« 飛鳥Ⅱロングクルーズの縁 ハウステンボスに滞在 | トップページ | 風情ある高岡の町 »

2025年11月24日 (月)

飛鳥Ⅱロングクルーズの縁 かき小屋

20251124_20251124114701
九十九島セットのかき、一人前は10個ほど

花火の翌日の昼食は、佐世保市郊外、九十九島湾にあるカキ小屋に連れて行ってもらった。かき養殖のいかだの上に簡単な椅子・テーブル、炭火のコンロが置かれ、とれたてのカキをそのまま焼いて食べる専門店である。いかだの脇にはボートやヨットの係留場所もあり、クルマで来る人の他に、船遊びの途中に乗り付けてかきを楽しむ客もいる。海水中に吊り下げた網の中のかきはプランクトンを食べて、1年半から2年かけて出荷サイズになるのだが、海水温が適度かつエサや酸素が過不足ない環境でないと育たないため、季節や天候によって吊り下げる水深を調整してやる必要があるそうだ。えさのプランクトンの生育には河川から流れ込む大地の栄養が必須で、問題になっている海水温の上昇に加えて護岸のコンクリート化や、浄水しすぎによる川の水の栄養不足がかきの生育不良に繋がるらしい。いま全国生産の6割をしめる広島県産など瀬戸内地区でかきが不漁だと報道されているが、ここ九十九島湾ではそんな事はないようで、訪れた昼は満席の盛況であった。


注文した料理は、殻付きのかきが1キログラムに、かきチャウダーやかき炙り笹めしがついた「九十九島セット」で、なんとこれで2,500円と産地ならではの破格の値段である。この日は追加でサザエやヒオウギ貝(ホタテのような2枚貝)も注文して貝尽くしの昼食となった。殻付きのかき1キロとは、大体一人当たり大小のかきが10個ほどもあるので、一年分のかきを食べるようなけっこうなボリュームである。この生がきを炭火であぶると、ほどなく殻の淵がパカッと簡単に開くものと、なかなか開かずにナイフでこじ開けねばならないものとがあって、最初はほど良い焼き具合が分からないのだが、見様見真似で周囲の席を観察しているうち次第に火の通り加減を体得し、から剥きのころ合いもうまくなってくる。取り出したかきには適度な塩味がついているため、そのまま食べても良いし、醤油を一滴垂らすのもまた良しである。かつて生のかきで当たったことがある妻は、最初は慎重に火の通りを待っていたが、慣れてくると「おいしい、おいしい」と殻を剥く手が止まらなくなった。


その晩は、佐世保市内の料理屋さんで、この冬出たてのフグ料理を頂いた。てっさが東京のふぐ店で出されるより厚く切られているのは産地ならではで、ブロッコリーの素揚げと共に盛られたふぐの唐揚げも独特の味付けで印象的なうまさだ。てっちりと雑炊の定番コースで、酒も進んだ佐世保の夕べであった。こうして船の中で知り合ったご夫妻、それも出合ってから半年ばかりで、誘われるままにお邪魔するのはいささか図々しいかと躊躇する気が起きぬわけではない。100日以上のクルーズで時間を共有して意気投合し「是非陸でまたお会いしましょう」などと約束しても、そのままになってしまう相手が多いなか、先方が我々を歓待してくれるのはやはり何かのご縁があったからだろう。人生後半、こういう繋がりは貴重だし大切にしたいものだ。クルーズと云えば食事や寄港地などが何かと話題になるのだが、船内で生まれた新しい交友関係が人生を豊かにしてくれるのも、ロングクルーズがもたらしてくれる恩恵の一つだと感謝しつつ帰京した。

 

絶好の秋晴れの空の下、九十九島のかき筏の上にて
20251124

« 飛鳥Ⅱロングクルーズの縁 ハウステンボスに滞在 | トップページ | 風情ある高岡の町 »

旅行・地域」カテゴリの記事

船・船旅」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 飛鳥Ⅱロングクルーズの縁 ハウステンボスに滞在 | トップページ | 風情ある高岡の町 »

フォト
2026年3月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