMERICA GREAT AGAIN」を掲げるトランプ政権が誕生した後は、日本は政治・経済で重大な岐路に立つことになろう。「自国の安全保障はまず自国で考えろ」「同盟よりDEAL」というのが彼の考え方だから、我が国の防衛予算の大幅増加へのプレッシャーや、日米貿易摩擦の解消に向けての議論も待ったなしの厳しい局面を迎え、相当な「オミヤゲ」も必要になるはずだ。そうなれば日本は安くなったアメリカの天然ガスや化石燃料をより大量に購入するとともに、米国の軍需産業から武器・兵器をもっと調達すれば良いではないか。来年は大東亜戦争が終わってから80年である。進駐軍が即席で作った憲法を後生大事に守り、長い間の平和ボケが続いた挙句、今やGDPの伸びはG7で最低となった日本である。トランプ大統領の就任で、来年からは日本も国の在り方を変えるような相当の覚悟が試されることになろうが、政権や国会はいまのままで本当に大丈夫なのか?。リベラルポピュリズムに答えて社会保障費の支出ばかりが膨らみ、増税一本やりの上に親シナ議員ばかりが目立つ自民党や公明党のだらしないサマを見ていると、日本は米国の新政権と本当に太刀打ちできるのだろうか。新年念頭から心配である。

2024年11月20日 (水)

兵庫県知事選と新聞・テレビのオワコン化

20241120
SNSに否定的な論調の読売新聞11月19日社説(購読する読売新聞オンラインより)


最近、痛快なニュースが2件続いた。メディアの「まれに見る大接戦」との予想を覆してのトランプ大統領の再選と、「斎藤氏追い上げ」との事前報道をはるかに上回る得票での兵庫県知事選の斎藤知事の勝利である。圧倒的なトランプ氏の勝利は、11月7日に『祝・トランプ勝利、試される日本、オワコンのメディア』で書いたとおりであり、斎藤氏も予想以上の大差で対抗の稲村候補を破ったが、この2つの選挙結果はメディアの報道姿勢という点でエポックメイキングな出来事だと感じている。端的に云えば、これまで 『報道しない自由』を最大限に行使してきた従来型の新聞、テレビの報道は今回で完全に”オワコン”化し、代わって有権者が情報源として頼りにし選挙結果に大きく影響するのはネットの情報となったことだ。


兵庫県知事選挙を振り返ってみれば、当初は斎藤知事が 「パワハラ、おねだり疑惑」のトンデモ知事である、との報道がオールドメディアから大々的に流されていた。斎藤知事を裁く百条委員会の結果が出る前に県議会から不信任を突きつけられた時には、「なんという知事なのか」と私も憤慨したのだが、知事選に彼が再び立候補し孤軍奮闘している姿を見た時から、「ウン!?失職したにも関わらずにまた出馬するとは、この人はなんらかの強い信念があるのではないか」と、彼を一方的に悪者扱いする報道に疑問を持ち始めた。私も神戸に住んだことがあるが、兵庫県は巨大な港湾利権、反社の存在、同和や第三国人の問題などが渦巻いている上、井戸前知事の県政が20年も続いた土地である。ひょっとすると従来の利権構造にメスを入れようとした斎藤氏が、守旧派の返り討ちにあっているのが、今回の構図ではなかろうかとの疑念を持ち始めたのだった。


ところが、テレビや新聞を見ても彼を肯定する論調はまずなく、反対に悪行(と指摘される行為)の限りを報ずるニュースばかりであった。一方でネットに流れる情報に接すれば、高校時代の旧友や出身の総務省時代の上司の話として、彼がきわめて優秀かつ温和な人物との評価だったし、知事に就任した後は、財政健全化に尽くすなどの実績も挙げていることも分かった。一体全体、斎藤氏の素顔や実態はどうであったのかひどく好奇心を掻き立てられる情勢であった。それらの情報を踏まえ私が考えたのは、斎藤氏は旧態依然として効率が上がらない県の職員を叱咤するあまり、強い言葉も出たのではないか、そしてそれについて行けず反発した職員による告発がごたごたの発端ではないかと云う見立てであった。古い体制や慣行に慣れ親しんだ庁内で、クレバーな斎藤氏のやり方を良しとしない職員によって公益通報を装った知事告発文書が出されたが、案の定、それは怪文書として知事に一蹴されてしまった、というのが実際のところであろうと思っていた (「公益通報」なのか「怪文書」だったのか、その取扱いが妥当だったか否かについての議論は今も告発文の中味が公開されておらず収束していない)。


そんな折、兵庫県知事選挙に候補者として名乗りを上げたNHK党の立花孝志氏による衝撃的な政見放送が飛び込んできた。当選する意思はハナからなく、NHK放送を使って不正を正したいとの、立花候補による真相(と思われる事実)の暴露で情勢は一挙に逆転し、斎藤氏はSNSを中心に一躍支持を驚異的に拡大し、結果として当選したのである。話を戻すが立花候補の政権放送から後は、立花氏の言葉を裏付ける様々な真実(と思われる)情報が次々と飛び込んできた。最も注目されるのは、斎藤氏の行動をパワハラとして「公益通報」的に告発した県民局長(のち自殺)の公用パソコンからは、多くの女性職員との「不倫日記」なるものが発見され(動画もあったという)たそうで、それが記者会見の場で副知事から開陳されようとした件である。不倫疑惑も問題だが、瞠目するのは、その事実のさわり(それも県の弁護士が公益上発表が妥当と確認済の事実)を公表せんとする副知事を、兵庫県記者クラブに所属する大手新聞社やNHKの記者たちが逆に喋らせないように隠蔽したことである。副知事に不倫に関する発表を辞めるように寄ってたかって強引に彼に迫る記者たちの生々しい遣り取りは、Youtubeで聞くことができる。


