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2025年8月

2025年8月31日 (日)

三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その3・その他編)

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全室スイートの広々としたキャビン


今回のクルーズは乗船客が約300名、その他に途中の佐世保からの区間乗船者が約100名と、定員450名余に対してほど良い混み具合であった。とは云うものの、例のセルフランドリーを除けば船内どこも余裕のある空間で、食事やイベントに順番待ちがほとんどないのは、さすがベースが高級船だけのことはある。まずはメインダイニングの「ザ・レストラン富士」は、料理もさることながら天井が高く格調高い雰囲気が心地よい。特にテーブルの配置が絶妙で、隣のテーブルに話しかけようと思えば無理なく会話ができる一方で、自分たちだけで食事を楽しもうとすれば、それもできる間隔でテーブルが置かれている。最近のクルーズ船のダイニングはほとんどが自由に席を選べる方式だが、隣のテーブルが近いと何か気の利いた会話でもせねばと、とかく横や周囲が気になるものだ。見知らぬ同士が食事中に打ち解けて以後の船内が楽しくなる場合もある一方で、中には露骨に話をしたくないという社交性のかけらもない乗客もいて、食事の時にどういう席に着くか気を遣うのがクルーズ船の”あるある”である。その意味で喋っても良し、社交をしなくても良しの「ザ・レストラン富士」のテーブル距離感は秀逸だと感じられた。


船内には5か所食事のできるレストラン(コーナー)がある。その中では、ゲストサービスに近い場所にある「オーシャンカフェ」、プールサイドレストラン「湖畔」は、気の効いた軽食メニューで味も良く小腹の空いた際には重宝した。「富士」では和食が美味しかったが、ビュフェスタイルのテラスレストラン「八葉」(はちよう)の日本食(すきやき、焼きそばなど)は、インド人シェフが調理しているようで、いかにも外国船で出される日本食という感じだったのは仕方がないところか。一人15000円も徴収する有料レストラン「北斎」は雰囲気はきわめて良いのだが、ウエイター・ウエイトレスが他のレストランと掛け持ちなのがゴージャス感を削いでいた。ここはソムリエのバッジも誇らしげな専任クルーが給仕をして欲しいものである。知られていないのが、本船は特別なドリンク以外はアルコールが無料であることだ。ホームページ上には「アルコール飲料のご提供は別料金となります」と表示されているが、「乗船のしおり」には無料との記載もあり、この点については半信半疑で乗船したのだった。有料だと思って初日に高い有料アルコールのボトルを購入してしまい「最初からきちんと言って欲しかった、高いボトル買って損した」と苦笑いをしていた乗客もいた。Wi-Fi無料とともにふつうのアルコール飲料は無料である旨、事前にはっきりと示しておいた方がよい。


ハウスバンドやラスベガススタイルのショーは、シーボーン時代から乗船しているグループなのだろうか、これまでに経験したクルーズ船の中では最も秀でており、素晴らしパフォーマンスだと感心した。また嬉しいことに「飛鳥Ⅱ」ではすでに止めたターンダウンサービスも継続されていて、この船がブティック船であった名残りを感じることが出来る。せっかくの5つ星の高級船を購入して日本市場に投入したのだから、良き慣習は今後もなるべく残すようにして欲しいところだ。他方、船長がイギリス人であるために、航海に関する情報が通り一遍で、名所案内や海洋生物に関する船内放送が一切なかったことは寂しい点であった。で、今回もオブザベーションバーで瀬戸内海の海図や航路の略図を広げて妻と話していたら、周囲に人が集まってきたので、請われるままに船外に広がる工場地帯の説明や関門海峡・来島海峡などの航行ルール、点在する島々の地誌などを解説することにした。そのうち周囲に「先生」などとおだてられてしまったが、私の拙い知識を他の乗客の方々と共有できたことは嬉しい限りである。ただせっかく「美しい日本の船旅」と船内アナウンスは事ある毎に強調しているのだから、船側も移り行く情景や海象などを乗客に伝える努力をしたらどうだろうか。

 

