TOKYO LEGACY HALF(東京レガシーハーフマラソン)2022 DNS記
「もう一つの東京マラソン始まる」と銘打たれた第1回のハーフマラソンTOKYO LEGACY HALF 2022が昨日開催され妻が完走した。大会は「2020(オリンピック)東京大会のレガシーの創造と継承に加え」「走る楽しさで未来を変えていく」(東京マラソン財団理事長あいさつ文)との趣旨で、東京都や陸連などが主催する今年から始まった車いすとランナーによるハーフマラソンである。国内外から一流招待選手のほかに14000名の市民ランナーが都心を走るということで、都内の道路各所には1か月くらい前から交通規制を知らせる掲示が出ており、このレースが初めて開催されることををすでに知っている都民も多かった。新しくなった国立競技場を発着地として都心を走るコースなので人気も上々のようだったが、参加費が一人2万円というのが気になるポイントであった。当選したらその時に考えようと妻と二人でレースに参加申し込みをしたところ、二人とも当選通知が来てしまい、高いなと思いながらも記念すべき第一回大会だしと合計4万円の参加費を支払って参加することにした。
とはいうものの、私自身はこの1ケ月ほど左のひざ痛に悩まされており、痛い場所をかばって走っていたら腰まで痛みが出る始末である。ようやくこの一週間ほど膝の痛みも和らいできたので、大会に出走しようか大いに迷うところであった。もう一つ心配なのが21キロを果たして完走できるかという点だ。4年前の膀胱がん手術のあとも毎日8キロから10キロのジョギングはしているものの、15キロ以上走る練習はまったくしていない。そのうえ2年前の前立腺がん手術以来、下着に装着するようになった尿漏れパッドの存在も不安である。日常生活や10キロ程度のジョギングなら市販で最少の10CC吸収というパッドで済むのだが、その2倍以上の距離と時間を走るとなるとこれで大丈夫であろうか。勢いで高い参加費を払ってしまったが、レースが迫るにつれて色々考え出すと気がかりなことが次々浮かび段々と憂鬱な気分になってきた。
どうしようかと迷いつつも大会前々日に行われたランナー登録とナンバーカードの受領に、受付会場である新装の霞ヶ丘・国立競技場に一応行ってみることにした。永年慣れ親しんだ国立競技場のスタンドやトラックはオリンピックですっかり近代的になり、新しい時代を感じさせてくれたが、最近のマラソン大会の手続きもかつてとは大違いである。以前は往復ハガキで申し込み、当選すれば通知のハガキを持ってレース当日会場に行き、ナンバーカードを貰うのがほとんどだったが、今やスマホで電子チケットを提示するばかりか、スマホに登録した顔写真との照合も受けないといけない。スマホを持っていない高齢ランナーはお呼びでないと言わんばかりのやり方である。例によって申し込みや情報登録などの手続き一切を妻に任せているお気楽ランナーの私は(妻が私分は私の)スマホに登録したこれらを提示するために、会場では妻の後ろにピタっとくっつき、「おい、どこを押せばその画面になるんだ?」と一々彼女に尋ねなければならないから面倒だ。レース当日もスタートする競技場の入場にスマホを見せる必要があるから、これが無ければスタート地点にたどりつけないのである。これではまるでスマホに使われている大会かと文句の一つも言いたくなり、益々走りたくなくなったが、若いランナーたちは何とも思わないのだろう。
いろいろと心配はあるものの、まあ取り合えず膝をかばってチンタラと走り始めて具合が悪くなったら無理せずリタイアして電車で帰ってくれば良いかと思ったら、私のスタート位置はかなり前の方のB組であった。ネットで申し込む際に、妻が「(私の)予想タイムは1時間30分にしとくからね」と家のパソコンの前で呟くのを「ウン、それにしといて」とナマ返事をしたような気もするが、考えてみればハーフマラソン1時間半は60歳の頃のタイムである。あれから10年、とても今の走力、それも「チンタラ走り」では、スタート直後からC組以下にゴボウ抜かされるに決まっており、B組ではずっとシンガリを走ることになりそうだ。これまで各地のマラソン大会で、AやらBなどスタート順が早い選手を追い抜く際には、実力以上の完走タイムを自己申告してこんな位置で走っているとは何ともみっともない、と心の中で馬鹿にしていたが、今度はそれが自分の姿になるかと思うと急に心が萎えてきた。この時ばかりは日ごろ妻の話を半分くらいしか聞いていないことを大いに反省したが、これもあとの祭。それやこれやで、当日朝にスタートしないことを決心し、久しぶりにDNS (DID NOT START)の気分を味わった。参加料2万円が『出場記念』のTシャツの引き換えだけになったのは何とも悔しいが、「一応の目標タイムを切れた!」と帰って来た妻はますます意気軒高である。
