Don't tailgate 2
以前は皇居の周回コースを走っていても、たまにいる現役の本チャンらしい選手以外にはまず抜かれることがなかった。しかし馬齢を重ねた昨今、かなり一生懸命に走っていても簡単に追い抜かれるようになってしまった。こんな時、内心は面白くないが「若いんだから精々気張って走ってくれ」と、遠ざかる背中を見ながらと気をとりなおす。このようにスッと越されてしまう時は良いのだが、皇居一周5kmを24~25分くらい、時速にすると12キロ強で走っている時にしばしば遭遇することがある。前を走っていたランナーをひょっと抜くと、そのランナーがちょうど良い目標ができたとばかりに、俄然スピードを上げてすぐ後ろを付いてくるのである。見ず知らずの人の足音がパタパタ、ゼイゼイする呼吸音が背後からいつまでも聞こえ続けるのはあまり気持ちの良いことではない。
「面倒くさいやつだな」と思い、こちらがスピードを落として背走ランナーを先に行かせると、1kmもいかないうちに抜いていったランナーはしんどくなったのか急にゆっくりとなり、またこちらが追いついてしまうケースも多い。どうもにわかランナーたちは、行けそうだと思うと突っ走り、目標を勝手に設定し、ちょっとしんどくなるとペースダウンを繰り返すようだが、そんな彼らには「まずは時計を見ながら平均的な速度で走る練習をしたらどうだい」と忠告したくなる。このあたりは2008年のブログ「荒い息づかい」で、その後2015年にも「Don't tailgate!」でアップしたとおりである。妻もかつて25分前後で走っていた頃は同じような経験を何度もしていて、男性のランナーがすぐ後ろを付いて来るのがウザかったそうだ。
「あまり他人に煩わされずに走りたいね」と妻と話していたら、誕生日にネットで注文した2枚の特注オリジナルTシャツをプレゼントしてくれた。"TAILGATE"は「すぐ後ろを運転する」「あおり運転をする」という意味の米語で、アメリカの街でパーキングメーター料金を回収するため道の端をゆっくりと走っている小型自動車(ゴルフ場のカートのような乗り物)に"DO NOT TAILGATE"(このクルマのすぐ後ろを走るな)の表示がよくあった。その他、駐車場のゲートなどで車間を詰めすぎるとバーが適格に作動しなくなるため、「前車との間隔を保て」とする場所でも使われる。この米語に高齢者マークも入れて「ジジイをあおらないでください」「すぐ後ろにいないでください」という意味をTシャツ背中で表したものである。もう一枚のTシャツは、高齢者マークと共に「お先にどうぞ」とプリントし、「ジジイなので私についたりせず、さっさと抜いて下さい」と示しているのだが、果たしてちょうど良い目標が出来たとばかり必死のランナーたちにはこれらサインに気が付いてもらえるだろうか。
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