メディアはなぜ記者会見の場で不祥事を発表させず封印したかったのか?要はこういうことのようだ。斎藤知事は「パワハラ、おねだり」の最悪の人物であり、告発者である県民局長が正義の味方であるとする『筋書』で報道を続けてきたのが兵庫県記者クラブに属する大メディアであった。よって県民局長が斎藤氏のパワハラに苦しんで告発文を作成したものの逆に処分され、ついに自殺に追い込まれたという彼らの『筋書』にメディアはどうしてもこだわりたかったのである。しかし調査が進展する中で、局長の公用パソコンからは職員として不適切な行為に及んでいた事実が露呈してしまい、その発覚と拡散を恐れて彼は自死を選んだ可能性が高いという推測が成り立つようになってしまった。もしその不適切な行為が世間に広く開示されれば、告発者はいつまでも「正義の味方」であり「斎藤知事のパワハラによって死んだ」というナラティブ(物語)が成立しなくなる。不倫の行為や公用パソコンの実態を知った世論が、どうもことの真相は知事のパワハラではない、との思いを抱くことをメディアが恐れ、事実の隠蔽に走ったということになるのだろう。しかし記者クラブの中にも 「これはおかしい」と記者会見を隠し録音して、Youtuberに流した「漢」がいた。そして斎藤氏は劇的な勝利を得た。人の口に戸は立てられないのである。

 

一連の展開には、先の米大統領選の際の「まれに見る大接戦」の大誤報と同じ構図が見て取れる。メディアは自分たちが好む『筋書』をまず用意し、それに沿った報道をするが、もし『筋書』に沿わないような情報があれば、それは見て見ぬふりで『報道しない自由』を決めこむ。大統領選ではカマラハリスの無能ぶりや彼女が極左的信条の持ち主であることを日本のメディアは触れなかったし、兵庫県知事選では県民局長の自殺がもっぱら斎藤知事に責任があるかの報道で、「不倫」騒動で局長が窮地に陥っていたことには一切触ないばかりか隠蔽まで行った。そのメディアが好むのは、総じてサヨク的、社会主義、理想主義的なリベラル風に偏した耳ざわりの良い『筋書』であり、現実を糊塗して世間を一定の方向に誘導しようとすることがミエミエのケースが多い。今回の件は斎藤という気鋭の若手知事による、改革への語気鋭いリーダーシップに対して、「パワハラ、おねだり」「公益通報の尊重」とキレイ事を並べ、『報道しない自由』によって彼を追い詰めようとしたメディア側の『筋書』が見事に失敗した事例だと云える。この2~3日、「 虚実相半ばのSNSには規制が必要だ」などと笑止千万のオールドメディアの論調が見受けられるが、片腹痛いとは正にこのことだ。大統領選にしろ兵庫県知事選にしろ、反省するのはまずオールドメディアの方だろう。自分たちの見立てに合わぬ現実を 『報道しない自由』を続ける限り、新聞やテレビはネットに負けることがはっきりしている。

2024年11月 7日 (木)

祝・トランプ勝利、試される日本、オワコンのメディア

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BSの「報道1930」より。右端のコメンテーターはネットでパヨックンと呼ばれたりしているそうだ

私がかねてから予想していたとおりドナルド・トランプが、圧倒的なリードでカマラ・ハリスを破り米大統領選挙に勝利した。後出しで今だから言うのではない。政治には素人の私でさえ、「まずトランプになった 来年は日本の覚悟も試される(2024年7月22日)」に記したとおり今年の夏の初めにはすでにトランプの勝利が見えていたのに、この数か月間の「まれに見る大接戦」だの「ハリス氏リードも」などの報道は一体何だったのだろうか。前世紀的マッチョを体現するかのトランプ候補に対し、非白人でポリコレや多様性を主張する女性、という耳ざわりの良いハリス候補である。「リベラル」と呼ばれる「サヨク」メディアがハリスを応援したくなる気持ちは分からぬでもないが、彼らはやはり自分たちの単なる願望を報道と称して垂れ流してきたことが改めて明らかになった。当事国アメリカのメディアであれば、そうしたい気持ちがあるのはまあ理解するも、海を越えた日本のマスコミまでがハリスを推す姿勢は気持ち悪いほどであった。思い返せば、トランプが銃撃された際に、TBSサンデーモーニングのメインキャスターが「(撃たれた彼が今後)有利になりかねない」と言ってのけたものだった。
10月27日日付トランプ候補優勢のブログ:衆議院議員選挙 自民党惨敗