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コメント
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バルクキャリアー様
まずは奥様の「TOKYO LEGACY HALF 2022」の完走&目標タイムクリアおめでとうございます。
前立腺がん術後の体調が万全でない中でもご夫婦でチャレンジする姿勢に感服します。バルクキャリアー様はDNSとのことですが、「心意気・気持ち」で立派に完走しているではないですか。参加賞「TOKYO LEGACY」と刻まれた2万円のTシャツかっこいいですね、プライスレスだと思います。
この記事を読んで2020年11月の「飛鳥Ⅱ30周年オープニングクルーズ」の記事を思い出しました。
「寄港地の清水で廃線跡を15キロジョギングした」との記載が、運動不足が懸案事項だった当時の私には眩しく思えました。自分達より年配のご夫婦が夫唱婦随(おっとこの言葉はポリコレからすると差別用語か・笑)で運動している姿が後押しとなり夫婦でスポーツジムに入会し水泳を始めました。
それから2年、東京にいる時はもちろんのこと出張先(今週は那覇市、先週は上野原市)でも市民プールを探し最低1000mは泳ぎ健康を保っております。約10㎏の減量に繋がりビジネスにも大きくプラスに作用しました。このブログから「ラッキーの種」を貰ったと感謝しております。
あまたのブロガーさんがいらっしゃいますが、皆さん自分が良いと思うことを各々の視点で書いていらっしゃいます。
それが世の中の誰だか知らない人の心に響き潤いや勇気を与える、時には意外な展開で幸せの種となり花開いていることだってあるでしょう。読者はサイレントマジョリティーですからブロガーがそのことを知ることは少ないと存じます。そういった意味においても、バルクキャリアー様が発信し続けていらっしゃるのは「尊い行為」だと私は思うのです。
投稿: M・Y | 2022年10月19日 (水) 11時24分
M・Yさま
コメントありがとうございます。
マラソンに限らず最近は、”勢い”で申し込みをしてしまい、期日が近づくにつれ焦ったり不安になったりということが多くなりましたが、歳をとっても「何事もまず手をつけてみる、やろうとしてみることが大事」なのだと思っています。ただ今回2万円の参加料がパアになったことは残念ではありました。
思いつくままま、勝手なことを書いているこのブログが、M・Yさまご夫妻(この言葉も拙いか 笑)のエクササイズ開始の何らかの動機になって本当に嬉しいです。M・Yさまは変わらず各地を飛び回ってご活躍のご様子。水泳の場合にはジョギングより持ち物がコンパクトで便利ですね。ちょっとしたホテルだとフィットネスやプールが会員価格や特別価格で入れるのが良いです。私は現役時代に今治によく出張にいきましたが、その際には必ず今治国際ホテルのプールでひと泳ぎしてから商談や宴会に赴いておりました。
話は変わりますが、先日の六大学野球の慶應・明治戦は面白かったですね(ネットで観戦)。特に第2回戦は9回2アウトから慶應が3ランで追いつくと、その裏に明治が2アウトからサヨナラ安打で勝利。さすが「いつももつれる慶明戦(明治側は明慶戦?)」だとしびれました。ラグビー、駅伝と明治が強いのは羨ましい限りです。先週の予選会を見るにつけ、生きているうちに後輩が箱根を走る姿はみることができそうもないと思うようになりました。
投稿: バルクキャリアー | 2022年10月19日 (水) 12時44分