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2024年1月28日 (日)

靖国参拝で自衛隊幹部が処分されたことに異論を唱える

20240128
掃海母艦”ぶんご”艦橋内の金毘羅さん(2009年10月観艦式の際に撮影)。神社にお参りすることが宗教行為ならブリッジ内になぜこれがある?


防衛省は、陸上幕僚監部のナンバー2にあたる陸上幕僚副長など幹部3人が、1月9日に公用車を使用して靖国神社に参拝したのは不適切だったとして、訓戒の処分にしたことを発表した。今回の参拝は22名が参加したものの、参加した全員がいずれも休暇を取得し自主的に参拝していたとして、内部通達で禁止されている部隊での参拝にあたる可能性はなく、公用車を私的行為に利用したのが不適切だったとしている。しかし、この防衛省の判断に違和感を覚えたのは私だけではあるまい。もしこれが公務時間中であった場合には、靖国神社に自衛隊の幹部がお参りすることが、いわゆる「宗教的な行為」に当たるとされるのだろうか。政教分離の観点から防衛省は「部隊としての参拝」や「隊員への参加の強制」を禁じているそうだが、統一教会やイスラム寺院に詣でるわけではない。近代国家の礎を担い安全保障に携って亡くなった方々の「みたま」に敬意を表すことが「宗教的な行為」にあたり、私的な時間に行くべきとの防衛省の通達は一般的な社会規範や常識に反していると私は考える。


もし職務時間中に神社に参拝することを禁じるならば、海上自衛隊の護衛艦内のブリッジに祭られている神社はどう考えたらよいのだろうか。ブリッジは当直の隊員が「公務」で詰める場所そのものである。神社に詣でるのは「宗教的な行為」であり、私的時間に公務を離れて行うべし、という決まりなら、艦内の神社は隊員が仕事で使わない場所に造らねばならないことになる。軍艦に限らず一般の商船でもブリッジには、金毘羅さんや大山祇の神、宗像神社などが祭られている(外国の商船にはキリスト教の祭壇が置かれている)。日ごろから鳥居や社殿に向かってこうべを垂れ、正月やお盆、秋の収穫に際して神社に参拝して手を合わせるのは、日本人の心性に沿った「生活様式」であり「宗教的行為」には当たらないとするのがごくふつうの感覚であろう。私の周囲の友人、親戚などにも洗礼を受けたクリスチャンが多数いるが、彼ら彼女らも神社に詣でることが「宗教的行為」ゆえ教義に反するなどと主張する人間は皆無だ。神社に詣でることが「宗教的行為」と解釈すること自体が、およそ日本人の常識から外れた特殊な考え方だと云える。


こう主張すると靖国神社は特別だと脊髄反射する愚かな左巻き人間がいる。しかし靖国神社のホームページを見れば「靖國神社には・・・・近代日本の出発点となった明治維新の大事業遂行のために命を落とされた方々をはじめ・・・歴史的に著名な幕末の志士達、さらには日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦・満洲事変・支那事変・大東亜戦争(第二次世界大戦)などの対外事変や戦争に際して、国家防衛のためにひたすら「国安かれ」の一念のもと、尊い生命を捧げられた方々の神霊みたまが祀られており、その数は246万6千余柱に及びます。その中には軍人ばかりでなく、戦場で救護のために活躍した従軍看護婦や女学生、勤労動員中に軍需工場で亡くなられた学徒など、軍属・文官・民間の方々も数多く含まれており、その当時、日本人として戦い亡くなった台湾及び朝鮮半島出身者やシベリア抑留中に死亡した軍人・軍属、大東亜戦争終結時にいわゆる戦争犯罪人として処刑された方々なども同様に祀られています。・・・つまり、靖國神社に祀られている246万6千余柱の神霊は、『祖国を守るという公務に起因して亡くなられた方々の神霊』であるという一点において共通しています。」とある。


靖国神社にA級戦争犯罪人も合祀しているのが問題だから、靖国は特別だどいういちゃもん自体が、1985年の朝日新聞による反日報道にネジを巻かれた、シナや朝鮮のプロパガンダに過ぎないことは明らかだ。彼らの文句には「内政干渉」と一言突っぱねれば良いだけのことである。国防の最前線で戦うのが任務の自衛隊員が「祖国を守るという公務に起因して亡くなられた方々の神霊」に例え公務時間中であっても詣でることに何の問題があると云うのか私にはさっぱり分からない。市ヶ谷の防衛省と靖国神社は靖国通り沿いに距離的には僅か1.5キロしか離れていない場所に位置する。公用車で往復しても費用的にはガソリン代が60円くらいのもので、防衛省の人たちは堂々と公用車を使用して勤務時間内に靖国神社に参拝すれば良いと思う。ましてや今回は幹部自衛官たちは同日に境内で行われた偕行社(元陸軍将校の同窓組織で現在は陸自幹部OBも会員)の賀詞交換会(これは公的行事にあたる)に出席している事実がある。その折に神社に詣でるのは、日本人なら凡そ誰もが行う自然なことに違いない。これが「宗教的行為」で「私的参拝ゆえに公用車不可」であろうか?。陸上幕僚副長など幹部3人が公用車を使用して靖国神社に参拝したのは何も問題はなく、これを不適切だ、として処分を下す防衛省の判断そのものが不適切である。

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