« 2025年2月 | トップページ | 2025年4月 »

2025年3月

2025年3月29日 (土)

2025 飛鳥Ⅱ 世界一周クルーズ 準備も大詰め

20250328
乗船中のリモート業務の為に新たに購入したパソコン

今回の世界一周クルーズは103日である。クルーズに向けて準備をしていると、103日とはかなり長い期間であり、この間に期限が来る公的な手続きがとても多いことを実感する。まず最初に面食らったのが、下船後数日で期限が到来するクルマの車検で、これとクルーズの期間が重なったのは初めての経験だ。車検は有効期限の1か月前からしか検査を受け付けず、長期クルーズや海外旅行で国内にいないことが事前に分かっていても、前広に受験できない制度であることが今回分かった。一方で期限を1日でも過ぎれば、クルマは公道を一切走れず、検査のためにはレッカー車で指定場所まで移動させるしかない。いつも車検を受けているディーラーから陸運局に問い合わせをしたところ、もし旅行中に期限が切れそうならば友人にでも頼んで受けて下さいとのつれない返事が返って来た。我が愛車は不在の間にバッテリー上がりを防ぐために、義弟に時々エンジンをかけてもらうことにしているが、さすがに車検の手続きまでは彼に任せられない。よって下船したら真っ先に車を10キロ離れたディーラまで移動させねばならないことになった。車検をとるために必要なのが毎年5月に支払う自動車税の納付証明書で、これまた義母に支払いを依頼することにしている。周囲の協力なしには、103日間の遊びは完遂できないのである。


と思えば、先日は左目のまぶたの上にふとした違和感とかゆみを覚えた。鏡でよく見るとまぶたにブチっとごく小さな膨らみが出来て赤くなっている。痛みもないし大したことも無かろうと思ったが、普段なら無視するか、時の経過に任せるようなごく小さな症状も、もし航海中に何かあったらと考え、近所の眼科医に見てもらうことにした。船医は乗船していても眼科出身の医者は今まで見たこともないので心配と云えば心配である。眼科特有の精密な器具で目を見てくれた女医は「顔をあまりきれいに洗ってないと、こういう小さな出来物ができますね、軟膏を出しますから顔を良く洗って下さい」と、その朝に顔を洗うのを忘れたこちらを諭すようにニヤッと診察の結果を告げてくれた。このように日常生活を続けておれば何という事もない事柄も、100日先を見越して準備や対応せねばならないのが長期クルーズ乗船前である。そう云えば日ごろ「年齢の割に寝かせておけばいつまでも寝ている」と妻に感心される私も、この一週間ほどは朝7時頃にバチッと目が覚め、今日はこれこれをどうしても準備しなければと一瞬にして覚醒する日々である。会社に行かなくなってからは便秘気味だった便通も、最近は毎朝快調に出ていることからすると、きっとサラリーマン時代の朝と同様、あれこれの準備で交感神経が優位に立っているのではなかろうか。

 

以前の世界一周クルーズの際には感じなかったほど、なぜこんなにバタバタと気ぜわしいのだろうか。一つは当時は昼間は会社に行っており、妻が家で一人で奮闘していても我関せずでいられたことだろう。二番目はテレワークで引き受けている現在の仕事を乗船中もこなすためのセットアップに手間暇がかかることである。船のWi-Fi環境が格段に向上したことによる恩恵だが、わが家のテクニカルスタッフ(本人はCIO;CHIEF INFORMATION OFFICERと呼べと言っている…)である妻のご機嫌を取る時間も益々増えている。その他、加齢に伴いすべてが絶好調という具合にいかなくなったと云う身体的な面もある。ジョギングで痛めた膝は一年経っても完治せず、だましだまし走っている毎日だし、歯医者には2~3カ月おきに定期的に検査とクリーニングに通っていても、なんとなく気になる歯もある。そう思うと、やはり旅行やクルーズは行ける時には躊躇なく実行すべし、後になればなるほどさまざま障害が増えると云うことになる。もしもの時の海外旅行保険に関しては、旅行社が薦める保険商品は100日強の旅で一人あたり30数万円(70歳以上)と、年齢割り増しを考えても以前の数倍になる法外な値段で驚く。洋上では何があるか分からないし、クレジットカード付帯の保険は90日までなので、是非別途海外旅行保険をかけて下さいと船側や旅行社は云うので、大手損保以外の割安な海外旅行保険を探したりとなかなか手間もかかり骨の折れる乗船前の準備である。そう云えば参議院議員選挙が今夏に予定されている。国政選挙には必ず投票に行ってきたが、今回は欠席になってしまうとすれば残念だ。

