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2024年4月 7日 (日)

第57回東京六大学陸上競技大会

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応援団の声援をバックに代表5000米レースの熱戦


改修工事の終わった慶應義塾日吉競技場のこけら落としとして、昨日は第57回東京六大学陸上競技大会が行われた。後輩たちの今年の戦力を占う緒戦とあって日吉に赴けば、やや肌寒い曇り空だったが風もなく陸上競技日和である。当日は男子18種目、女子10種目に亘り、それぞれ代表レースと他の学校やOBも参加できるオープン競技が新しいグラウンドで繰り広げられた。我々が学生だった50年前は、この競技会の黎明期とあって、代々木の織田フィールドや世田谷競技場などで観衆もなく担々と試合をやっていたものだが、今や各校100名を超える部員に加え、競技関係者や多くのOBが観戦に訪れるちょっとした大会に成長した。もともと東京六大学と云えば野球の連盟であり別に陸上競技で集まることもないのだが、そこは東京に昔からある大学のよしみで早慶戦や明法戦など対抗陸上競技会を開いてきた間柄であり、友好的な関係にある仲間でもある。6大学は集まるにはちょうど良い規模、環境で、50回大会からは女子種目も加わって一層盛り上がるようになった。


六大学は競技の成績に於いても昨年の関東インカレで、男子1部16校のうち早稲田が2位、法政9位、慶応12位、明治14位であり、2部42校中のうち立教は5位、東大は18位と各校がそれなりに健闘している状況にある。早稲田は今年の関東インカレで優勝を狙っているし、2部とはいえ立教も最近は箱根駅伝に復活し意気が上がっているので見る方も熱が入る。体育専門の大学に較べれば、各校ともトラックやフィールドの全種目にあまねく人材が揃っているわけではないが、却ってそれが得点争いの穴になるのが対校陸上の面白いところ(※インカレも六大学も決勝の1位が8点、2位が7点、以下8位が1点を獲得し、各校が合計得点で順位を競う)。箱根駅伝のテレビ中継で見た顔や、400米ハードルでパリオリンピックを狙う母校の主将・豊田兼君(4年桐朋)のような注目の顔が眼前で全力の争いを繰り広げるのを見ると、こちらもエネルギーを貰った気分になる。昨日は6校の応援団やチア、ブラバンの応援合戦もあって、対校競技会としての雰囲気も一段と盛り上がるなか、100米で三輪爽太君(4年西武文理)、3000米障害の安田陸人君(4年開成)ら後輩の優勝や、トリの1600米リレーの早慶デッドヒートで久々に陸上競技を楽しんだ一日であった。


競技が終了した後は、懐かしの日吉の街でOBの懇親会となる。会場の居酒屋には老若男女40名ほどのOB・OGが参加したが、見回せば我々の代が最長老であることを発見して愕然とした。若い頃にこの種の催しに参加すると、上席は白髪や禿げあがった爺さん達ばかりで、その長い説教や訓示に辟易としたものだが、気が付けばこちらがあの世代さえ超えている。まさか自分がそういう年齢になろうとは、想像だにしなかった。月日の経つのはなんと早いことか。と、隣の部屋で懇親会を開いていた早稲田OB会会長の瀬古利彦氏が我々の座に押しかけて、「本当はボク慶応大好きなんですよ、息子も慶応だし」「今の早稲田にはフィールド選手がいないんですよ、だから早慶対抗戦はフィールド種目をやめてトラック種目を増やしましょう、円盤なんか20m飛ばしてもしょうがないでしょう」など投擲陣が怒り出しそうな冗談を飛ばしていた。あの有名な瀬古もサービス精神を発揮して敵チームの宴会に乱入し、日本の瀬古ではなく早稲田の瀬古になるのだな、と彼のテレビで見るのと変わらない軽妙なトークに我々は大いに盛り上がった。

世界の瀬古から早稲田の瀬古へ、慶応OB会に乱入して盛り上げてくれた瀬古利彦氏
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