私が早くからトランプ勝利を信じていたのは、歯を見せて意味もなく笑うハリスの、中身のまったくない頭からっぽのコメントや、論点に答えぬありさまを次々と暴露するX(旧ツイッター)の情報によるところが大きい。Xの画像はもちろん「切り抜き」であり、彼女を揶揄したい部分が強調されていることは承知のことゆえ、Xに加えてYoutubeやニコ生で日頃「この人ならば本物」と私が思っている識者の反ハリスコメントにも触れていた。これらを見聞きするにつけ、こんな資質のないハリス候補を米国人が信任するわけがないという確信が育まれたのである。この間、我が国のテレビ地上波は総じてハリス推しなので、ニュースをやむなく見る際には少しはマシなBSの報道番組とし、新聞もトランプ下げが顕著なので大統領選に関する記事はざっとナナメ読みするだけにしていた。反対にネットの世界では終始トランプが遥かに優勢ということになっていたが、蓋を開けた結果も「大接戦」とした大メディアより、案の定ネットの情報が正しかったということになった。


日本のオールドメディアは、アメリカのニューヨークタイムスやワシントン・ポスト、CNNや三大テレビネット局などリベラル系報道機関を情報源にしていると云われる。これら米リベラル系の見たて通りにハリス陣営を応援し続け、「まれにみる大接戦」と報じた我が国の報道は、終わってみれば大本営の発表を鵜呑みにして国民に真実を伝えなかった大東亜戦争時のそれとまったく変わらぬ図式だった。事実ではなく願望を伝え続けたテレビや新聞など日米オールドメディアは、これを以て”オワコン”化が決まったのではないか。さてトランプ大統領の再登場となって、多様性の尊重やらジェンダーフリー、SDGS、地球温暖化対策などリベラル(サヨク)主張の後退が確実になるのが実に喜ばしい。21世紀になって世界を席巻したこれらグローバリズムの風潮はEU含めここにきて一頓挫し、国家ナショナリズム台頭の時代を世界が迎えることが確実である。安倍さん亡きあと、アメリカを唯一の同盟国とする日本も、「自国第一」を掲げる新トランプ政権の下では極めて不安定な立場に置かれよう。何度も言うが、これは日本がアメリカの属国から脱して真の自立を果たす、最大のチャンスでもある。憲法の改正(前文”平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して..."の削除や自衛隊の地位の明確化)は当然のこととして、トランプもすでに日本に対して容認しているとおり、我が国防衛のための核武装を真剣に検討する時期がきた。

2024年10月27日 (日)

衆議院議員選挙 自民党惨敗

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いま日曜日の夜である。衆院選挙の開票速報をテレビで見つつ、自民党の大幅議席減は当然、と留飲が下がる思いで過ごしている。いわゆる「裏金」は国民を馬鹿にした問題であるが、それは表層の出来事で大したことではない。安倍政権を支持してきた岩盤保守層をことごとく裏切る政治を、岸田、石破の2人の愚相で続けた結果、2012年の第2次安倍政権スタート以来続いた国政選挙6連勝という記録がここで途絶えてしまったのである。思いおこせば党議拘束までかけて立法化したLGBT法の制定、財務省の言うままの増税・社会負担増の路線、外国人労働者の受け入れ、媚シナ・親韓(石破はさらに親北朝鮮)の諸施策、実態を国民に説明しないままバイデンのポチとしてウクライナなどへ行う巨額支援、「やるやる詐欺」に終わった憲法改正、総裁選での高市早苗つぶしなどなど、ことごとく反安倍的な政治、すなわち保守の気持ちを逆なでする政治を行った結果が今回の自民党体たらくの原因である。元来自民党支持の私も今回は選挙区は非自民候補に、比例では日本保守党に票を投じた。自民支持の30%を占めると云われる岩盤保守層を甘く見たツケは大きいと見なければならない。


さて目を米国に転じれば、大統領選挙に関して、左に急旋回中の日本のメディアは、相変わらずカマラ・ハリスとトランプの勝敗が「接戦」などと報道している。しかし選挙キャンペーンを通じてカマラ・ハリスの脳みそがまるで空っぽだという事があらためてアメリカの国民に知れ渡り、予想通りトランプが優勢になっているのが現状とのこと。日本のメディアまでが、なぜハリスを応援するのか実に不思議なのだが、常に国民の3%~5%はいるという「隠れトランプ」の存在を見れば、次の大統領はトランプでほぼ確定ということだろう。すでに米金融界では”トランプ・ラリー”と称し、トランプ氏当選を前提に、来るべきドル高や金利上昇を予想して新たな金融・投資ポジションをとる動きが始まっているそうだ。このまま彼が大統領になれば、シナからの輸入製品には60%の関税をかけると言明しており、米中の離反がますます顕著になることは間違いない。世界はシナ・ロシア・イラン・北朝鮮の枢軸国と、G7を中心とする西側先進国陣営に完全に分断されることが明らかで、インドやグローバルサウスが都度、両者の間でポジションを取り合う新「冷戦時代」になることが予想される。