 

デッキディナーに備えコスチュームもパッキング
20250328_20250328235701

2025年3月24日 (月)

飛鳥Ⅱ A-styleクルーズ~春彩~ 乗船 (クルーズは人と人を繋ぐ)

20250324
マッシー村上の講演

この週末、3月21日(金)~23日(日)の2泊3日で『飛鳥Ⅱ A-styleクルーズ~ 春彩(はるいろ)~に乗船してきた。2011年の飛鳥Ⅱの世界一周クルーズに乗船した、船友(せんゆう)計11名での記念乗船である。来週から世界一周クルーズに出かけようと云うのに、直前でのショートクルーズ乗船となったのだが、実は昨春から皆で一緒に飛鳥Ⅱに乗ろうと乗船計画を練り始めたところ、それぞれのスケジュール調整やら満船で予約が取れずなどの事情が重なって、この時期になったものである。考えてみれば年齢もバックグラウンドも全く異なる家族が、長期クルーズにたまたま乗り合わせて親しくなり、以後10数年経っても年に数回集まって、ワイワイガヤガヤと好きな事を喋れるとは何と幸せなことであろうか。もっとも2011年下船直後の会合には20名ほどが参加していたのだが、病気や亡くなった方、遠くに引っ越したり、何となく疎遠になったメンバーもあって今では常時集まるのが11人となってしまった。それだけにこの繋がりを大事にしたいと思っており、世界一周の前と云えども万難を排して春彩クルーズに参加することにした。


A-style クルーズ~春彩~は横浜発着の無寄港クルーズで、霞町にある「リストランテ アルポルト」の片岡護オーナーシェフのイタリアンや、歌手・俳優の別所哲也氏のショー、日本人初の米国メジャーリーグ投手である村上 雅則氏(マッシー村上)の講演などをゆっくりと楽しむ趣向になっていた。最近の飛鳥Ⅱのショートクルーズは満船続きの絶好調の模様で、今回もなんと780人が乗船、そのうち7割が初乗船だそうで、まことにご同慶の至りだと云える。来週からの世界一周クルーズは乗船者が少ないから、ここでウンと稼いで頂戴ね、などと勝手に思いを抱きながら横浜港で舷門をくぐっての乗船である。一歩足を踏み入れれば船内はいつもと変わらぬ雰囲気だが、今夏に就航する”飛鳥Ⅲ”に移るクルーは、すでに別途違うローテーションに入っているそうで、特にサービスクルーは若手が大幅に増えて見知らぬ顔が多いことに気付く。ダイニングでは頼んだ酒を待たされたケースもあったが、超満船の割には若手といえどもうまく乗客の注文をさばいており、イライラすることが少ないのはさすが飛鳥Ⅱクオリティーである。これなら世界一周もあまりストレスを感じずに過ごせると期待できそうだ。


実は当ブログサイトは、管理者側が海外からのコメントをはじく設定としているのはわかっていたのだが、船上からの衛星通信システムであるスターリンクを経由して、記事そのものを投稿することもなかなかうまくいかなかった。他方で現在もまだ細々とリモートで続けている仕事についても、船上でEXCEL表を更新しメールでやりとりをしなければならなくなりそうだ。世界一周のパッキングに忙殺される中ではあるが、直前での乗船は、図らずもこれら船上でのネット環境を色々と試すためにはちょうど良い機会にもなった。100日余の海外クルーズ中に折々ブログを新たにしたり、業務のデータを送受信するために、わが家の”テクニカルスタッフ”である妻は、この航海中に試行錯誤を繰り返した結果、ブログ投稿に関しては何とか隘路を突破できそうで、これが分かったのは収穫である。メール送受信に関しても今まで同様に特に問題はなかったが、万が一エラーとなった場合にはWebメールで代替出来るだろうとのことで、航海中に妻への船内接待費用(毎月1回海彦のしゃぶしゃぶを要求されている)が増えそうだ。なお、ブログへコメントをいただいた場合は、残念ながら即時の返信は難しそうである。


