飛鳥Ⅱ 2024年世界一周クルーズは参加とりやめようか?
今年に入って世界中でふつうにクルーズが再開され、すでにワールドクルーズを行っている海外の船会社も多い。3月初めに東京港クルーズターミナルにやってきた独フェニックス・ライゼン社のM/V "AMADEA"(EX.飛鳥)も世界一周航路の途中であった。このような状況にも拘わらず、我々が乗船予定だった飛鳥Ⅱによる2023年世界一周クルーズは、ウクライナ情勢やコロナを理由に今年もまたまた中止となり、来年2024年に延期されてしまった。2020年から繰り越されて来た飛鳥Ⅱの世界一周クルーズもこれで4度目の延期である。いまだにマスクが手放せないような情報弱者、ないしは不潔恐怖症あるいは対人恐怖症気味の人が多いことを考えると、飛鳥Ⅱの姿勢も判らないではないが、今年のワールドクルーズ中止の決定は過剰に安全サイドに傾き過ぎているのではないかと我が内心の不満も大きい。その上、ここのところ本船のエンジン故障やクルーのコロナ罹患による突如の航海中止もあって、乗船予約をした顧客に飛鳥Ⅱは多大な迷惑をかけてきたのが事実である。
このような時には、フツーの商売人の感覚なら形だけでも 「これまで迷惑をかけた客には精一杯”べんきょう”して誠意をみせよう 」 ( 少なくともそのフリはしよう )とするものだが、最近の飛鳥Ⅱの大幅な値上げは一体どういうことなのだろうか。2023年の世界一周クルーズに申し込んでいた客には、2024年には同じ部屋を優先的に確保するものの、値段は一挙に一人150万円高くして( 最初に中止になった2020年に較べると200万円のアップ )追加料金を支払えというから驚きである。この結果、乗船予定だったDバルコニーは100日間、夫婦二人で1700万円となるが、一人一泊あたり8万6千円は幾らなんでも高すぎだろう。クルーズ仲間のおしゃべりでも、最近の飛鳥Ⅱの強気の料金設定がしばしば話題にのぼる。顔見知りの日本人クルーに急に高くなった乗船値段のことを船内で尋ねると、全員が 「おっしゃることはよくわかります、申し訳ありません」 「見捨てないで下さいね」 「我々も同じ思いなのですが会社の方針で…」と一様に顔を曇らせ言葉を濁す。
その上、これまで世界一周クルーズでは途中約30港ほどに寄港していたが、2024年に予定される旅程ではわずか20港( 除くスエズ・パナマ運河 )しか寄らない。これは大幅なサービス低下である。船員費や港費、食料代、その他諸コストの値上がり、殊に円安基調の為替を考えると、船会社側は、この程度の値上げはREASONABLEと考えて料金を設定したつもりかも知れないが、過去数年の大赤字を少しでも挽回したいかの姿勢がかいま見えるようで「大郵船ともあろうものが何とも・・・」と言葉を失う。飛鳥Ⅱを運航する郵船クルーズの社長も、親会社の日本郵船の社長も代替わりで、これまでの経緯は忘れての「 損益優先 」という姿勢に見えるし、飛鳥クルーズに資本参加するファンドの声も大きいのだろうが、この強気の方針がどこまで貫けるのかいささか疑問に感じる。いつかは世界を船で廻りたいという希望者は多いのだから、私なら料金は据え置いて乗船者を増やすことを考えるのにと残念だ。ということで8月末締め切りとなっている高額の追加料金は支払わず、2024年の世界一周クルーズに乗船することは諦めて、戻って来る金で来年以降は新たな旅行を計画しようかと、梅雨空を見上げながら嘆息するのである。料金を払っては中止となり次年度に繰り越して追加料金を要求され、やっと払ったかと思うとまたまた中止でその次年に繰り越し、また追加を払えはもう懲り懲りだ。
(続く)
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