« 嗚呼 いまだ終わらずコロナ狂騒曲! | トップページ | 年の瀬のふぐ »

2022年12月17日 (土)

大腸内視鏡検査

20221217
モビレップ薬と2リッター水を注入する前の容器

14年ぶりに大腸内視鏡検査を受けた。毎年受ける定期健康診断の便潜血反応は今のところ問題ないが、父親が大腸がんを患って晩年はストマを装着していたし、私も70歳を過ぎたのでこの辺りで一回内視鏡検査を受けておこうかということである。自ら好んで病気探しをする気などはサラサラないものの、泌尿器系の2つの癌手術後の経過も順調なので、ちょうど良い機会との気持ちである。実は50歳台前半に会社の健診でひっかかり、紹介された病院で大腸内視鏡検査を受けたことがあった。その時に見つかって取ったポリープを病理検査したところ悪性のものがあったため、以後数年間定期的な大腸内視鏡検査を余儀なくされた経験もある。気がつけば最後の内視鏡検査より随分と月日が過ぎ、「是非この辺で私のためにも内視鏡で見て貰って」との妻の強い言葉(強要?)を受けて病院に行くことにした。


そこで現在定期的に泌尿器科に通っている近くの総合病院で、「今は何も問題ないのだが、過去のことがあったので大腸内視鏡を健康保険適用で受けられますか」と真っ正直に相談したところ、「うーん、それはやはり自費診療になりますね、なにかあればその時に保険になりますが」とのつれない返事が返ってきた。大腸内視鏡検査は6万円ほどするので、これが健康保険適用になるか全額自費かの差は大きい。やむなく地下鉄で一時間ほどかかる14年前にお世話になった病院に電話をすると、「まず診察(初診)を受けていただき、健康保険適否はその先生の判断になります」とのこと。というわけで久しぶりに行った以前の病院だが、すでに当時の担当の先生は転勤してカルテも残っておらず、改めて対応してくれた初診の医師に過去の経緯を説明した。先生曰く「お話を伺った限りでは微妙ですね。まあ保険で良いと思います。」となり、晴れて負担費用3割で大腸内視鏡検査を受けることになった。


こうして久しぶりに経験することになった大腸内視鏡検査も昔と比べると随分と変わったものである。以前はたしか検査前日は消化の良いものを食べ、当日朝から病院の一室で下剤を飲み午後の検査に備える手はずだった。ところが今回は検査3日前から納豆などの豆類、海草類、小さい種のある果物、キノコなど繊維の多い食品は食べること禁止と、腸内を見やすくするためにずいぶん細かい説明書が渡された。その上、検査前日には「クリアスルー」というあざとい名前がついた検査食を取れとの指示である。この「クリアスルー」なる食品、味はそこそこだったが、前日昼は肉じゃがと鮭がゆ、夜がチキンシチューのレトルトパウチにクラッカー5枚の内容と消化は良いに違いないが、なんとも量的には情けないものだ。箱をみれば2食で670キロカロリーとあり、これで一日過ごせとは拷問に近いと言えるのではないか。とくに夜の食事のボリュームはまったく不足だったので、指示書きには禁止とないのをもっけの幸いビールを多く飲み、家にあったクラーッカーも追加して食べてしまったが、それでも前夜は腹が減って水ばかり飲んでいた。こういう検査前の手順も年が経つにつれ、どんどん厳格な方へ向かっているようだ。


検査当日は自宅で「モビレップ」という下剤を2リッターのビニール容器内で水に溶かし、朝から休み休み少なくとも1リッター、お腹が下痢状態になるまで飲まねばならない。スポーツ飲料をひどく不味くしたようなのが「モビレップ」なのだが、久しぶりに無理やりこの液体を喉に流し込んでいると、教師にきつく言われてあのまずい脱脂粉乳を泣きながら飲んでいた小学校の同級生の女子の顔が目に浮かんできた。しばらく飲み続け、急に効いてくる薬の作用でトイレに何度も駆け込むうち、昼前には腸には何も腸に残っていない状態になるが、それでも電車で1時間かかる病院に着くまでにまた便意が切迫したら恐怖である。やむなく泌尿器科の手術の際に買っておいた成人用のオムツを着用し、検査中ポリープが見つかり切除すれば一泊入院が必要になるため下着や洗面用具などを持って、昼過ぎにトボトボと病院に向かった。以前のように午前中から病院内に詰めていられればオムツも必要なかろうが、これもコロナ禍で止むをえない。


大腸内視鏡検査そのものは点滴の鎮静剤の効果もあって極めて簡単、痛くもなんともないが、終わってからは「小さなポリープが10個ありましたので切除しました」との説明があった。「ただみな小さいし問題なさそうなので今日は帰っても大丈夫です」と一泊入院を覚悟して来た身にはやや拍子抜けである。その日に帰宅出来たのは嬉しいものの、14年間で10個ものポリープをお腹の中で育ててきたのかと思うとちょっと複雑な気分ではある。腸内のポリープを切除したため暫くの間は禁酒と運動禁止となり、ちょうど良い肝休日、かつジョギングで疲労気味の関節や筋肉の休養と思ううち、一週間後に判明した組織検査の結果は問題なく晴れて無罪放免となった。医師からは「2年~3年のうちにまた内視鏡検診は受けて下さい」とのことであるが、年々厳しくなる検査前の食事制限や下剤のことを考えると、そう頻繁に受けたいとは思えないものである。お尻に穴があいた検査着などあまり着たくないし。

クリアスルー
20221217_20221217184601

« 嗚呼 いまだ終わらずコロナ狂騒曲! | トップページ | 年の瀬のふぐ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 嗚呼 いまだ終わらずコロナ狂騒曲! | トップページ | 年の瀬のふぐ »

フォト
2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