この春彩クルーズでは、一緒に乗船した船友の他に、何人かからの若い乗客の方々から「 ブログや妻のX(旧ツイッター)を見ています」とお声掛けを頂いた。今回はさらに海難事故などこれまでアップした記事へのお褒めの言葉を貰って恐縮し、評価を頂けるならもっと真面目に勉強しキーを叩かねばと決意を新たにするところである。鉄道関連の記事に興味を寄せて下さる読者にもお声を頂戴し、その方面でも多くの人と情報を共有できるのだと意を強くしている。妻の2011年の世界一周クルーズの準備編では、「荷造りやいろいろな準備に役立ちました」と何人かの女性からかつてコメントを頂いたこともある。私も妻もまったく思いつくまま、好き勝手に書き散らしているのに、「愉しみにしています、参考になります」などと言われるとは望外の歓びである。ブログやXが人と人を繋ぐ足がかりとなり、世代や立場を超えて交流するきっかけになるのなら、ウンウン唸りながら下手な文章を絞りだす作業も楽しくなると云うものだ。拙ブログを通じて新たな出会いが実現すると思うと、世界一周中クルーズ中も楽しい事や船内あれこれを綴って、記録してみようと思っている今日である。

 

霞町「リストランテ アルポルト」片岡シェフの鮪カルパッチョ
20250324_20250324123001

 

2025年3月22日 (土)

船内環境からテスト投稿

Starlinkからだとどうしても投稿した記事が読めなくて苦労している件。

記事入力までたどり着くことは出来たのは一歩前進@もうすぐ相模湾

右の神子元島を堪能しようとしたら、作業に夢中で気が付いた時にははるか後方へ。

残念 by テクニカルスタッフ

Img_0037   Img_0038

2025年3月18日 (火)

商船三井クルーズ (MITSUI OCEN CRUISES) が ”SEABOURN SOJ0URN” 購入

202303181_20250318140501       202303182_20250318140501
2011年5月 リスボン港に於ける"SEABOURN SOJOURN"

”にっぽん丸”や ”MITSUI OCEAN FUJI ” でクルーズ事業を展開する商船三井クルーズは、この度 ”MITSUI OCEAN FUJI ”の同型姉妹船である ”SEABOURN SOJ0URN ”(3万2千トン・2010年竣工)を米国より購入し、日本船籍に改めて2026年に運航を開始すると発表した。 ”MITSUI OCEAN FUJI ”が昨年末から国内マーケット向けに営業を開始したばかり、加えて商船三井クルーズには2028年に予定する2隻の新造船計画もある中で、極めて積極的な船隊拡大方針である。国内のクルーズ船の状況を見れば、この夏から郵船クルーズには ” 飛鳥Ⅲ”が加わって同社は2隻体制となるし、2028年にはディズニー(オリエンタルランド)が14万トンの新造大型船で日本でクルーズ事業を始動すると発表している。その他アメリカのプリンセスクルーズやヨーロッパのMSC クルーズなども、日本を中心とした定点クルーズを実施中であり、今年も初夏に  ”QUEEN ELIZABETH”がやって来るなど、内外の多くのクルーズ船会社が我が国の市場で営業を展開もしくは拡大中だ。我々のようなクルーズ愛好者にとっては選択肢が増えることは悦ばしいが、このような供給増で果たして業界の将来性が見通せるのかについては些か心配になる処だ。


注目したいのは、”MITSUI OCEAN FUJI ”の購入発表は2023年3月であり、今回の ” SEABOURN SOJ0URN ”の発表も3月だったことだ。商船三井クルーズのホームページによれば  ” MITSUI OCEAN FUJI ” 投入に当たって、『 2023年3月に商船三井がシーボーン社からクルーズ船を1隻購入し……(商船三井クルーズ社が)運航を開始しています』 とあり、今回の ” SEABOURN SOJ0URN ”も 『株式会社商船三井がシーボーン社本社:米国から購入し、2025年3月4日(火)(日本時間)に引き渡しを受けた』 と明記されており、この2船は商船三井本体が購入したものであることが分かる。会計や帳簿のことは素人ながら、これよりすると商船三井は昨今の好決算に伴う節税対策として、会計年度末ギリギリに償却資産確保のために急遽買船を決めたのではないかと推測できる。船舶には事業用資産の買い替え特例や圧縮記帳制度が認められているため、好決算の下で商船三井は今期中に積み上げた自社船の船舶売船益を、年度末を迎えて客船購入に充てたとすると、この時期の突然の発表にも合点がいく。急拡大の側面には、親会社の好決算が反映しているとみることができる。


