男性の更年期障害
オールドメディアにしろネットコラムにしろ、健康に関する話題は読者にうけるようで、成人病やガン、老人医療などに関する記事を毎日のように目にする。戦乱やら倒産などが身近に起これば「健診」などと言っていられないから、それぞれが体のことを気にできるのも世の中、平和で安泰のしるしである。ということで、最近は「男性の更年期障害」などと従来あまり話題にならなかった症状(症候群?)を取り上げて、人々の耳目を集めようとする記事が目につく。齢をとれば筋力や生殖能力は衰えるのがすべての生き物の宿命なのだから、殊更に騒ぐことはないとは思うものの、読売新聞の「家庭版」3月号の「ココロとカラダの相談室」では「加齢現象だと見過ごされがちな男性の更年期障害」なる相談コーナーがあり、あまり関係ないと思いつつもつい読み入ってしまった。
ここでは医師の解説とともに、「男性更年期のセルフチェックリスト」なる質問、すなわち「総合的に調子が悪い」「睡眠が良くとれない」「心理状態が不安定」「憂鬱な気分」など17項目があり、それぞれ「症状なし1点」から「中等程度あり3点」「非常に重い5点」までの5段階に自分の状況を当てはめて合計点で該当者か否かを判定している。さっそくリストに取り掛かったところ、14問目までは「筋力低下」以外、まったく自覚症状がないことが分かった。それはそうだ。もし70歳をとっくに過ぎても筋力低下を感じないとすれば化け物のようなスーパー爺さんで、筋力などは衰えるのが当たり前であり、毎日の会社勤めがなければ、心理的負担はぐっと減るから夜もよく眠れるのがこれまた当然である。
ところが第15問「性的能力の衰えを感じる」第16問「早朝勃起の回数の減少」は、前立腺をガンで全摘した自分には答えようもないことが分かって思わず苦笑してしまった。前立腺を取る際には、普通その周囲にある勃起中枢も除去してしまうから、いくら第17問目にある「性欲」があってもそもそも「性的能力」は発揮できなくなる。よく見れば「ココロとカラダの相談室」に相談を寄せた質問者(本当に質問があったかどうかは不明だが)は45歳男性とあるから、前立腺ガンなどの対象年齢に達していないし、筋力低下もあまり自覚しないことだろう。どうやらこのリストの設問自体はもっと若い人向きかと、紙面を前にぶつぶつと呟く私を見ながら「女性の更年期障害だって大体50歳前後だから、男性だってそのぐらいなんじゃない?あなたのようなお爺さんはお呼びでない」と妻が横で笑っている。
そうかオレはとっくに更年期云々は過ぎて、本当のジジイかと改めて自覚するのだが、男女の性別という面では齢をとれば却って良いこともある。若い頃は20歳代のカワイイ女の子にしか目が行かず、それ以上の年齢の女性はまったく目に入らなかったものだが、齢を重ねるにつれその対象年齢が拡大していく。それも若い頃に気にした顔の美醜やスタイルの良し悪しではなく、「ただよう品の良さ」「感じの良さ」「受け答えのすばらしさ」「言葉の美しさ」など内面からにじみ出てくる所作に「女性らしさ」を感じ、いまでは同年代の70才台はもちろんのこと、80才台の女性でも素晴らしい人、美しい人がいるものだと感じる。更年期を過ぎると女性に対するエネルギーは昇華されるようだ。ちょっとしたことでもよいのだが、日々なにかの機会に感じの良い大人の女性と会話したあとは、ほんのりとした気分にさえなる。こんな時にはわが身を顧みて、自分も品の良い爺さんだと思われるように立ち居振る舞いを意識せねばと暴走ジイサン気味の私は心するのである。
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