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2025年9月 7日 (日)

三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その5・寄港地・完)

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知る人ぞ知る、ミシュランにも掲載された平戸のエビス亭


クルーズ5日目の8月20日、「三井オーシャンフジ」は佐世保港に入港した。いつもの三浦岸壁はその日は中国船が来るということで、浦頭岸壁と呼ばれる新しいクルーズターミナルへの入港である。本船が静々と着岸作業を進める中、岸壁の上では佐世保在住のご夫妻が待っていてくれた。先の飛鳥Ⅱ世界一周クルーズで、友人となった地元のお医者さんである。すでに病院は息子さんが継ぎ、今は週に何回か現役のヘルプに行っているとの事で、この日は我々を平戸の料理屋さんに連れて行ってくれると云う。ありがたいことだ。ふと考えてみれば、いま新たに知り合う友達は、ほとんどがクルーズ船内で知り合った人々である。学生生活は遠い彼方になり、仕事からも解放されつつあるなか、旧来の友人たちとの仲は疎遠になりがちだ。「もう年賀状は今年限りにします」などという挨拶が賀状によく添えられるようになったが、一方でクルーズ船で知り合って意気投合し、下船後も定期的に会う友人が増えてきた。船と云う限られた共同体の中で、同じ経験を共有することが人と人の絆を深くするのであろう。これもクルーズの楽しみの一つである。


私より少し年上のご主人の運転で浦頭岸壁から1時間強、この日は平戸の「エビス亭」と云う、知る人ぞ知る山中の隠れ家的な海鮮料理屋さんに案内してもらった。ここは六年前に天皇即位の礼で来日したオランダ国王も訪れたことがあるそうで、大将のこだわりを聞きつつ、ビールに地酒、平戸で採れた食材の海鮮尽くしの料理であった。船の中の食事もそれなりにうまかったが、ミシュランにも掲載された料理店での味は格別で、一年分の魚を食べてしまったような満足感を味わった。思い出の平戸や佐世保を後にその日の夕刻に佐世保を出港した「三井オーシャンフジ」は、カボタージュ対策で、翌日は韓国の麗水に寄港である。いつもの通り韓国は面倒なので上陸せず、ここでは皆が出かけて空いている船内のフィットネスクラブなどでゆっくりと過ごすことにする。麗水や釜山は、日本海を挟んですぐ対岸の港であっても、いつの日にか日韓間に関わる懸案 ( 解決済みの件を向こうが勝手に問題ありとしているだけだが )について韓国側が真に友好的に歩み寄るまでは、我々は上陸することもなく、この国では一銭も費消しないであろう。

 

帰路は関門海峡や来島海峡を通って神戸港まで期待の瀬戸内海の本航路航行となる。1934年に雲仙や霧島と同時に我が国で初めて国立公園に指定された瀬戸内海は、世界でも指折りの美しい海だと思う。ただここを通るとなると、阪神と九州を結ぶフェリーを利用すれば夜間の航海になるし、「飛鳥Ⅱ」では三原瀬戸を廻ることが多く、来島海峡を経由する本航路を昼間に通行するチャンスはそうめったにはない。大小合わせて700以上の島々が点在し、沿岸には我が国を支える重工業のコンビナートが立ち並ぶとともに、歴史ある湊町が右舷・左舷に見え隠れする海をゆったり通行するのは、まさにクルーズ船ならではの旅情。今回も例によって望遠鏡を手に、12万5千分の1の瀬戸内パノラマ海図や航路の略図などを広げて12階のオブザベーションバーで移り行く景色を夫婦で眺めていると、「あそこに見えるのは何ですか?」とか「橋はどちらに見えますか?」「あの信号の意味は?」などと見知らぬ乗客が時々話しかけてくれる。それをきっかけに瀬戸内の地誌や海上交通の話題にしばし盛り上がるのも楽しいひと時である。そうこうしているうちにお互いすっかり仲良くなり、連絡先を交換するなどして、またクルーズ船の友人が増えてくる。ただ折角の美しい海域の通行なのだから、部外者である我々の解説ではなく、要所要所で名所旧跡の船内案内放送がないものかと、クルーズ船で瀬戸内を通る度に思う。 

 

持参の瀬戸内パノラマ海図が示す山口県沖(本船もこれを買ってオブザベーションバーに掲示したらどうだろうか)
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この日は潮が順目だったため来島海峡は中航路を通過する
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三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その5・寄港地・完)(本稿)
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三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その3・その他編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その2・サービス編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その1・船体編)

MITSUI OCEAN FUJI  熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズに乗船

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