また商船三井のクルーズ事業は、米国クルーズ船業界のジャイアント、カーニバル社と業務提携しており、国際戦略の一環として今後INBOUND客を呼び込む目論見で、クルーズ事業の拡大を図っている。これまでほぼ日本人だけだった日本船の乗船客だが、今後は船客の何割かは外国人に乗って貰うことを想定しており、その方針転換も船隊拡大の大きな要因とみられる。一方で新造船となると建造ドックも限られ船価も高いので、既存船の購入に踏み切ったに違いないが、これまで外国仕様だった船体を引き受けるには、メンテやサービス継続に大変な苦労がいるものである。その点で、同型船を2隻揃えることは、習熟の面でも備品や船用品などの補給面でも相当なメリットがあるはずで、これらの理由が今回の急な買船発表に繋がったものだと考えられる。先日、早くも ” MITSUI OCEAN FUJI ”に乗船したフネ友に評判を聞くと、「フネのハードは大変素晴らしい、ただ日本人クルーも外国人クルーも不慣れで、クルー同士お互いが協調せず機能していないのがとても気になった」とのことである。習熟には一定の時間がかかるだろうが、今まで大事に培った「良き伝統」を失わないように、ここは事業の急拡大に伴う混乱を最少にして欲しいところである。さて新しくフリートに加わるクルーズ船は ” さくら丸 ”にするのか” ふじ丸 ”にするのか楽しみだ?

2025年3月11日 (火)

飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ懇親会

20250311hal

3月31日の2025年世界一周クルーズ出発に先立ち、恒例の旅行社主催の懇親会が、先日六本木の 「HAL YAMASHITA」と云うレストランで開催された。「飛鳥Ⅱ」にも何度かゲストシェフとして乗船したというオーナー兼エグゼクティブシェフによる、「新和食」と銘打たれた日本料理店の、貸し切り昼食である。接待族だったのも遠い昔のこと、最近は高級な食材など滅多に口にすることもないので、この日は午前中にジョギングで腹を空かせて勇んで六本木に出かけた。会場はゲストである乗船者が10数名、「飛鳥Ⅱ」からはMy ASUKA CLUB会長ら2名、それに主催の旅行会社4名と合計で20名余で、小じんまりとした顔ぶれである。それもそのはず、今回のクルーズは乗船者も少なく、世界一周をぐるっと廻るのは400名に満たないとのこと。これにヨーロッパや北米での区間乗船者が加わるが、クルーの人数よりも乗船者の方が少ない豪華な旅になるであろうと主催者側より説明があった。先のコロナ騒動の際のように、あまり乗船者が少ないのも寂しいが、これならイベント開催時に行列になることもあまりなく、食事も一回制でかなりゆったりとした船内生活になりそうだ。

 

会食も一段落したあたりで、いつものように参加者の自己紹介となるのだが、このスピーチというのが困りもの。この日の参加者には、今回で世界一周が5回目、6回目というベテランから、「飛鳥Ⅱ」どころか船旅が初めてでいきなり世界一周というツワモノもいて、どういう立ち位置で話したら良いのかいつも迷うのである。偉そうに自らの体験談などを滔々と語れば、経験のない参加者にとっては上から目線でマウントをとっているように感じるあろうし、「よく分からないので皆さんよろしく」などと言うのもあまりに白々しい。自慢にならず、かつ場を和ませる程度に、と考えると、なかなか適当な言葉が見つからないものだ。ということで、飛鳥Ⅱ乗船の際には、「今では希少資源となった天然チーク材を全面に張った素晴らしいデッキでジョギングして汗を流し、露天風呂に飛び込んでビールを呑んで引き波を眺めるのが好きです」などと差し障りのない乗船動機を述べるのが常である。今回はこれに加えて、「4回あるデッキディナーには被り物など衣裳を準備するので、クルーだと思ったりドン引きしたりしないで下さいね」と皆で楽しもうとの心意気を示しつつ、「新和食」をエンジョイした。