本船は「飛鳥Ⅲ」のように船内は各自が思い思いに静かに過ごすことを志向しているのだと、乗船前には思っていたが、8泊9日のクルーズの実際はアクティブで忙しいものであった。出港翌日の熊野沖での大花火大会鑑賞に続き、高知、油津、佐世保、麗水、神戸と各寄港地でのセイルアウアェイパーティ、ヨガ、シャッフルボード、ボッチャに輪投げ、折り紙教室、盆踊り、さらに社交ダンス教室まで、船内ではテンコ盛り、多彩な催し物や教室が開催されていた。いま「飛鳥Ⅱ」は日本船スタイルで船内催しをいろいろ工夫する一方で、「飛鳥Ⅲ」は今までの雰囲気とはガラっと異なりクルーズスタッフも乗船しない新しいスタイルらしい。こちら商船三井クルーズでは本船「三井オーシャンフジ」が従来の路線を踏襲するとなると、2026年に就航する「三井オーシャンサクラ」はどういう趣きのクルーズ船にするのか注目である。いずれにしても日本のクルーズ船が、特徴をそれぞれ発揮して事業を展開することは、クルーズ愛好者にとって選択の範囲が広まって喜ばしいことである。これからの「三井オーシャンフジ」に期待したい。

後記:バンドやショーについては下記コメントも頂きました。ご参照下さい。

 

オーシャンカフェはしゃれた食事コーナー
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ゴージャス感溢れる有料レストラン「北斎」
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三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その5・寄港地・完)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その4・寄港地編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その3・その他編)(本稿)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その2・サービス編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その1・船体編)

MITSUI OCEAN FUJI  熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズに乗船

2025年8月28日 (木)

三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その2・サービス編)

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格調高いザ・レストラン富士(メインダイニング)


と云うことで、素晴らしい船体を以て営業を始めた三井オーシャンフジである。では肝心のサービスについてはどうだったか。総じてクルーは一生懸命に乗船客の要望に応えようとする姿勢が見てとれた。お互いが見て見ぬふりと予てから指摘されていた、インド人とフィリピン人、それに日本人ウエイターが混在する各ダイニングでの混乱も、本船が就航した昨冬乗った友人から聞いた悪評とは異なり、かなり協調がとれているように見られる。ただ忙しくなってくると、注文をとったり、空になったグラスに注意を注ぎ、気を利かすには後もう一歩という感がある。メインダイニングの「富士」の料理は私には薄味だったため、塩を振ろうとすると、立派な銀製の塩入れ容器は穴が塞がって中身が出て来ない。ウエイターに隣のテーブルの塩入れをとってもらうと、こちらも同様に穴が塞がっている。また塩の容器に胡椒が入っていたこともあって(つまり同じテーブルに胡椒入れが2つ並んでいる)、食事前にこれらのチェックがなされていないことがわかる。 「何とも惜しい!格調高いダイニングなのにもう一歩」と呟きたくなる。


その他、細かい点で「オヤ!?」と思うような対応にクルーズ中しばしば遭遇した。ビュフェ「八葉」で、夕食時に西陽がきついので「ブラインドを下げて下さい」と日本人女性クルーに頼んだら、ナント「私はこの船に乗って以来、一度もこのブラインドは閉めたことがありません」と取りつくしまなく拒否された。彼女の経験の有無などどうでもよく、構造的に無理なのか、もし彼女ができないならばそれを出来るクルーを呼べば良いのに、想定外の質問に応じる余裕がないようだ。高知市内から港に戻る最終シャトルバスが定時になっても出発しなかった時には、本船の係員はバスの運転手になにやら指示をしているが、車内で待つ乗客に一切状況を知らせない。いつまで待つのかわからないので、たまらず 「何が起こっているの? なんで動かないのか、まず乗客に説明してよ」と注文をつけた。「にっぽん丸」で経験を積んだ人が少なく、客船で働くのは初めてという日本人クルーが多いためにこの対応になるのか。忙しい時や想定外の時のサービスという面ではまだ改善の余地がある。


反対にこちらのリクエストに向き合って、即日フィードバックしてくれた日本人女性クルーがいた。乗船客数比で台数の少ない本船のセルフランドリ―では、洗濯機や乾燥機の順番待が起きることは必至である。洗濯や乾燥が終了した際に回収が遅れると、機械が空くのを待っていた次の人が勝手に中身を取り出してしまい、しばしば遺失物等のトラブルが起こってしまう。そのため「飛鳥Ⅱ」でも「にっぽん丸」でも、順番を待っている人は中身の回収されていない空いた洗濯機や乾燥機があったら、ハウスキーピングに電話をし、中身は係員に回収してもらうシステムになっている。