今回の自民党大敗戦の結果を受けて、総理総裁は今後どうなるのだろうか。アジア版NATOの創設だとか日米地位協定の見直しなど総裁選での主張、メディア受けする言動は、跡形もなく消えてしまったことからしても、石破首相という人物は口先だけで、自らの政策を本気で推し進めようという強い意志は持っていないことが露呈した。言行不一致の石破氏に対し、私は「やはり野に置け、評論家」だと思っている。今後トランプ氏が大統領に復帰した暁には、世界の分断や貿易摩擦の問題だけでなく、我が国は安全保障の面で第一次トランプ政権時代よりはるかに難しい状況に追い込まれることは必至である。まずは米軍駐留費用(思いやり予算)の大幅な増額を要求されようが、問題はそれだけでは終わらない。台湾有事の際には日本の基地から米軍が出撃することになろうが、その際にシナは我が国を恫喝するだけでなく攻撃してくるかもしれない。そんな事態になったらどうするか?。石破首相の様に口先だけで覚悟がない首相で来るべき難局が到底乗り切れるとは思えない。万が一、カマラ・ハリスが大統領になったとしたら、台湾有事に際して覚悟なき日米トップ同士のアタマが空っぽということになり、それはそれで目も当てられない悲劇的な事態となる。(自民党政権が続くなら)惨敗した自民党は高市早苗氏を総裁に指名し直し、来るべき国難に対処すべしと、選挙速報を眺めながらひそかに彼女に期待する。

2024年7月22日 (月)

まずトランプになった 来年は日本の覚悟も試される

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民主党が強いカリフォルニアでも銃撃事件直後にはトランプ支持の行進が( ロス留学中の姪が送って来た写真)

 

銃撃されて耳から血をだしながらも「FIGHT、FIGHT、FIGHT !」と3回叫び、こぶしを突き上げたトランプ氏の映像を見て、おもわずかつての漫画 ”嗚呼花の応援団” 薬痴寺先輩の「 役者やのォー !」との名言を思い出した。我々世代以上のアメリカ人ならジーン・オートリー(GENE AUTRY)のCOWBOY CODEを思い出したかもしれない(下記)。普通なら腰が抜けてしまいとても立ち上がれない場面なのに、この強さがあれば、もし核戦争などの危機が来ても、きっとブレずに行動するはずとの確信を米国民に抱かせる闘志であった。常人にはとても真似のできない千両役者である。これで大統領選においてボケが目立つバイデン氏に一層差をつけるだろうと思っていたら、バイデン氏が次期大統領選から撤退するとついに発表した。


こうなると民主党の大統領選候補者は「 笑ってごまかすしか能のない」(島田洋一・福井大学名誉教授)極左のカマラ・ハリス氏とあって、共和党のトランプ氏が次期大統領に当選する確率がぐっと高まった。「ほぼトラ」から、「まずトラ」になったわけだ。以前にも何度もアップしたとおり、これは世界的なグローバリズム勢力の後退と国家保守主義者の巻き返しのダイナミズムの一環である。「まずトラ」から、この秋に彼が大統領となった暁には何が起きるのだろうか?。共和党が先ごろ発表した大規模減税の綱領については、そう簡単に実現できるかは見通せないが、トランプ氏は外国からの輸入品に一律10%の関税、特に中国製品には60%超の関税をかけ、中国の最恵国待遇も取り消しすと云うから何とも頼もしい。


共和党は地球温暖化対策に関する諸策に反対し、石油や天然ガスの掘削を推進、大幅増産を目指すとともに、EV普及化にもネガティブであることを掲げている。またトランプ氏自身は「性別は男子と女子のみ」として、LGBT擁護を嫌いジェンダー議論を駆逐することも明らかにしている。両主張とも、これで一儲けしようと世界で画策する勢力を一蹴する極めて真っ当なものだと云えよう。まるで米国社会にマッチョなカウボーイが再来したようだ。The Cowboy is a patriotである。さて現バイデン政権の代理人であるエマニュエル駐日大使の手先となり、「バイデンのポチ」と呼ばれてきたのが岸田首相だ。LGBT法案を制定し「 共生社会と人権」を掲げて事実上の移民政策を始めた他、国民には何の説明もなくウクライナ支援に何千億円もの日本のカネをつぎ込むグローバリストの岸田首相(来年は退陣しているだろうが)や、もはや保守ではなくなった自民党は、来年から一体どうやってトランプ新政権と対峙していくつもりであろうか。


トランプ政権が実現すれば、トランプ氏の盟友であった安倍さん亡きあと、日本にも大変な国難がやってくることが予想される。現在2.5%の日本製自動車に関わる米輸入関税が引き上げられることが考えられるほか、様々な貿易障壁が高くなることは確かだ。また安全保障の分野では、米国一国主義のトランプ氏に続き、ヴアンス副大統領候補も同盟国に一層の責任分担を求める考えの持ち主だと云われる。トランプ氏はすでにアメリカの負担軽減のために、2016年には日韓は独自で核兵器を保有することまで容認する発言をしている。尖閣諸島はもとより「台湾有事」とあっても、まずは日本の自衛隊が前面で対処することを覚悟しておかねばならない。そうなれば日本国内は、媚中・親中派と、親米派の間に大きな亀裂が生じ、国論が2分することになろう。来年は大東亜戦争終結から80年となる。「平和憲法さえ守っていれば安心」とのお花畑思考がいよいよ、試練の時を迎えることになる。トランプ大統領の再選がまず確実となったいま、返す返すも安倍さんがいないことが悔やまれるが、これは日本が真の独立を得る良い機会でもある。

 

COWBOY CODE

1.The Cowboy must never shoot first, hit a smaller man, or take unfair advantage.
2.He must never go back on his word, or a trust confided in him.
3.He must always tell the truth.
4.He must be gentle with children, the elderly, and animals.
5.He must not advocate or possess racially or religiously intolerant ideas.
6.He must help people in distress.
7.He must be a good worker.
8.He must keep himself clean in thought, speech, action, and personal habits.
9.He must respect women, parents, and his nation's laws.
10.The Cowboy is a patriot.