 

考えてみれば運輸省の役人だった父親は、主に海運関係を担当していたので、小さい頃から船や海にはずいぶん親しむことが出来た。あの頃はコンプライアンスという言葉がなかったから、いろいろな現場やセレモニー会場にも家族が同伴するのがごく自然なゆるい時代。父の転勤でついて行った先も門司港と神戸とあって、官舎の目の前には海が広がり、子供の頃から船はいつもすぐそこにあった。船乗りにこそならなかったが、あまり深く考えずに海運会社に就職し、乗船研修で1万トンの小さな貨物船に揺られ、最初に上陸したのはロサンジェルス港であった。人生初の海外の地も船で行ったのである。揺れる船内、エンジンや汽笛の音は子守歌のようなものだ。妻も祖父は日本郵船で氷川丸などに乗船していた船乗りである。本人も海運会社に興味があったが、当時は大卒女子の採用は、特別な縁故者でない限りハナからお断りの時代とあって、すげなく門前払いされたとのこと。こうして人生の終盤となってお互いに縁の深かった「船」にゆっくりと乗れるのも、何かの縁、天の思し召しと心得て、ゆっくり波枕で世界一周を楽しむことにしたい。

20250311hal_20250311113801

2025年3月 6日 (木)

ビールはミニグラス、ワインには氷

20250306_20250306202201
愛用のビアグラスは元々モロゾフのプリンが入っていた容器

少し前、ネットの「ダイヤモンド オンライン」上で、大平 哲也さんと云う福島県立医科大学の教授(医師)が、ワイングラスの大きさについての記事を寄せていた。何でもケンブリッジ大学の研究チームが、「過去100年で食器のサイズが大きくなったことが肥満につながった」とする仮説に注目して、ワイングラスについての調査を行ったそうだ。そのチームが1700年から2017年までのワイングラスを収集し、それぞれの容量を調べてみると、やはりワイングラスは大きくなり、容量は増えているのが分かったとのこと。この研究から、「確固たるエビデンスは得られていないものの、グラスのサイズを小さくすることでアルコール摂取量を減少できるのではないか」と考えているそうである。


このような考察に基づき、大平氏はビールや酒を飲む時には小さなグラスを使い、氷や水で割るアルコールは、多めに氷や水を入れよう、と提唱している。小さなグラスでお替わりするほうが、同じ量でも何杯も飲んだ気がするし、同じアルコール量を飲むなら水や氷で膨らました方が沢山飲んだ気になるのだと彼は言う。たしかに人間は情報の80%を視覚から得ていると云われているから、味が少々薄くても目の前に注がれた酒の嵩が多ければ酔った気分になるものだ。その一方で、大きなグラスで一気に飲むより、同じ量でもちびちびと杯を重ねた方が、何となく酔ったような気分になってくるのも事実である。


我々の感覚とは実にいい加減なもので、例えばジョギング中に上り坂に差し掛かった際は、道路の先を見てしまい「あそこまで行かねば」とウンザリするより、視線を足下から50センチほど前に落とし、「一歩一歩」と進んだ方が遥かに楽に頂上に到達する。同じ事をするのも視線一つで気分は変わる。同様に「小さなグラスを使って自分をダマす」「水を多めにして薄めることでたくさん飲んだ気分が味わう」(大平氏)ことが出来るのも心理の綾である。ということで、私は以前より家でビールを飲む際は、小さなグラスに入れてちびちび飲むことにしている。このグラスなら一杯が60~70CC、350CCの缶ビールなら5回も6回もお替わりできるので、何となく杯を重ねた気分を味わえる。これなら、スポーツ後の最高にビールが旨い時、最初の一杯目をぐっと飲み干しても、「あと4杯でも5杯でも持って来~い」と思えるゆとりを感じる。小グラスでお替わりしつつ缶ビール一本を飲み干せば、(ちょっと物足りないものの)もう何杯も飲んだから食事にするかと次に進める気にもなる。また邪道とは思いつつ、白ワインに氷を入れて嵩を増やせば、こちらもちょっと満足した気になる。おかげでγ-GTPもなんとか規定の数値に収まっている。

2025年3月 4日 (火)

飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ エンターテイメント ガイド

20250304_20250304155301

世界一周クルーズの出発まで一か月を切った。とは言ってもこの時期にせねばならない確定申告や年度末の支払い、その他にも仕事の段取りなどに埋没気味の日々で、本当に一か月後には船上でゆったり海を眺めているのか想像するのが難しい。ではあるが、そろそろ準備にも目を向けねばならない頃とあって、来るべき100日余の海上生活に向けて、遅まきながら服装や靴など少しずつ準備も進めている。この航海中にプールサイドのデッキで行われる野外の催しは、アジアンデッキディナー、アフリカンデッキディナー、カリビアンデッキディナーにハワイアンデッキディナーの4回だそうで、これに合わせて場を盛り上げるコスチュームの準備も怠りない。「あの人、船のクルー? まさか乗客?」と人の目を引けば、それも亦楽しからずやである。日常を離れたせっかくのロングクルーズ、それも大海原に囲まれ暮れなずむ大空の下、デッキ上の催しなら自ら積極的に参加してナンボのものである。そんな中、郵船クルーズより「2025年 世界一周クルーズ エンターテインメント ガイド」が送られてきた。クルーズ中に催行される講演会の演者、各種教室の講師陣、ゲストエンターテイナーや落語家、ゲストシェフなどを紹介する冊子である。


届いた冊子をパラパラと繰っていると、これまでのクルーズで出会った顔なじみの演者やゲストが名を連ねている。写真教室の高橋敦史さんは、飛鳥Ⅱの世界一周クルーズではお馴染みの写真家で、今回も彼が講師なら教室に参加しようという気になってきた。毎日、午前と午後の2回行われるダンス教室の先生は、元々は飛鳥のエンタメクルーとして乗船していて、その後ダンス教師に転身した山本章平さんで、昨年のショートクルーズでも彼がダンスの先生として教室参加者を上手に指導していたことを思い出す。ゴルフ教室の新井敬子プロは、日本女子プロゴルフツアーに参加していた本物のツアープロだったが、彼女のアドバイスを毎日のように受けても料金がかからないのが、飛鳥Ⅱのロングクルーズの素晴らしい処である。ピアノの門真帆さんには、以前にも僅かだが指導を受けたことがあるので、このクルーズで行われると云うピアノ教室にも、勿論のこと参加予定である。また、このところ暫く行くチャンスのなかった(日本一予約の取りにくい)銀座木挽町「ラ・ベットラ」の落合シェフのパスタを、クルーズの終盤で楽しめるのも大いに楽しみである。


我々にとっては初めての顔も冊子で紹介されている。バイオリンの千住真理子さんは、最初の区間、神戸からシンガポールまでの乗船。きっと船出を祝して妙なる響きを船上で奏でてくれることであろう。タレントの山田邦子さんは、メキシコからハワイまでの乗船で、この頃になると少々マンネリ気味になる船上生活を盛り上げてくれることを期待したい。多彩なゲストの中で目を目を引くのが、”BLACK BLUES BROTHERS”と呼ばれるアメリカのショーグループである。どうやら映画 "BLUES BROTHERS"(1980年製作)の音楽をバックに、アクロバティックなショーを船上で繰り広げるようで、映画の大ファンだった私だけでなく我々世代にはウケルこと間違いなし。どんなオマージュが船上で繰り広げられるのか、家にあった古いVHSテープで、同作品と” BLUES BROTHERS 2000”(1998年製作)を乗船までに予習することにした。”東京大衆歌謡楽団”は、兄弟4人組の歌謡グループで、ボーカルの長男が若いのに似合わず岡晴夫や藤山一郎ばりの歌声で懐かしの昭和歌曲を再現する。最近話題になっているらしいのでYoutubeで彼らを見ていたら、飛鳥Ⅱの世界一周クルーズでメキシコからハワイまで乗船する経緯が次男であるアコーディオン奏者から語られており、そのユーモア溢れる喋りに思わず笑ってしまった。この次男は日本酒を傍らに演奏しており、どうやら酒好きに違いないから、船上で会ったら酒でも酌み交わしたいところだ。こうして冊子を見ながら来るべき場面を想像していると、やはり本当に行くのだと云う実感がやっと湧いてくるものである。

 

カリビアンデッキディナー用に海賊帽を準備
20250304

« 2025年2月 | トップページ | 2025年4月 »

フォト
2025年4月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