「個人では行きにくい中国地方の名所を一度にめぐる 島根・広島・山口ぐるっと満喫旅 4日間」宮島
石見銀山を駆け足で見た後は出雲大社に参拝し、中国山地を超えてその晩は広島市に宿泊である。東京人のふつうの感覚で云えば、石見銀山や出雲大社を訪れたら山陰地方に留まり、津和野に行くか、あるいは松江や鳥取を訪れる旅を考えそうだが、クラツーのこの旅行では一旦は広島に出て宮島見物をし、最後はまた山陰の萩に戻るという変わった日程が組まれている。その上、三次では先の広島サミットでワインを提供して最近話題になっているワイナリーを訪ね、翌日、宮島観光の後は、「日本の三大美塔」と云われる山口市の瑠璃光寺の五重の塔を見物、さらに秋吉台のカルスト台地まで寄ると云うから、まさに「個人では行きにくい」名所がテンコ盛の企画と云える。松江自動車道など道路網が整備され渋滞もないためにこのようなスケジュールが可能になるのだが、各宿泊地での起床は毎日6時頃、朝8時には宿を出るというけっこう厳しい旅であった。
こういう団体旅行に参加すると、同調圧力と社交性の欠如という「日本人らしさ」が発揮されているように感じることがままある。添乗員が「12時までにバスに戻って」と案内すれば、軍隊の10分前集合ではないのに、11時50分にはもうほとんどの参加者が自分の席に着いて静かに発車を待っている。我々は集合の3分前くらい前、ぎりぎりにバスに戻ってくることも多いが、車内を自分たちの座席に戻る際、都度「いつも遅いね~」という冷たい視線を通路の両側から浴びるような気がする。妻はギリギリになって「あ、もう一つ買うの忘れた」などと、バスの前で踵を返してみやげもの店に戻り、発車時刻直前に悠々と戻ってやきもきさせることもしばしば。決められた時間に遅れたわけでもないのだから、堂々としていれば良いものの、気の小さい私は、周囲のせっかちな視線に戸惑い気味である。その一方、バスが目的地につけば我先にと乗降ドアに殺到する人が多いのも不思議だ。見知らぬ者同士の団体旅行と云えば、総じて挨拶が下手な人が多いのも気になる。話してみると悪い人ではないのだが、道中目があっても視線をそらせ見て見ぬフリをする参加者も多い。数日間同じ旅を共にする『仲間』なのだから、挨拶や会釈、気の効いた会話くらいは交わしたら如何かと云いたくなる無表情な参加者は特に男性に多いようだ。どうも男は扱いづらい。
こうして旅の3日目は宮島にやってきた。日本三景の一つ、宮島は何度も訪れたことがあるので、今回はガイドによる厳島神社の参拝もそこそこに「宮島歴史民俗資料館」を時間をかけて見学することにした。宮島は平清盛をはじめとする平家一門の厳島信仰により広くその名を知られた社である。ここ宮島歴史民俗資料館で神戸一の谷から讃岐の屋島、最後に壇ノ浦と平家が瀬戸内を西に西にと敗走するさまを学ぶと、平家の落人が海辺の各地にひっそり住んだと云われる瀬戸内の歴史のロマンを感じることができる。また地乗り航法の時代には、宮島は瀬戸内海航路の重要な基地だったとの展示もある。北前船はじめ昔の船乗りはこの地で一休みした後、潮や風に乗って音戸の瀬戸から安芸灘、蒲刈島や三原瀬戸へと上方に向かったことだろう。目の前の海峡を眺めていると、当時の船乗りたちの姿が目に浮かぶようだ。ここで各自でとった昼食は、「勝谷菓子パン舗」の「勝谷あんマーガリン」パンと「広島お好み焼きパン」をトライした。このパン屋さんは、もともとは名物もみじ饅頭を作っていたそうだが、2018年からもみじ饅頭のアンを挟んだコッペパンを店の奥でこしらえるようになったそうだ。もみじ饅頭に代わる一風変わった地元新名物パンの食感は、「宮島にきたぞ」という実感を湧きたたせてくれた。同じ場所でも旅は何度来ても良いものだ。(続く)
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