2024年1月28日 (日)

靖国参拝で自衛隊幹部が処分されたことに異論を唱える

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掃海母艦”ぶんご”艦橋内の金毘羅さん(2009年10月観艦式の際に撮影)。神社にお参りすることが宗教行為ならブリッジ内になぜこれがある?


防衛省は、陸上幕僚監部のナンバー2にあたる陸上幕僚副長など幹部3人が、1月9日に公用車を使用して靖国神社に参拝したのは不適切だったとして、訓戒の処分にしたことを発表した。今回の参拝は22名が参加したものの、参加した全員がいずれも休暇を取得し自主的に参拝していたとして、内部通達で禁止されている部隊での参拝にあたる可能性はなく、公用車を私的行為に利用したのが不適切だったとしている。しかし、この防衛省の判断に違和感を覚えたのは私だけではあるまい。もしこれが公務時間中であった場合には、靖国神社に自衛隊の幹部がお参りすることが、いわゆる「宗教的な行為」に当たるとされるのだろうか。政教分離の観点から防衛省は「部隊としての参拝」や「隊員への参加の強制」を禁じているそうだが、統一教会やイスラム寺院に詣でるわけではない。近代国家の礎を担い安全保障に携って亡くなった方々の「みたま」に敬意を表すことが「宗教的な行為」にあたり、私的な時間に行くべきとの防衛省の通達は一般的な社会規範や常識に反していると私は考える。


もし職務時間中に神社に参拝することを禁じるならば、海上自衛隊の護衛艦内のブリッジに祭られている神社はどう考えたらよいのだろうか。ブリッジは当直の隊員が「公務」で詰める場所そのものである。神社に詣でるのは「宗教的な行為」であり、私的時間に公務を離れて行うべし、という決まりなら、艦内の神社は隊員が仕事で使わない場所に造らねばならないことになる。軍艦に限らず一般の商船でもブリッジには、金毘羅さんや大山祇の神、宗像神社などが祭られている(外国の商船にはキリスト教の祭壇が置かれている)。日ごろから鳥居や社殿に向かってこうべを垂れ、正月やお盆、秋の収穫に際して神社に参拝して手を合わせるのは、日本人の心性に沿った「生活様式」であり「宗教的行為」には当たらないとするのがごくふつうの感覚であろう。私の周囲の友人、親戚などにも洗礼を受けたクリスチャンが多数いるが、彼ら彼女らも神社に詣でることが「宗教的行為」ゆえ教義に反するなどと主張する人間は皆無だ。神社に詣でることが「宗教的行為」と解釈すること自体が、およそ日本人の常識から外れた特殊な考え方だと云える。


こう主張すると靖国神社は特別だと脊髄反射する愚かな左巻き人間がいる。しかし靖国神社のホームページを見れば「靖國神社には・・・・近代日本の出発点となった明治維新の大事業遂行のために命を落とされた方々をはじめ・・・歴史的に著名な幕末の志士達、さらには日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦・満洲事変・支那事変・大東亜戦争(第二次世界大戦)などの対外事変や戦争に際して、国家防衛のためにひたすら「国安かれ」の一念のもと、尊い生命を捧げられた方々の神霊みたまが祀られており、その数は246万6千余柱に及びます。その中には軍人ばかりでなく、戦場で救護のために活躍した従軍看護婦や女学生、勤労動員中に軍需工場で亡くなられた学徒など、軍属・文官・民間の方々も数多く含まれており、その当時、日本人として戦い亡くなった台湾及び朝鮮半島出身者やシベリア抑留中に死亡した軍人・軍属、大東亜戦争終結時にいわゆる戦争犯罪人として処刑された方々なども同様に祀られています。・・・つまり、靖國神社に祀られている246万6千余柱の神霊は、『祖国を守るという公務に起因して亡くなられた方々の神霊』であるという一点において共通しています。」とある。