ところが本船の表示は 「係員が回収することもあります」と、かなりあいまいな表現で、「他人の洗濯物に触れることはだめ」との禁止表示になっていない。案の定、ある日乾燥機に入れていた我々の衣服は、誰かによって洗濯機の蓋の上に放置されていたので、この点を改善するようにゲストリレーションに要請した。すると翌日  「飛鳥Ⅱのデッキプランを見たら、各階にセルフランドリーがあってびっくりしました。お客様のおっしゃる通りまず本船は洗濯機が少ないですね。言われた禁止表示は検討させていただきます」と丁寧な説明があったのが嬉しかった。その場を切り抜けようとする対応が多い中、しっかりと乗客のクレームに向き合おうとする彼女の姿勢に、本船の明るい未来を見た気持ちがした。船体のハードは超一流、サービス面では努力を大いに認めるが、まだ改善の余地残す、というのが私の見立てである。この船は時を経て乗船したらきっと素晴らしいクルーズ船になっているような予感がする。

 

セルフランドリ―。5デッキの両舷にそれぞれ洗濯機4台と乾燥機4台を置いてあるが、定員400名に比していかにも少ない
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三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その5・寄港地・完)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その4・寄港地編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その3・その他編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その2・サービス編)(本稿)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その1・船体編)

MITSUI OCEAN FUJI  熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズに乗船

2025年8月25日 (月)

三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その1・船体編)

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チーク材張の広々としたデッキ。ただ ファンネルはオレンジ色に塗った方が良い。


世界一周クルーズから帰って一カ月余り、上げ膳据え膳、ダンス三昧の日々が忘れ難く、「三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ」に東京港、晴海客船ターミナルから乗船した。海上からの熊野大花火大会の鑑賞、高知、油津、佐世保、麗水、神戸に寄港する比較的忙しい8泊9日の旅である。「にっぽん丸」が来年引退することが6月に発表されたため、当面は後継となる本船「三井オーシャンフジ」(バハマ籍)にそろそろ乗船してみようかと思ったのも乗船動機の一つだ。現在は「SEABOURN SOJOURN」として運航されているフジの同型船が、2026年後半に日本籍船となってフリートに加わるが、その船名が「三井オーシャンサクラ」と決まったのはつい先週のこと。近い将来、同型船2隻体制となり、商船三井クルーズがどのような船旅を提供しようと考えているのか、将来を伺えるものと舷門をくぐった。


まずはその前に、船名のネーミングについて、なぜこの両船はかくもダサイ名前にしたのであろうか理解に苦しんでいる。もし飛鳥Ⅲが「ミツビシ飛鳥Ⅲ」(三菱グループ中核の日本郵船子会社が運航しているため)などと命名されていたら、三菱に関係ない人たちは鼻白む思いがするであろう。同様にわざわざ船名に 『三井』と入れれば、住友系列や三菱系の社会人やOB、さらに三井グループに日頃あまり良い印象がない人々が喜んで乗船するであろうか。財閥名など気にも留めない人もいるであろうが、どうも B TO B の仕事をしてきた私には引っかかってしょうがない。ましてや商船三井の前身である大阪商船三井船舶時代には、総じて移民船の伝統を持つ大阪商船出身者が客船推進派、貨物中心の三井船舶からの社員は客船事業に消極的だった経緯がある。その歴史からみても、船名にわざわざ『三井』を入れるメリットがあると考えるのか、そのセンスが良く分からない。これからでも遅くはないから、一隻をこのまま外国籍船で運航するなら 『 FUJI MARU』、もう一隻の日本籍船は 『さくら丸』と改名 ( RENAME)されることを望みたい。

 

さて「三井オーシャンフジ」である。もともとは2009年にイタリアのMARITTI造船所で建造された「 SEABOURN ODYSSEY」でラグジュアリークラス、ヨットスタイルのプレミアム客船である。手許にある2011年版ダグラス・ワード氏のベルリッツの"CRUISING & CRUISE SHIPS"を見れば、その時点で「 SEABOURN ODYSSEY」は5つ星、2000点満点で1787点の評価であり、これは 「飛鳥Ⅱ」の4つ星プラス、1685点を大きく凌いでいる。とは云え外国船購入の際のあるあるで、商船三井クルーズが買って、昨年末から運航を始めた当初は船内あちこちで水漏れが起き、バスタブは茶色の水が出るなどトラブルが頻発したと船内で知り合った乗船経験者(本船のロングクルーズに乗船したリピーター)が話してくれた。


