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2025年6月21日 (土)

飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ第82日 カボサンルーカス寄港

20250620
アメリカ人向け観光地 カボ サンルーカス

当初、この世界一周クルーズは、メキシコ西岸の寄港地としてマサトランを訪れるはずであった。それが現地の治安が悪化したとの外務省情報により、クルーズ途中で急遽寄港地がマサトランからバハカリフォルニアのカボサンルーカスに変更となった。両港とも2009年春にロス発着の”サファイアプリンセス”によるメキシカンリビエラクルーズで来たことがあるので、ショックは少ないのだが、カボサンルーカスはアメリア人向けの観光やリゾートの街であり、古くからの港町で人々の生活臭を感じることができるあるマサトランを再訪できなかったことはちょっと残念である。まあ何事も安全第一の飛鳥クルーズなので、僅かな危険の兆しも排除しておくということだろうと、まずは寄港地変更も納得することにした。


それにしても先日パナマ運河を超えて、コスタリカのプンタレナスに向かう頃になると、なぜか海の様子が”太平洋”に変わった気配がしたのだが、それはまったく気分の問題であろうか。透明度は高いが赤い藻や浮草の帯がやたら目立ったカリブ海から、太平洋に来ると海の青さや透明さが日本の海水浴場なみになった感じがしてならない。恐竜の生き残りかと見まごうかの姿かたちが怪異なペリカンをほとんど見なくなり、代わりにアホウドリなどの見慣れた海鳥が船の頭上をにぎわせてくれるのも一因であろう。辞書を引けば、そもそもPACIFICとは「平和な、泰平な、平和を好む、穏やかな、温和な」という意味であり、古代から船乗りたちは、この海が穏やかであることを身をもって知っていたので、PACIFIC OCEAN、太平洋と名を付けたとされる。母なる太平洋に入って日本が近づいた気がして安心する一方で、もうすぐクルーズが終わってしまうと残念な気持ちが入り混じるこの頃である。


今日、船はカボサンルーカスを後にしたが、船長の放送ではこの後はしばらく北風に遭遇するとのことである。そういえば2009年に”サファイアプリンセス”で、最終港であったカボサンルーカスから下船するロスアンジェルスまで北上する道中も、強い北風だった。船首にあるスイートルームを奮発した我々だが、強烈な向かい風でせっかくの広い前向きベランダに出ることが出来なかったことを思い出した。これは春から夏に向かい太平洋高気圧が優勢になり、高気圧の吹き出しによる北風が北米大陸西岸に沿って卓越するための現象とみられる。乾いた北風の一方で、カリフォルニア半島に沿って寒流が北から南に向かって流れるために、ロスアンゼルスなどでは、気温は高くともからっとした「カリフォルニアの青い空」を楽しめることになる。船に乗って日本ではわからない世界各地の気候を経験し、地球規模の気象現象に思いを馳せるのもロングクルーズの醍醐味の一つである。

参考:2009年サファイアプリンセスで訪れたマサトランのブログ「メルカードにて」

 

2009年サファイアプリンセスの最前部スイート、カボサンルーカスから帰路は前からの北風でベランダには出られなかった。
20250621

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船・船旅」カテゴリの記事

コメント

6日24日虎ノ門ヒルズで行われた商船三井の
株主総会に行って来ました。
橋本社長から以下の答弁でした。
経営者として商船三井全社各事業のバランス勘案し赤字クルーズ事業の状況を考えたらしばらく
大型投資は控え足元固める賢明な判断あると思いました。


質問:にっぽん丸引退後のクルーズ事業について

 ①新造客船の建造は現在見合わせている
  ・社長としては日本で作りたいが、適当な造船所今がない 
  ・欧州の造船所は値段が高い
  ・中国の造船所で作ることはあり得ない

 ②残る中古2隻でクルーズの集客増を目指す

  ・「三井オーシャンふじ」と「シーボーン・ソジャーン日本船に変更」
  ・「三井オーシャンふじ」は風呂水が貯まらないなど不具合は改善していく

黒部丸様

貴重な情報をありがとうございます。株主総会での橋本社長の公式コメントとのことで情報内容をオープンにいたします。飛鳥Ⅱの船内にも「にっぽん丸」ファンもおり、すでに「MITSUI OCEAN FUJI」に乗船経験がある乗客もいて、商船三井客船の2028年頃に予定する新造船に多くが興味を持っており船内の会話でも話題になります。「にっぽん丸」は来年引退するとあって、同社の今後の事業展開が注目ですが、やはりやや消極的なのですね。明日からの夕食時の話題にしてみるつもりです。(オリジナル現地時間6月23日投稿)

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