靖国神社にA級戦争犯罪人も合祀しているのが問題だから、靖国は特別だどいういちゃもん自体が、1985年の朝日新聞による反日報道にネジを巻かれた、シナや朝鮮のプロパガンダに過ぎないことは明らかだ。彼らの文句には「内政干渉」と一言突っぱねれば良いだけのことである。国防の最前線で戦うのが任務の自衛隊員が「祖国を守るという公務に起因して亡くなられた方々の神霊」に例え公務時間中であっても詣でることに何の問題があると云うのか私にはさっぱり分からない。市ヶ谷の防衛省と靖国神社は靖国通り沿いに距離的には僅か1.5キロしか離れていない場所に位置する。公用車で往復しても費用的にはガソリン代が60円くらいのもので、防衛省の人たちは堂々と公用車を使用して勤務時間内に靖国神社に参拝すれば良いと思う。ましてや今回は幹部自衛官たちは同日に境内で行われた偕行社(元陸軍将校の同窓組織で現在は陸自幹部OBも会員)の賀詞交換会(これは公的行事にあたる)に出席している事実がある。その折に神社に詣でるのは、日本人なら凡そ誰もが行う自然なことに違いない。これが「宗教的行為」で「私的参拝ゆえに公用車不可」であろうか?。陸上幕僚副長など幹部3人が公用車を使用して靖国神社に参拝したのは何も問題はなく、これを不適切だ、として処分を下す防衛省の判断そのものが不適切である。

2024年1月21日 (日)

2024年の政治

2024年は海外で重要な選挙が行われる年である。まず先週行われた台湾の総選挙では、対シナ政策で現状維持派と見られる民進党の頼清徳候補が大陸に融和的な国民党候補に勝利し、まずは一安心と云う結果になった。もっとも同日行われた立法院(議会)選挙では、与党・民進党の得た議席が過半数を割った為、今後の立法や予算を巡って政権は難しい舵取りを強いられると報道されている。次の注目の的である3月のロシア大統領選挙はよほどのことがない限りプーチンの勝利になることは間違いないのであまり興味は持てない。ウクライナとロシアの戦いは欧米の支援疲れ、と云うより援助資金の枯渇で、どうやらロシア優勢のまま終結しそうな情勢だ。西部戦線に国力を削がれ極東どころではなくなったプーチンが、何かの見返りに北方領土で我が国に僅かでも妥協するか、などと云うムシの良い期待も泡と消えて残念だ。


ウクライナと云えば、6兆円とも10兆円とも呼ばれる巨額の復興支援を日本が供与することを、すでに岸田首相がバイデン大統領と合意しているとする報道もある。4月に岸田首相が国賓待遇でアメリカに招待されているのはその見返りだと云う説もあるが、もしそれが事実だとすれば今年度予算編成の国会が大問題になることは間違いない。財政が非常に厳しいと云いながら海外には実に気易くカネをばらまく岸田政権である。どうせまた外為特会の剰余金を活用するなどと言いだすのもかもしれないが、そもそも外為特会であっても、これまでの外国為替の売買に伴って生じた利益であり、元を辿れば国民が汗水たらして稼ぎ積み上げた資金である。米民主党政権に云われLGBT法案を何の説明なく強行に立法化したとおり、肝心なことは国民に喋らないのが岸田首相のやり方だ。云われる通りバイデン大統領と約束を交わしウクライナ支援のために日本国民の巨額の資金がばらまかれるのか、国会での彼の言動や予算編成審議を注視せねばならない。


「バイデンのポチ」と云われる岸田政権が、今年の通常国会を乗り切って目出たくアメリカに招待される日が来るのか。ここへ来て派閥パーティ裏金疑惑に対する浅慮極まりない発言やパフォーマンス先行の岸田首相には、自民党内で相当の不満がたまっているとされる。そもそも岸田派を離れると12月に明言した首相が、すでに代表でもなく離脱した「岸田派」の解散表明を出すことに矛盾はないのか。麻生氏らを中心に自民党内に「政治刷新本部」を立ち上げたばかりで、何の答申も経過報告もないのに、岸田派の3000万円の収支不記載が判明した途端、慌てふためいて派閥解消を発表する姑息さに自民党内は大混乱とのこと。国家観を以て政権運営をして欲しいなどとはすでに彼に期待していないが、思い返せばこれまでも岸田首相の方針は行き当たりばったり、自身に近い役人に云われるままだ。おそらく岸田政権は今春にも自民党内で総スカンを喰らい運営が立ちたち行かなくなり、アメリカの国賓招待を花道として内閣総辞職となると予想する。


今年最大に注目される海外の選挙と云えば11月の米国大統領選挙である。共和党の候補者選びは圧倒的にトランプ氏がリードで、この勢いで11月には民主党候補を破り大統領に返り咲くとの予測が飛び交うようになってきた。大いに結構なことだ。地球温暖化対策やら移民政策に反対し、所謂グローバリストたちが推し進める「ポリコレ」をぶち壊すにはトランプ氏くらいのパワーとえげつなさが必要である。同盟を軽く見るモンロー主義的なトランプ氏の復権に備えてNATOは大慌てで対策を練り始めたようだし、わが国も麻生氏が急遽トランプ氏の本拠地であるニューヨークに飛んで接触を試みた。彼が大統領に再選されれば、日米安全保障条約に関して日本側の負担を増大させると共に、アメリカの軍事的プレゼンスを少なくするような見直しを要求してくることは必至。そうなればシナや北朝鮮の脅威がますます強まるなか、初めて日本人が安全保障問題を現実の事として考えねばならぬ状況になる。明治維新から大東亜戦争終結まで77年、それから今年まででもう79年となる。わが国の存立基盤を見直し安全保障を考える上で、2024年は大きなターニングポイントになる年かも知れない。