諸トラブルを受け本船は長期ドックで修理、改装されてこの夏のクルーズ事業となったのだが、乗船してみると船体については、「とても素晴らしい」の一言であった。なにより前進・後進に関わらずどのスピードでも船体のキシミ音がほぼ無く、エンジンの振動による船内の共振やビビり音も非常に良く抑えられているのには感心した。船体後部のシアターでは柱が目立ち視界が妨げられる座席が多いが、この無粋な構造も船体強度を上げ不快な振動を抑える効果があるものと推察できる。外板の錆はキレイに処理されており、船体は船齢より若く見えるし、デッキは今や希少資源となった天然のチーク材がふんだんに張られて高級船に乗ってる感を醸しだす。船内の絨毯は張り替えられて新しくフカフカで、各キャビンはほとんどの部屋が広いバルコニー付き、ウォークインクロゼットやバスタブが完備しスイートクラスの名の通り広々としている。シャワーの水圧は許容範囲であり、隣のキャビンから壁ごしにテレビやくしゃみの音なども一切聞こえなかった。


「シルバー・ミューズ号 見学譚」(2023年3月29日)でアップしたとおり、最近のラグジュアリークラスの中・小型船の例にもれず、本船も船内の公室がデッキ4からデッキ10に亘り垂直的な配置になり、前部はほぼ客室に当てられ、後部がパブリックスペースの区画になっている。もっともレセプションやツアーデスクのある7デッキ後部の「 MITSUI OCEAN スクエア」は、間仕切りが本船の中心線から左右対称でなく斜めに設けられていたり、5デッキのセンターパッセージが船体中央の思わぬ場所で暗く狭くなる、舷門から乗下船する際にメインダイニングの「 レストラン富士」を通らねばならないなど、動線の誘導についてはおやっと思う点も散見された。これがイタリアで出来た高級ブティック船のコンテンポラリーな意匠なのか、総じてシンメトリーな船内配置に慣れた私には違和感を覚えるところである。外国船と云えばセルフランドリーの洗濯機・乾燥機の数が少ないことが常に問題になる。洗濯はランドリーやバトラーに任せてしまおうとする欧米人と違い、下着などは自分で洗うというのが日本人の習性だ。本船では定員400名余に対してセルフランドリーが5デッキに2か所、洗濯機と乾燥機が各4台づつで計8台しかないため、予想通り乗船3日目からは乗客の順番待ちが絶えなかった (ここでの小トラブルは別途)。日本でクルーズ事業を展開するなら、セルフランドリーの増設は、必須の課題である。

 

商船三井クルーズが、これからも日本人御用達を主眼とするなら、本船または姉妹船である「三井オーシャンサクラ」には、いずれ大浴場が設置されるのであろうが、その場合は日本人があまり利用しないデッキ9の「スパ&ウエルネス木霊」を改装するか、デッキ5最後部のプールセルリアンのスペースを充当するのが良いのではないか。またデッキ5にある「オーシャンクラブ&バー」は、床の板張り材の面積を広げ、室内ピラーにはゴムのクッション緩衝材を張れば、「 飛鳥Ⅱ」の「クラブ2100」や「 にっぽん丸」の「ドルフィンホール」のような、ダンス会場やパーティ会場として広く使えそうだ。その他、本船には船尾デッキ2に、「マリーナ」と称する海面に出られるドア・テーブル設備がある。ここからはゾディアック(小型のゴムボート)で探検に出かけたり、カヌー遊びに使ったりと、マリンレジャー用に使うことができる。せっかくの小型高級ブッティク船を買ったのである。船内設備をフルに活用するようなクルーズの企画を考え、新しいクルーズの形を創造することを商船三井クルーズに希望したい。さて、こうして初めての船に乗ると、船内のデッキプランを眺めつつ散策し、自分ならここをこういう風に使うだろう、ここはこう改造すると面白いなどと想像を逞しくするのもクルーズの楽しみの一つである。因みに「飛鳥Ⅱ」とその前身の「CRYSTAL HARMONY」のデッキプランを比較すると、いかに「飛鳥Ⅱ」が日本人向けにうまく外国船から改装されたのがよくわかる。本船も今後、良質に改装していって欲しいものだ。

