健康診断 毎年厳しくなる基準値
区の健康診断(特定健診)を受けてしばらくして結果が郵送されてきた。70歳を過ぎ退職して国保に変わったため、基本的に無料で受けられる自治体の健康診断を受診することにしているが、この歳になれば誰しも身体に多少はガタが来ているものである。どこかが痛くなったり不具合が出ればその時に医療機関にかかれば良いのであって、ふだん何の自覚症状もないのに健診の数値を見て落ち込んだりしたくないと思うものの、この春に乗船予定の「飛鳥Ⅱアラスカ・ハワイグランドクルーズ」には、医者の診断書(健康診断の結果で代替可)の提出も義務付けられているので、そのためもあってのこの時期の受診である。特定健診には、肺、大腸、胃のがん検診もごく安く同時に行ってくれるオプションがあるので、どうせならとこれも受けることにした。届いた結果を見ると、肺、大腸、胃などは特に問題無しだが、予想どおり血圧が高いという指摘であった。また血液検査でも基準から外れた項目が幾つかあり、もう一度医療機関での再検診をお薦めしますなどの注意はあるものの、まずは想定の範囲内で一安心である。
検査結果を見るたびに思うのが、健診の基準値という閾値(しきいち)の胡散臭さである。この基準値とは何か。検索すると「 20〜60歳くらいまでの健康な人の検査成績をもとに、上限と下限の2.5%ずつを除外したもので、残りの95%の人の数値が基準範囲とされています。つまり、『「現時点では健康と考えられる人の95%が含まれる範囲』が基準値ということです。」と協会健保のサイトに記載されている。とすれば私のように70歳を超えた年代には別の違う基準値があって良いはずである。血管も筋肉、臓器も健康な20歳代の若者と、永年に亘って心身を酷使し、いまや老化のさ中にある我々のようなシニアが同じ物差しで「あなたは基準から外れているから医療機関に行って下さい」という健康診断の評価は乱暴ではなかろうか。自身のことで云えば、年相応の経年劣化と2つのガンの術後経過観察で、年に数回は血液検査を受けており、それぞれかかりつけの医師からは、(今回基準をはずれた項目含め)「基準から外れている項目もありますがまあ誤差の範囲で気にしなくて良いです」と御墨つきを都度貰っている状況である。
この健康診断の閾値は、実施する医療機関によって基準数値の設定に若干のバラつきがあるし、いつの間にか変わっているものもある。今回、肝疾患の疑いありと判定された肝臓については、検査結果の中でAST(GOT)が39 (基準は30以下)、γ-GTPが53(基準は50以下)によるための指摘であろうが(それ以外の肝機能数値は正常範囲内)、他の医院で検査する際の基準値はそれぞれ40以下と80以下で、そこでは問題なしと判定される値である。そもそもγ-GTPは本当の肝臓の病気になれば桁が違うほど跳ね上がるし、営業マンだった40~50歳代には、200以上になることもしばしばあったが、現役を退いた現在の数値は40~50くらいで永年に亘り安定している。血圧に関しては、生来気が小さく典型的な白衣高血圧症であるので医者に行くと途端に跳ね上がるが、前回健診で再検査となり受診した循環器科で、血圧手帳の記録を提示し、超音波検査や心電図、聴診などの結果により薬は飲まなくて良いでしょうと診断を受けている(リンク:健康診断・右脚ブロック(続き)2024年10月18日)。今年もまた血圧が高いとの健診結果で、ここのところ自宅で2台の血圧計で朝、昼、晩と計測しているが、家庭ではほとんど正常で、アルコールも飲んでいないのに昼間から最高血圧が100を切る低い時もある。一体全体、何が正しいのか、どうしたら良いのだろうかと思案するのである。
昨秋はねんりんピックのマラソンで全国3位になるほど運動しているから、循環器系に問題あらば何らかの兆候くらいは感じても良いはずだが、走る方は何の問題もなく年齢の割には絶好調である。そもそも最高血圧に関しては、少し前まで年齢プラス90まではOKということではなかったのか。今回の区の健診基準値をよく見れば、LDLコレステロールのそれは他の検査機関では最高で139であるのに比して119と低く設定されているし、血糖値もふつうは正常範囲が110以下がここでは99以下と一段と厳しい。これではひっかかる人が続出だろう。件の循環器科の先生は、「確かに血圧は薬を飲むのにギリギリのところだが、心電図の評価含めて健診の診断は厳し過ぎますね」と苦笑していたのが印象的だ。なぜ健康診断では年々閾値をあげるのか、かかりつけの泌尿器科の先生に聞いてみると、「国が医療費の抑制を図っており、早め早めの対策を打ちたいので、厳しくなっているのでしょうね」とのことである(他に製薬会社はじめ関連業界の思惑もあるだろうことは想像に難くないが・・・)。顧みれば実際に膀胱がんや前立腺がんで早めの対応が出来たのも、会社の健康診断で判ったからで、それを考えると健診が無意味というつもりは毛頭ない。しかし働き盛り人たちに向かって予防的な意味を強調したいがために一律に基準値を厳しくし、それによってシニア層が惑わされてストレスを高めるのもおかしな話である。そんな不満があるなら自治体の無料の健康診断ではなく、受診者の個性を反映するような高額な人間ドックでも受けろよ、と言わるのは承知の上での我が苦言である。傍らでは高血圧の薬をすでに呑んでいる妻が「参考値でしかないのに一喜一憂し過ぎ」と、どこ吹く風で笑っている。
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