 

2023年12月13日 (水)

LGBT法に女性たちの反論

20231213

最寄のJR駅前をジョギングしていたら、みどり色の恐竜の着ぐるみをマスコットにした数名の女性たちがなにやらビラを配っている。どうせまた「差別」やら「人権問題」がどうたらと訴える鬱陶しい団体かと眉をひそめて通り過ぎようとしたら何やら様子が違う。どうやら「女性の権利を守ろう」と声を大にして訴える女性たちのようで、近頃のLGBT法制定などの動きに反対しているらしい。それならばビラを受け取ろうかと足を止め「大いにがんばれよ」と声をかけると、「え、私たちの運動にご理解いただけるのですか」「ああ、本当にありがとうございます」「今日初めての声援でとても嬉しいです」などと口々に丁寧な礼が返ってくるので却ってこちらが恐縮してしまった。ジョギングを終えて家でビラをよく読むと「女性の定義を守る会」とあり、この団体は「性別の定義は生物学的な分類のみ」との本来なら当たり前かつ極めてシンプルな主張を展開しているようだ。彼女らのバックグランウドは一切不明だが、昨今のポリコレに対する真っ当な反論のようで、もし私の声援が少しでも力になれば嬉しいと思っていた。


もらったビラには "STOP ! 性別記載変更(特例法)"とあり、性別変更の手術要件をめぐり特例法の規定は憲法違反だと最高裁が先ごろ下した判決に異を唱えている。要は「心は女」の男性が「自分は女性だ」と言い張るには、従来は男性器を除去することが必須要件だったのが、必ずしもそれを必要ではないとする最高裁の判断に彼女たちは反対しているらしい。ビラの文面には「女性が生きるためには、男女の区分が必要です」とあまりにも当然のことが訴えられているのだが、今年のLGBT法制定や最高裁のおかしな判断によって狂い始めた風潮に歯止めをかけようと女性たちが声を挙げ始めたことが分かる。彼女らはアメリカで今話題の『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』(アビゲイル・シュライアー著)がリベラル(と呼ばれるサヨク)の反対で我が国では刊行中止になったことにも抗議しており、左巻きの連中によって出版の自由や表現の自由が侵害されることに憤慨している私はこの点も賛同するところだ。


この11月に三重県桑名市の温泉施設で、女性の脱衣所に7時間も隠れている男が見つかり警察に捕まる事件があったそうだ。この男は「心は女なのになぜ女風呂に入ってはいけないのか」と居直ったとされるが、心がオンナならさっさと風呂に入って出るだろうに、7時間も脱衣所で粘るのは、どう考えてもただの変態男であろう。しかしこの男性を起訴するかどうかは、警察も大いに逡巡したらしい。チンチンが付いていても、心がオンナならば女性でよいとする最高裁判決や、「自認する性を優先」することを促がすかのLGBT法の影響が捜査現場の困惑の背景にあることは間違いない。同法案を推進した自民党の稲田朋美議員は「女性風呂に男性が入ることはないと厚労省が言っています」と強弁し、厚労省から今年7月に身体的特徴で男女を判断し混浴をさせない旨の「通知」が浴場に向けて出されているものの、法制化以降、実際は変態男たちの居直りに現場で警察が混乱しているのである。このまま進めば、次は通勤時間帯の女性専用車両に「心が女」の男が乗車して騒動になる事態が多発することだろう。


「LGBT理解増進法」第二条には「ジェンダーアイデンティティとは自己の属する性別についての認識に関するその同一性の有無または程度に関わる認識を云う」と意味不明の文言が並んだうえ、最高裁の判断などを合わせると「自認する性を優先」するポリコレがリベラル・サヨク界隈がすすめる流れであることは明白である。一方で昭和二十三年に制定された公衆浴場法では第三条で「営業者は、公衆浴場について、換気、採光、照明、保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置を講じなければならない」とされ、さらに公衆浴場における衛生等管理要領 II 施設設備 3脱衣室(1)は「男女を区別し、その境界には隔壁を設けて、相互に、かつ、屋外から見通しのできない構造であること」が定められている。変態男を排除し女性の安全を守るために「女性の定義を守る会」をはじめ幾つかの女性団体が活動をし始めたわけだが、LGBT(特にT)の主張を後押しする左巻き勢力は、自分たちの「自認する性が優先」思想と、既存の法律や世間の常識・規範との間でどう折り合いをつけていくつもりだろうか。ごく一部の特殊な性癖の人たちを専らおもんばかるばかりに、圧倒的多数のフツーの女性や子供の安全をないがしろにするかの社会はやはり異常である。蛇足ながら、LGBT法を党議拘束までかけて制定させた自民党が、いまパーティ券のキックバック問題で窮地に立っているを見るにつけ、同法の法制化で自民党を見限った多くの岩盤保守層が「天罰が下った」と密かに笑っていることを明記したい。

 

2023年11月 9日 (木)

