シニアの秋
週末は、東京六大学野球の秋季リーグ戦開幕カード、慶応義塾 VS 法政の2回戦を観戦に神宮球場へ行った。子供の頃から60年以上、東京にいる限り春・秋のシーズンには何試合か必ず神宮球場に足を運んできたが、この春は飛鳥Ⅱに乗船していたので今年初めての大学野球観戦となる。そういえばこの秋はけっこう忙しくなりそうで、この試合がひょっとすると今年のリーグ戦の見納めになるかもしれない。というのも今年の秋は、夫婦そろって 「ねんりんピック岐阜大会」 のマラソン種目への出場がある。昨秋に行われた予選の結果、男子70才代の部の3000米と、女子60才代の部10キロで東京都代表に選ばれたので、夫婦して10月半ばには3泊で岐阜県へ行くのだが、一応東京の代表選手だし、旅費や宿泊費などの一部が公的資金から補助されることから、恥ずかしくない程度に練習は積まねばならぬ。ねんりんピックには東京都選手団の結団式なる行事もあって結構予定がつぶれそうである。
その他に、涼しくなると夏から延期となっていた友人たちとの会食や会合が、「そろそろ予定を決めましょう」ということで日程が埋まってくる。またスポーツの秋とあって、箱根駅伝予選会の他に陸上競技の試合がいくつかあるので、昔の部活仲間から後輩の応援に繰り出そうと誘いがくる。最近特に多くなったのが、これまで出席を遠慮してきた元いた会社のOB総会や、大学體育會のOB総会という「総会」への出席依頼だ。会社の方は、かつて社長や重役だった人がいつまで経っても中心になっているし、運動関係の方も、昔のオリンピック出場組などがひどく元気で、大した競技実績がない私などは隅の方で小さくなっているだけだ。こんなのに出ても面白くないとこれまで足が遠のいていたが、上の世代が高齢で徐々に出席できなくなる一方で、下の世代はこういう趣旨の集まりは敬遠気味らしい。そろそろ私たちの世代が出席しないと参加人数が先細りになって困るとの世話役のたっての希望で、枯れ木も山の賑わいとばかり、こういう類の「総会」にも顔を出すことにした。
同窓会や各種の会合への出席は、時として面倒だと思う。しかし「袖すり合うも他生の縁」だ。考えてみれば、自分がこうして今ここに居られるのは、周囲の助けがあったからこそという事実を、年齢を重ねるとともにより感じるようになる。実際、「それなりにやってきた」と自負しても、自分の努力などは10分の1もあるかないかで、残りの9割は周りの力で自分が成り立っているのである。その努力することさえ、両親や先生が小さい頃から諭し教えて来てくれたことだ。親ガチャではないが、そもそも日本人の親、それもごく普通の両親の下に生まれ教育を受けられたのは、天の配剤である。そう考えると自分たち老人たちの役割は、現役の迷惑にならぬ範囲で、後輩らがいま出来ないことに力を貸すのみだと思う。多少なりとも自分がその場に出ることで、かつて属した組織の役に立つようならそれもまた良しである。昔の偉そうな上司や、有名だった選手の前でお体裁を言いつつ、いまだに小さくなっているのも、何らかの社会貢献であると考えて、総会出欠はがきの出席に丸をする秋である。
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