飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ第17日 あれから14年
南インド洋にやって来たのは、2011年の飛鳥Ⅱ世界一周クルーズ以来14年ぶりである。月日が経つのは何と早いことだろう。レ・ユニオン島が近づくにつれ、飛鳥Ⅱも航路筋に完全に戻ったのか、欧州から極東へ向かう巨大コンテナ船の姿を近くに見るようになった。喜望峰を回る航路が忙しくなったのは、2023年頃からアラブ過激派のテロが頻発して紅海が危険になってからで、大型コンテナ船がこの海域を通るのは以前なかったことである。わが身を振り返れば、この14年の間には職場も変わったし、2度のガン手術も経験した。しかし、この間もインド洋は変わらずにここにあって大きなウネリをつくり、空には南十字星が瞬いている。ふと14年前の我がブログには何を記したのか気になって読み返してみたら、当時はこんなことを感じながらここを通過したのかと感慨深い。
2011年4月26日のブログ
『イルカが船の周りに遊びに来て、しばらく飛び跳ねたり船の速度に合わせて泳いだりするのは、クルーズでは良く経験する光景だ。航路によっては運が良ければ鯨に出会う事もあるし、海鳥が魚を捕食するために海面に飛び込む様を見たり、ふだんの生活では見る事のできないものに出会うのもクルーズの楽しみといえよう。インド洋を航海中の今も、窓の外は天の川をバックに南十字星がくっきりと浮かび、私達は船から配られる今宵の星座図をもとに、デッキでいろいろな星を探している。
沈み行く夕陽の最後の輝きが、プラズマ現象で一瞬みどり色にかわる”グリーン・フラッシュ”もこの航海ですでに2度ほど見る事ができて感動したが、先日は海の上の竜巻を初めて見た。本船の左舷1マイルほどだろうか、一本の水柱が天空と海を繋ぐ神殿の円柱の様にゆっくり移動して行ったが、その竜巻の景色はなにか生きものの様でもあり、自然の神秘を大いに感じさせてくれるものだった。竜巻の下部では滝つぼのごとく海の水が巻き上げられて白く光り、あたり一面の海がにわかに白波を立てる様子は、まるで地の果てとでもいうもので、思わず映画やニュースのトルネード場面を思い出させてくれた。
こうして船で移動していくと、地球は海の部分が陸地より遥かに広く、この広大な大洋が生命の源であり、かつ地球の天候や環境の源である事がわかる。この海洋で原始の生命が発生して進化し、水は蒸発して雲になり、雨が降って陸地では森が出来、光合成が行われて動物や人間が生きてきた。こうした自然のサイクルに思いをいたすと、まさに海とは奇跡の様な存在で、我々はますます海洋汚染に注意し、この海を守っていかなかればならないと殊勝な考えが浮かんでくる。 加山雄三の「地球をセイリング」の歌詞ではないが、「母なる波の上」に人間の存在があるのだと、毎日海を眺めながら感じている。』
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