 

後部にあるマリーナのドア(船名表示の周囲)。 ここから海に出て遊んでみたい。
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三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その5・寄港地・完)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その4・寄港地編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その3・その他編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その2・サービス編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その1・船体編)(本稿)

MITSUI OCEAN FUJI  熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズに乗船

2025年8月13日 (水)

MITSUI OCEAN FUJI 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズに乗船

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2024年10月飛鳥Ⅱ神戸・横浜クルーズ乗船中に遠望した横浜でドック中のMITSUI OCEN FUJI


8月16日 東京発の 『 MITSUI OCEAN FUJI 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ 』に乗船することにした。再開なった東京港の晴海客船ターミナルを出港、熊野沖で花火大会を見たあと高知・油津・佐世保・麗水(韓国)・神戸を巡り横浜に帰る9日間のクルーズである。飛鳥Ⅱの世界一周クルーズの下船からちょうど一か月、クルーズロスとも言うべきか、すべてがゆったりした船上の生活から酷暑の東京に戻ったギャップに我慢出来なくなり申し込んでしまった。長いクルーズから帰宅してひと段落したら、終わってしまったショックを軽減する為にまた旅に出たくなりがちだ。以前は世界一周クルーズの2週間後に、プリンセスクルーズ船でアラスカ周遊クルーズに乗船するためにアメリカに飛んだこともあったが、その元気はもうなくなり、今回は日本の新しいクルーズの風を感じるために、「MITSUI OCEAN FUJI 」に乗船することにしたものである。「 MITSUI OCEAN FUJI 」はもと「 SEABOURNE ODYSSEY 」という高級ブティック外国船で、一度ラグジュアリーな船内を体験したいというのも乗船動機の一つである。


「 飛鳥Ⅲ 」の就航クルーズに関するYoutubeなどを見ると、同船は船内のアクティビティがほとんどなく、ゲストエンターテイナーやエンターテイメントのためのクルーも乗船していないという。日本船お約束のダンスパートナーはおろか、広いダンス会場もなく、乗客はそれぞれ思い思いの場所で過ごすのがコンセプトらしい。 「 MITSUI OCEAN FUJI 」も同じように船内の催しものは少なく、特別な社交ダンス会場も用意されていないらしい。どうやら両船とも船内では皆でワーワーと集ったりせずに、タブレットやスマホを眺めながらそれぞれの世界に浸るのが新しいクルーズ様式だと云いたいらしいのだが、このスタイルが旧来の日本船に慣れた乗船客にどこまで訴求するのかは見ものである。代わりに新しい2船はレストランが「 飛鳥Ⅲ」が6か所、 「 MITSUI OCEAN FUJI 」が4か所とやたらと多いのが特徴である。私の好みからすれば、どうせ胃袋は一つしかないのだから、乗客が500人位までなら定食(コース料理)を出すメインのダイニングと、ビュフェスタイルのリドグリルの2施設があれば十分だと思うのだが、どうやら船内企画を担当する現役世代の考えは我々シニアとは違うらしい。その辺りもゆっくり見て来たい。


熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズに乗船するさらなる理由は、寄港地が良いという点もある。熊野大花火大会は海上自爆が特徴で、妻はかねてからクルーズ船から見たいと漏らしていた催しである。高知港はコロナ禍の2021年に「 飛鳥Ⅱ 」で訪れたことがあるが、当時は極端な感染防止対策で自由行動がまったく許されず、港に待機していた観光バスの組み込みツアーで桂浜だけしか行くことができなかった。今回はあのバカバカしい国民的集団ヒステリーからすっかり解放され、ゆっくりと自由行動が出来るのが楽しみである。油津入港も初めてだし、特に佐世保では先の飛鳥Ⅱ世界一周クルーズで知り合いになったご夫妻が、各地を案内してくれると言う。70歳を過ぎて船の中で新たに知り合った新たな友人と、絆を深めることができるのもクルーズの喜びの一つである。YoutubeやXで 「MITSUI OCEAN FUJI 」乗船者の画像や体験を見聞きするうちに、世界一周クルーズから下船して感じる喪失感は段々と薄れ、元ブティッククラスの客船に初めて乗る高揚感に包まれて来た。

