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2024年4月27日 (土)

半日鉄道プチ旅行 京王相模原線 JR相模線

20240427
京王相模原線 運転士の速度テスト(右の指導運転士がボードで見習い運転士の速度計を隠して速度感のテスト中)

連休を前に仕事も一段落で、久しぶりに半日のプチ鉄道の旅に出かける。地図を広げて今回はどこへ行こうかと考えていたら、JR相模線に乗りたくなった。わが家では時々、厄除けで有名な相模の国一の宮、寒川神社にクルマでお参りに行っており、その際に神社のすぐそばを相模線の電車がトコトコと走っていることが気になっていた。一度この神社のあるあたりを電車の窓から眺めてみようかと思ったのが、今回この線を選んだ理由である。相模線は神奈川県の北東部にある橋本と東海道線の茅ヶ崎を結ぶ33キロ、全線単線のローカル線で、東京近郊区間にありながら、1991年まで電化もされず気動車で運転されていた路線である。かつては収益も苦しかったが、終点の橋本駅はJR横浜線と接続するだけでなく、京王相模原線の終着駅でもあり、さらに話題のリニア新幹線の新駅がここに開業予定というから、今後の発展が大いに期待される路線である。


ということで、昼前にまずは新宿から京王線の橋本行特急に乗車する。この特急は調布で本線から相模原線に乗り入れるが、考えてみればこの線の電車に乗車するのも初めてだ。府中や高尾山方面に行く際には京王線本線を利用することはあるものの、新しいベッドタウンの中を走り抜ける相模原線は、親しい友人か親籍などが住んでいなければまず訪れる機会がないエリアだ。乗車した特急電車は調布で分岐後に多摩川を渡り、新緑の多摩丘陵の北の麓を縫うように西進、途中で小田急多摩線としばらく並走するなど、初めての風景を眺めるのが目に楽しい。と、いつものようにかぶりつきで前を注視していると、見習いらしき女性運転士の横に立つ指導運転士が、やおらプラスチックのような小さな板を取り出し、暫くの間それを速度計の前に置いてメーターを隠している。これがいわゆる「速度観測」で、新米運転士に速度計を見なくとも正しい速度を体感させるテストかと、彼女のこれからの健闘を後ろから見守っていた。混雑のない平日の日中、閑散区間で行われる運転士のテストの様子を目の前で見られるのも、暇な老人の特権だといえる。


特急は新宿から40分ほどで終点の橋本駅に到着、駅前の歩道橋から街の様子をひと眺めして、いよいよJR相模線である。JR橋本駅ホームに止まっていたのは4両編成のJR東日本の新鋭E131系電車で、500番台の番号が与えられた相模線用のワンマン車両(ただし運賃の収受は各駅で行うようだ)。乗車したクハE130-502は2021年に総合車両製作所新津事業所で製作された、sustina(サスティナ)ブランドであることが車内の銘板でわかる。ステンレスの外板に青の装飾は、湘南の海や相模川をイメージしたものだそうだ。このE131系は相模線の他に房総地区や日光方面でも投入されているが、幹線で役目を終えたお古が廻ってくるのではなく、このような新鋭車両が相模線に投入されるとは、JR東日本の底力を見るような気がする。房総地区のE131系と異なり、車内すべてロングシートでトイレも設置されていないのは、日中は20分間隔の運転で、乗車時間が最大でもおよそ1時間程度の通勤路線ならではであろう。


橋本駅を出発すると、線路は横浜線と別れ、相模川左岸(東岸)を南の湘南海岸に向かって下っていく。上下列車が交換(行き違い)する駅では側線への進出入速度が25キロや35キロと徐行制限があるが、ローカル線にしては軌道もしっかり整備されているようだし、線路内に夏草がぼうぼうという感じもなく、本線の最高速度が85キロとゆったりしているためか、または新型車両の効果なのか揺れはそう感じないのが良い。進み行くうち相模川が真近になり、この鉄道が河川の砂利採取・運搬を目的の一つとして開業したことを実感させる景色が広がる。途中の海老名では、相鉄線や小田急線との接続で多くの乗客が入れ替わり、相模線から都内や横浜へ向かう乗客の意外と多いことをうかがわせる。相模線は駅での行き違いに時間をとるため沿線には複線化を望む声も多いそうで、たしかにゆったりと設定されたダイヤに思える。近郊が農村だった時代ならこれで良かっただろうが、都会と連絡する今はもう少し速達が望まれるところだ。行路も終盤、期待の寒川付近では車窓に大きな鳥居や参道の緑が見え、初の乗車で完乗1時間、車窓や運転風景を楽しんだ。いつもクルマでばかり来るこのあたりの近郊だが、列車に乗って新たな体験をするのも良いものだ。

JR東日本の新鋭E131系(橋本駅)
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