風情ある高岡の町

富山湾の海の幸 バイ貝、ブリ、アオリイカ、ノドグロ、白エビ、ヒラメのさしみ
人生に於いて、ある時までほとんど縁のなかった地方が、何かのきっかけで急に身近になることがある。我が家では富山県がそんな場所に当たる気がする。もともと仕事の関係で高岡市に近い富山新港を何度か訪れたことはあったが、これまで観光でゆっくりと訪れたことのない当地に最近はよく来るようになった(富山県に関連するブログは下のリンク先参照)。先週は仕事を兼ねた旅で、富山新港に近い高岡市を妻と一緒に廻ることができ、あらためて歴史あるその街並みに心を奪われた。高岡市は人口16万人で富山県の北西部、能登半島の東の付け根にある産業都市である。隣接する伏木地区は古代は越中の国府が置かれた土地であり、高岡は加賀前田家二代当主の前田利長が築いた高岡城の城下町として発展した。加賀藩の本拠地は金沢だったため、一国一城の令によりお城は廃城になるも、その後もここは加賀藩百万石の流通、経済の場として栄えた町である。江戸時代の後期から明治時代にかけては、伏木港が北前船の寄港地としてにぎわい、多くの廻船問屋や船主たちが活躍したのだそうだ。
富山県と云えば、山から海までいろいろと名物はあるが、まずは海産物だといえる。能登半島に抱かれた富山湾は3000米級の立山連峰が日本海に沈みこむ場所に位置し、水深が1000米もある深い海とのこと。半島の沖は北からの寒流と南からの暖流がぶつかる海域とあって、両方の海に住むサカナが集まる好漁場である上に、富山湾には神通川、庄川などの多くの河川が流れ込み、山からの栄養でプランクトンが豊富なのだという。自然の生け簀のような湾内には200種類ものサカナが生息し、中でもブリやホタルイカ、ベニズワイガニなどが美味で有名である。かつて出張で高岡に来た際に、地元の寿司屋で食べた氷見ブリが東京で食べる本マグロの大トロより旨いことに仰天したことは、『氷見ブリと「べるもんた」(1)(2)』で記したとおりだ。今回もお得意先の高岡の工場の人たちと、早めの忘年会を市内の料理屋で行い、寒ブリのシーズンにはやや尚早だったが、地酒でノドグロなどの海の幸を堪能した。
宴会の翌日は、夕方までに東京に帰れば良いから半日の高岡市内観光で、出張に一緒について来た妻とともに、ジョギングで名所を廻ることにした。日本の三大大仏と云われる(それにしては奈良や鎌倉のそれよりはかなり小さいが)高岡の大仏、商家の家並みが立ち並ぶ山町筋、鋳物師の町で千本格子や石畳の金屋町、高岡城址などを急ぎ足で見て回った。この町は空襲に遭わなかったために、明治~大正~昭和初期に出来た街並みがそのまま残っており、それが公園のように特別に隔離されていることもなく、町の景色としてごく普通にあるところが風情を感じさせる。かつては夜行列車で来るか、上野から富山まで特急「白山」や「はくたか」で6時間以上かけた距離も、北陸新幹線に乗れば東京~富山間は最速の「かがやき」で2時間強である。首都圏に住む人間にとっては、富山に限らず金沢や福井が今やとても身近な場所になったのが嬉しい。北陸新幹線が西に延伸するに連れ、これまであまり意識しなかった日本海側の各都市に、大変立派な歴史があり伝統の街並みが残っていることに、あらためて気が付かされる此の頃である。また富山県や高岡市をゆっくりと訪ねて来たいものだ。
2代目の前田利長が7人の鋳物師を呼び寄せて住まわせた高岡の金屋町
2023年2月20日氷見ブリと「べるもんた」(1)
2023年2月16日氷見ブリと「べるもんた」(2)
2022年7月5日大牧温泉
2022年7月8日瑞泉寺・五箇山合掌造り・”ベル・モンタ―ニュ・エ・メール(べるもんた)
2023年6月1日立山黒部アルペンルート(1)
2024年6月4日立山黒部アルペンルート(2)と上高地
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