三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その5・寄港地・完)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その4・寄港地編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その3・その他編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その2・サービス編)
三井オーシャンフジ 熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズ (その1・船体編) 

MITSUI OCEAN FUJI  熊野大花火大会と夏の高知・佐世保クルーズに乗船(本稿)

2025年8月 8日 (金)

飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ ダンス教室

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世界一周クルーズでは初の試みのダンス発表会

103日間のクルーズ中、船が港に滞在しているのが20余日、それ以外の航海中は毎日午前と午後の2回、休みなくクラブ2100でダンス教室が開かれた。午前中は初めてダンスを習う人向けの初心者のクラス、午後は経験者のクラスで、各々が45分づつ、合計すれば150回を超えるレッスンであった。先生は男女各1名で、その他アシスタントの男性が2人乗船しており、彼らは夜のダンスタイムには、ダンスパートナーとして乗客のダンス相手も兼ねている。このクルーズでは、午前中のクラスの出席者は男性30名弱、女性が40名ほど、午後は男性が10名に女性が20~30名くらいで、300名に満たない乗船者のうち、午前中のクラスにはなんと全体の4分の1が会場に集まっていたことになる。短期間にこんなに集中して、それも無料で正統派社交ダンスを習える場所は、世界広しといえども日本船のロングクルーズだけとあって、相変わらず超人気の教室である。


これまでの世界一周クルーズでは、先生によって教室の進め方に若干の違いがあったが、今回は、例えばワルツなら4~5日レッスンを行い、次はルンバを4~5日と云う具合に、一定の回数を終えるとローテーションで次の種目に進む方式であった。初心者か経験者かは自己判断によるのだが、ほとんどのダンス経験者は午前、午後の両方に参加する。例によって参加者は圧倒的に女性が多く、男性のダンス経験者は午前は初心者女性のアシスト、午後は自分たちのために両方に出席するのが暗黙の了解となった。ということで男性は自分のパートナーと踊ったら、次は知らぬ婦人の相手をするのが半ば義務とあって、レッスン途中の休みもなくけっこう大変である。初心者クラスはマンボ、スクエアルンバ、ジルバ、ブルーズのお馴染みパーティダンスが中心、経験者クラスはワルツ、タンゴ、ルンバ、チャチャチャをメインに、時々サンバ、スローフォックストロットとクイックステップ、そして今回はパソドブレまで教えてくれた。


かつてはフォークダンスさえ気恥ずかしく逃げていた私だが、クルーズ船に乗り始めた20年ほど前から、船内で格好よく踊れたらきっと楽しいに違いないと、社交ダンスに興味を持つようになった。とは言うものの船に乗った時に習うだけだったので上達もせず、2015年~16年の飛鳥Ⅱの南極・南米ワールドクルーズでは経験者コースから脱落してしまい、「 いつの日にか絶対うまくなるぞ」と誓いを立て、下船直後から近所のダンス教室に通うことにした。60過ぎの手習いである。爾来約10年、いろいろあったが、なんとか、”ふつう”には踊れるようになったようだ。”ふつう”とは、見知らぬ女性から突如ダンスに誘われても、余裕を持った顔で出て行き、少々間違っても、平然と何もなかったように最後まで踊ることを云う。以前、飛鳥Ⅱのダンス教室で先生が言っていた教え、「男性が社交ダンスが上手くなるには、とにかく恥を恐れずに人前でどんどん失敗すること」を肝に命じてである。


アメリカでは高校生の卒業式にプロムがあるそうだが、そもそもダンス文化がないところに、いきなり正統的な社交ダンスを持ち込んだのが日本のクルーズ船である。酒でも飲みながら男女が組んで楽し気に踊れば良いものを、素人が競技ダンスのように真剣な顔して修行僧のように踊るから、傍から見れば「なんかキモイ」となる。ということでレッスン中は極力笑顔で、会話に冗談も交えて踊るようにしているのだが、会場ではやたらと他人に教えたがるオッサンやら、上級者であるのをひけらかす男性がいるのが、社交ダンス「あるある」だ。女性ではミキシングと云って順番で回って来た男性を気に入らないと露骨に避けるオバサン、やたら若い相手を探す肉食系独身者などもいて、ダンス仲間と夕食を共にすると、「そんなに相手を選り好みするなら自前のパートナーを連れてこいや」などと昼間の出来事で大いに盛り上がったのだった。ところでこの人気のダンス教室だが、新しい飛鳥Ⅲや三井オーシャンフジは次の時代のクルーズを模索するとかで、大勢を集めて踊る会場がないそうだ。ただそれで従来のロングクルーズ乗船客が満足するのか、せっかく培った日本船の伝統を簡単に捨て去ってよいのか危惧するところである。

