2025 飛鳥Ⅱ 世界一周クルーズ 準備も大詰め
今回の世界一周クルーズは103日である。クルーズに向けて準備をしていると、103日とはかなり長い期間であり、この間に期限が来る公的な手続きがとても多いことを実感する。まず最初に面食らったのが、下船後数日で期限が到来するクルマの車検で、これとクルーズの期間が重なったのは初めての経験だ。車検は有効期限の1か月前からしか検査を受け付けず、長期クルーズや海外旅行で国内にいないことが事前に分かっていても、前広に受験できない制度であることが今回分かった。一方で期限を1日でも過ぎれば、クルマは公道を一切走れず、検査のためにはレッカー車で指定場所まで移動させるしかない。いつも車検を受けているディーラーから陸運局に問い合わせをしたところ、もし旅行中に期限が切れそうならば友人にでも頼んで受けて下さいとのつれない返事が返って来た。我が愛車は不在の間にバッテリー上がりを防ぐために、義弟に時々エンジンをかけてもらうことにしているが、さすがに車検の手続きまでは彼に任せられない。よって下船したら真っ先に車を10キロ離れたディーラまで移動させねばならないことになった。車検をとるために必要なのが毎年5月に支払う自動車税の納付証明書で、これまた義母に支払いを依頼することにしている。周囲の協力なしには、103日間の遊びは完遂できないのである。
と思えば、先日は左目のまぶたの上にふとした違和感とかゆみを覚えた。鏡でよく見るとまぶたにブチっとごく小さな膨らみが出来て赤くなっている。痛みもないし大したことも無かろうと思ったが、普段なら無視するか、時の経過に任せるようなごく小さな症状も、もし航海中に何かあったらと考え、近所の眼科医に見てもらうことにした。船医は乗船していても眼科出身の医者は今まで見たこともないので心配と云えば心配である。眼科特有の精密な器具で目を見てくれた女医は「顔をあまりきれいに洗ってないと、こういう小さな出来物ができますね、軟膏を出しますから顔を良く洗って下さい」と、その朝に顔を洗うのを忘れたこちらを諭すようにニヤッと診察の結果を告げてくれた。このように日常生活を続けておれば何という事もない事柄も、100日先を見越して準備や対応せねばならないのが長期クルーズ乗船前である。そう云えば日ごろ「年齢の割に寝かせておけばいつまでも寝ている」と妻に感心される私も、この一週間ほどは朝7時頃にバチッと目が覚め、今日はこれこれをどうしても準備しなければと一瞬にして覚醒する日々である。会社に行かなくなってからは便秘気味だった便通も、最近は毎朝快調に出ていることからすると、きっとサラリーマン時代の朝と同様、あれこれの準備で交感神経が優位に立っているのではなかろうか。
以前の世界一周クルーズの際には感じなかったほど、なぜこんなにバタバタと気ぜわしいのだろうか。一つは当時は昼間は会社に行っており、妻が家で一人で奮闘していても我関せずでいられたことだろう。二番目はテレワークで引き受けている現在の仕事を乗船中もこなすためのセットアップに手間暇がかかることである。船のWi-Fi環境が格段に向上したことによる恩恵だが、わが家のテクニカルスタッフ(本人はCIO;CHIEF INFORMATION OFFICERと呼べと言っている…)である妻のご機嫌を取る時間も益々増えている。その他、加齢に伴いすべてが絶好調という具合にいかなくなったと云う身体的な面もある。ジョギングで痛めた膝は一年経っても完治せず、だましだまし走っている毎日だし、歯医者には2~3カ月おきに定期的に検査とクリーニングに通っていても、なんとなく気になる歯もある。そう思うと、やはり旅行やクルーズは行ける時には躊躇なく実行すべし、後になればなるほどさまざま障害が増えると云うことになる。もしもの時の海外旅行保険に関しては、旅行社が薦める保険商品は100日強の旅で一人あたり30数万円(70歳以上)と、年齢割り増しを考えても以前の数倍になる法外な値段で驚く。洋上では何があるか分からないし、クレジットカード付帯の保険は90日までなので、是非別途海外旅行保険をかけて下さいと船側や旅行社は云うので、大手損保以外の割安な海外旅行保険を探したりとなかなか手間もかかり骨の折れる乗船前の準備である。そう云えば参議院議員選挙が今夏に予定されている。国政選挙には必ず投票に行ってきたが、今回は欠席になってしまうとすれば残念だ。
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