それ見たことか、LGBT法案
報道機関などが実施する世論調査で岸田内閣の支持率が軒並み大幅に下がっている。7月22日、23日に行われた毎日新聞の調査では、支持率が28%とこの2か月で17%もダウン、反対に不支持は65%に上っている。わが家の固定電話にもよく世論調査の電話がかかってくるが、いまや固定電話を設置しているのはほとんどがシニア層の所帯のうえ、数分かかる返答に真面目に答えるような暇な人もそう多くはないだろうから、この種の数字の妥当性には大いに疑問を持つのだが、それにしても岸田内閣の不人気具合は顕著である。支持率急降下の原因としては、それぞれマイナンバーカードのごたごたや物価の上昇が主な原因だとの分析がなされ、保守界隈でさかんに云われる「LGBT法案」の強行採決に呆れて自民党の岩盤支持者が離れたという説はこれまでほとんど見られなかった。LGBTの人たちへの理解促進を強調してきた朝日・毎日・東京、TBSなど「リベラル」派メディアは、この法案の成立が国民の一定層にひどく不人気だという世論を惹起させたくないのであろう。
と思っていたら、7月25日の読売新聞の社説「政治の信頼をどう回復するか」では、岸田内閣の信頼に関して「十分な議論もなく、性的少数者(LGBT)への理解増進法を成立させたことで保守層が離反したのだろう」という分析がなされているのをやっと見つけることができた。国会でのLGBT法案の拙速な議論に慎重な姿勢だった読売ならでは真っ当な社説が出てきたと云えよう。何があっても自民党を支持する「岩盤支持層」は約20%と従来から云われてきたから、6月末のLGBT法案の強行採決に失望してこの層が離反したことと、2か月前から17%支持率がダウンしてことは、(世論調査はかなりいい加減な数字だとしても)まずは平仄が合う。「リベラル」系が隠したい議論が、遅きに失したが大手のメディアから展開されたことになり、法案の強行成立が自民党を今後ボディーブローのように苦しめることになろう、と密かに期待したい。私も第2次安倍政権発足以来これまで自民党を支持してきたが、岩盤支持層を甘く見てトンデモ法案を成立させた自民党執行部には鉄槌を下さねばならない。いまは内閣支持率のダウンを見るたびに「それみたことか」とひとり喝采する。 → 「LGBT法案が成立したら自民党支持はやめる(2023年6月14日)」
これまで自民党内でもLGBT法案を推進してきた稲田朋美らバカな議員たちは「LGBT法は理念法にすぎない」「『自称女性』による女性トイレや女性風呂の利用は、それぞれ関係の法則や規則で規制できる」として、法制化がただちにLGBT以外の人々の生活には影響をきたさないとしてきた。ところが法案が成立してから僅か1カ月で事態を憂うような2つの事件が起きて世間を戸惑わせている。一つは経産省のトランスジェンダー職員による、女性トイレの使用制限は違法だとする訴えが、最高裁で認められた件。法案が成立した直後に、省内のフツーの女性の権利を侵害する最高裁判決が下されたことは、稲田朋美らの説明が大嘘だったことを明確に示している。最高裁では5人の判事全員が「この判断が一般のケースに当てはまるものではない」と苦しい逃げの「補足説明」を発表しているが、櫻井よし子氏は週刊新潮8月3日号「ルネッサンス」で「最高裁判決は絶対的な権威をまとう」「日本社会は判決の示した価値観を受け入れるところまで進んでいない。社会の常識も良識も今回の判決とは到底、一致しない。ならばもっと学べと最高裁は言っている」と「世界的にも珍しい」判決や補足説明の示す暗い未来を予測している。「普通の女性」の持つ、ごく当たり前の権利を、LGBT新法案や最高裁判決は踏みにじろうとしているのである。女性たちよ、怒れ!
もう一件、札幌の首なし殺人の被害者は、界隈ではよく知られた女装を趣味とする男性だったそうだ。彼は「ゆきずりの男女関係を求めていたようで夜の店やクラブで会った女性に連絡先を聞いて回ってラブホテルに行く。そうして関係を持った女性が何人もいると噂になっていたました」「性欲が強い」(週刊新潮8月3日号)という家庭のある『男』で、女装を武器に夜の巷で活動していたことがさかんに報道されている。もしこのような「性欲の強い」女装男が「自分は女だ」と自称して、トイレや風呂などの女性エリアに侵入してきたらどうなるのだろうか。生まれた性と自分の認識の違いを悩む本当のトランスジェンダーばかりでなく、女装したただの「変態スケベオヤジ」を今後どうやって区別していくのだろうか。LGBT法案の成立は「自称」女性の価値観をもっと理解する社会を目指しているようだが、これまでひっそりと真面目に暮らしてきた「本当のトランジェンダー」だけではなく、広い世の中には女装オヤジもあまた存在している。新法案や最高裁の示す風潮によってただの変態オヤジが大手を振って町を闊歩し、「自称女性」の「彼ら」がますます存在感を誇示して「活性化」する社会が到来しそうだ。伝統や常識に裏打ちされた、ごく真っ当な世の中を望みたい保守派としては世を憂うるばかりである。
7月30日追記:その後の報道ではこの戸籍上も生物学的にも「男」だった女装の被害者は、界隈ではしばしば問題を起こして有名だったとの事。女性トイレを占有したため、店員が注意すると「差別だ」と怒るので、「ジェンダーへの配慮」で女性扱いをせざるを得なかった事もあったという。こんな輩がLGBT法案に後押しされて、全国で増加したら一体世の中はどうなるのだろうか。ああ恐ろしい。
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