岩盤保守層に見限られた岸田政権の起死回生策

20231109hanada12

秋晴れの日が続く。週に一度くらいはこのブログをアップしたいと思っているが、ここのところ平凡な日々で特に記すこともなくて困っている。困った時の政治の話ということで、なぜ岸田政権がこれほど人気がないのか、私が自民党を見限ってなぜ百田尚樹氏率いる「日本保守党」の党員になったのかを記してみたい。振り返れば2年前に岸田政権がスタートした時に、親シナの林芳正氏が外務大臣に起用されて「おや!?」と思ったことはあったが、安倍元首相の国葬儀を即決し反対の声もあった中でブレずにこれを実行、防衛予算の大幅増額も即断するのを見て、岸田氏は大方の予想に反してなかなか決断力がある首相だと一時は感心していた。しかしコロナ感染騒動ではオミクロン株への変異によって、世界では厳しい感染対策が緩和されたにも関わらず、(いわゆる)専門家という人達の意見を聞きすぎて5類に移行する決断が遅すぎたあたりから、どうもこの人の「聞く力」とは専門家の意見にことさら左右されて「政治決断」が下せない類いだと、私は彼の指導力に疑いの目を持ち始めたのだ。


財政再建にこだわる財務官僚の意見を岸田首相は聞きすぎだ、という声がかねてから挙がっていた。防衛予算や少子化対策には財源が必要だと彼は言葉の端ばしに増税をほのめかしていたが、特に不満に感じたのが今年6月に出された政府税調の中間答申で、その中では通勤手当の非課税や、退職金の控除額の見直しなどサラリーマン層への狙い撃ちが明らかだった。安倍さんが首相の時ならこのような税調案が出ても、それがメディアにことさら取り上げられないように官邸が配慮したとされるが、岸田氏自身がいくら否定しようとも財務省にひたすら阿(おもね)て増税路線を目指す政権であることが、誰の目にも明らかになってきたようだ。一方で海外向けには威勢よく補助金や支援金のバラマキを約束し、リベラル勢力がバックにいる「公金チュチュー団体」の整理にも彼は一切手をつけようとしない。「聞く力」が決定的に発揮されたのがエマニュエル米大使にそそのかされて、党議拘束までかけ首相自らが肝いりで推進したLGBT理解増進法の制定であった。文化・伝統的にわが国にまったく不要、かつ女性の人権を大きく損なう法案を何の説明もなく、強硬に採決させた岸田首相を見て、私はこんな人に率いられる自民党への支持はもうやめようと決め、日本保守党の党員になったのはすでにアップしたとおりである。


LGBT法の成立が自民党の岩盤支持層を離反させ、首相の支持率を落としたことを、これまで性的少数者の理解増進運動を推進してきたオールド・リベラルメディアはなかなか取り上げなかった。しかし最近の内閣・自民党支持率の低下でようやく「首相 保守層つなぎとめに躍起 LGBT法成立 支持離れに危機感」(10月27日読売新聞朝刊)などの論調が、岸田応援団とされる読売新聞にも掲載されるようになってきたのはよろこばしいことである。同記事は憲法改正や安定的な皇位継承問題などの議論を進めるに当たり、保守層の離反に自民党が狼狽していることについて「9月には作家の百田尚樹氏がLGBT法の反発を主な理由に、…『日本保守党』を設立した。自民幹部は『LGBT法で保守層が逃げた可能性が高い。』 」との分析を展開している。私とまったく同じように多くの自民党支持者が、この法案の成立で同党に愛想をつかしたことが分かるが、米国民主党の声を代弁するアメリカ大使と国内リベラル勢力の声ばかりを聞き、保守岩盤支持層を甘くみたしっぺ返しはまことに大きいと岸田首相は知るべしである。岸田首相には「聞く力」はあっても、安倍さんのような「国家観」がないばかりに、「聞いた」ままに、保守とリベラルの間を行き来し、財政再建派と積極財政派などの間で右往左往しているように見える。


月刊HANADA12月号の石橋文登というジャーナリスト(千葉工業大学特別教授)による「岸田総理はもっと『怒り』を」とする記事には、「支持率下落の要因は?」とする分析があり、これが岸田政権の不人気についてよく纏めていたので紹介したい。「 岸田文雄はもともと、ジェンダーフリーやLGBT問題にさほど関心はなかった。…駐米大使の甘言につられたのか、朝日新聞の『天声人語』に褒めてもらいたかったのか。いずれにせよ、左にウイングを広げようとしたばかりに、安倍晋三が誇った『右から三割』の岩盤支持層は右から崩れつつある。」「…リベラル勢力への警戒心は微塵も感じられない。ここが安倍晋三との決定的な違いだと言えよう。伝統・文化を歪め、日本を貶めようとする勢力への『怒り』がないので、『話せばわかる』『必ず妥協点を見い出せる』などと幻想を抱いてしまう。だから保守層は岸田に『危なさ』を感じているのだ。」「 安倍晋三が死去してわずか一年あまりで、自民党は保守政党としても矜持を失いつつある。」との石橋氏の意見であり、自民党支持を辞め日本保守党を応援することにした私も、この石橋氏の記事にけだし同意するところだ。さて岸田氏が失われた保守層の支持を回復する起死回生の手段はまだ残されている。安倍さんさえ成しえなかった憲法改正の議論を本格化し、早急に憲法改正発議をすすめることである。いまは右からの声に「聞く力」を持つことだが、まあこの体たらくでは余り期待できないか…。

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