2025年8月 5日 (火)

飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ DIE WITH ZERO

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104日目 友ヶ島水道に帰ってきました

かつて世界一周クルーズの途中で、会社を経営する飛鳥クルーズの常連さんから 「一回乗ってくるサラリーマン出身者はいるが、何回も乗ってくるのは珍しい」と言われたことがあった。今回も飛鳥Ⅱ船内に1000泊以上の乗船者として名札が掲げられているさるご婦人から 「 極めて個人的で不躾な質問とは分かっているのだけど、あなたたち一体何をされているの?」といきなり質問を受けた。「実は亡くなった(脚本家の)橋田寿賀子さんが、以前の世界一周クルーズで 『 あの人たち楽しそうでいいわね』『 一体何をしてる人なんでしょうね』とあなた達に関心を持っておられて、私もどうしても聞きたかったの」との事である。脚本家に興味を持たれたとは嬉しいが、そういえば初めて飛鳥Ⅱの世界一周クルーズに乗船したのは60歳前のことだから、平均年齢が72~73歳の船内では目立ったであろうことは間違いない。今も毎日デッキでジョギングを続け、イベントとなれば変装などして元気よく飛び出しているので、船内で悪目立ちしていることだろう。その質問には「ごく普通のサラリーマンOBです」とお答えしたが、今回も親しくなった乗客は医師や歯科医師、企業の経営者や不動産業者などが多く、職業を聞いて回ったわけでもないのであくまで感覚ではあるが、我々のような勤め人上がりは半数に満たないようである。


幸いなことに年金を受け取った上に、まだ自営業者として幾ばくかの収入もあり、今のうちに出来ることは楽しんでおこうとの意気込みで旅行やクルーズをしているのだが、ちょうど今朝配信されたネットのFINASEEというコラムでは 「ゼロ活~お金を使い切り、豊かに生きる!~」(井戸美枝著)や「DIE WITH ZERO人生が豊かになりすぎる究極のルール」(ビル・パーキンス著)といった本が今売れているのだと云う。なんでも「『ゼロ活』は終活の話題をマネーの観点から捉え直した本です。お金を貯め込んで老後を迎えてみたものの、なくなってしまう心配をしていたら、ほとんど使わずに最期の日を迎えてしまうことになってもいいのだろうか、今の楽しみのためにもっと使っていいのではないか、という問いかけがそこにはあります。」との内容であり、「『DIE WITH ZERO』は実はウェルビーイングの観点から、お金を使うことを勧めています」。「今しかできないこと」に惜しみなくお金を使えと主張する理由は「人生で一番大切な仕事は『思い出作り』であるから」と書かれているそうだ。


勤め人出身者ゆえ、上段にある「お金を貯め込んで老後を迎え」るほどの身ではないが、日本人の平均寿命や平均余命を考えると、消費者たる残りの人生はあと10年もないことに改めて驚いてしまう。もっとも人生の難しいところは、明日死ぬかもしれないし、100歳まで生きるかもしれない点にあり、どこでどういう出費があるかが分からないから、皆不安を感じて財布の紐も固くなるようだ。ただ自分自身を振り返れば、今後不動産を買い替えたり大規模なリフォーム費用が発生することはないだろうし、高級外車に買い替えようとも思わないから、消費はやはり『思い出作り』に向かい、旅行やクルーズに行きたいと思うのである。実際、国内外どのような場所でも旅してみると、その土地をもっと知りたいという興味が湧きおこり、改めて地理や歴史の本をひも解くこともあって、知的好奇心が大いに刺激されるものだ。百聞は一見に如かずである。特にクルーズ船は、大きな荷物を持って航空機に乗り降りしたり、ホテルでチェックイン、チェックアウトを繰り返すこともせずストレスなく見知らぬ土地へ連れて行ってくれる。ということで、またどの船に乗ってみようか、などと旅行会社から届いたパンフレットなどをチラチラ眺めている夏の日である。

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