石山寺・平等院・近江路
仕事人生も終わり、暇になった友人たちから様々なお誘いが来て忙しい。先の週末は、この春に滋賀県の大津に移住した小・中学時代の同級生の家を、昔からの友人と共に訪れてきた。絶好の秋晴れに恵まれ、テレビの大河ドラマ「光る君へ」で、益々人気となっている石山寺や宇治の平等院を友人の案内で参拝し、今が盛りの紅葉に映える名所巡りを楽しむことができた。いま京都市内は外国人観光客でごった返しており、四条通りや有名観光地周辺では歩道も歩けないほどだが、さすがに石山や宇治まで足を伸ばせば、外国人が押し寄せるというほどでもなく、適度に賑やかな風情だったのがとても良かった。思い返せば今からちょうど60年前、父の転勤で神戸に住んでいた頃にこの2つの古刹を訪れたことがあったが、記憶に残っている当時の情景よりすべてが整備されキレイになったようである。つくづく日本は豊かな良い国だと感じた旅であった。
大津と云えば、東京に住む人間としては、こんなチャンスでもなければゆっくり滞在する土地でもない。東海道新幹線に乗れば「まもなく京都です」の車内放送で、周囲の乗客が慌ただしく降車準備を始めるのが大津の付近だし、上りの新幹線列車では座席を確認したり荷物を収納したりと落ち着かないうちに瀬田の唐橋を車窓にちらっと眺めつつ通過、と云うことで滋賀県の県庁所在地にも関わらずここはひどく印象が薄い場所であった。しかし実際に来て今回短時間ながら琵琶湖の遊覧船に乗る機会を得ると、大津や滋賀県は歴史上とても重要な場所だったことを改めて知ることになった。滋賀(近江)は東から鈴鹿山脈を越えて琵琶湖に至る東海道、長野や岐阜から内陸を通って来る中山道、日本海側各地を結ぶ北陸道などの結節の地であり、なによりかつては琵琶湖舟運の拠点が大津であった。この辺りは昔から交通の要衝であったのだ。
上代から日本は、大陸や朝鮮半島との交易で栄えた日本海側が物流のメインルートであったから、各地から船で運ばれた物資は敦賀や小浜で陸揚げされ、琵琶湖の舟運に載せ替えられて大津や堅田(大津市)まで運ばれていたと云う。大津からは陸路で大坂まで運ばれた物資もあったが、川船を使って瀬田川(淀川)を下る物流もあり、さらに大坂の河口からは木津川、大和川の水路を利用して積み荷が奈良盆地まで上ることができたそうだ。大津は往時は関西物流の一大拠点で、それが大津(大きな湊)と呼ばれた所以なのであろう。奈良遷都(710年)の前、大津に国の都が置かれたのが667年というのも、この地が当時の先進の地であり、人の交流やモノの輸送で国を統轄するのにふさわしい場所であったと云うことに違いない。時代が下ればこの要衝の地で近江商人が生まれ、今もその末裔が伊藤忠商事や西武鉄道などとなり日本経済を牽引しているのである。大津や滋賀(近江)の歴史が我が国の発展に大きく寄与したと分かると、毎度新幹線で通過するだけでは勿体ない気がしてきた。次は近江電鉄に乗って、ゆっくりと近江盆地を訪ね歩いてみたいと思っている。SEEING IS BELIEVING である。
« 第29回シニア健康スポーツフェスティバルTOKYO マラソン大会 (ねんりんピック岐阜2025 東京都予選) | トップページ | WHAT SWEETER MUSIC »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 「個人では行きにくい中国地方の名所を一度にめぐる 島根・広島・山口ぐるっと満喫旅 4日間」瑠璃光寺五重塔と秋吉台、萩 ”おいでませ山口へ!” (2026.02.01)
- 「個人では行きにくい中国地方の名所を一度にめぐる 島根・広島・山口ぐるっと満喫旅 4日間」宮島(2026.01.31)
- 「個人では行きにくい中国地方の名所を一度にめぐる 島根・広島・山口ぐるっと満喫旅 4日間」石見銀山(2026.01.29)
- 「 個人では行きにくい中国地方の名所を一度にめぐる 島根・広島・山口ぐるっと満喫旅 4日間 」(2026.01.27)
- 風情ある高岡の町(2025.12.01)
« 第29回シニア健康スポーツフェスティバルTOKYO マラソン大会 (ねんりんピック岐阜2025 東京都予選) | トップページ | WHAT SWEETER MUSIC »




コメント