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2022年5月12日 (木)

JR竹芝水素シャトルバス

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”東京みなと丸”による「東京港を観て学ぶツアー」を竹芝小型船船着場で下船した後は、「JR竹芝水素シャトルバス」で東京駅まで戻ることとした。脱炭素社会に向けたJR東日本グループの取り組みの一環として、水素と酸素から作った電気(燃料電池)で動くバスを使い、東京駅丸の内南口とJR東日本が再開発した竹芝地区を結ぶシャトルサービスなのだそうだ。この運航は平日8便(週末祭日は11便)で、実証実験中とあって運賃は無料である。「脱炭素」やら"SDGS"などと聞くと、金儲けの新しい手段と思えて胡散臭く感じ、ふだんは敬遠気味の私だが、せっかく竹芝にいるのだからバスファンとして新しい技術も体験しておくかと乗車したものである。ダイヤを調べると、船を下りてから発車まで一時間ほどあったので、ブラブラと芝離宮を散歩して新型バスを待った。


乗り場であるウォーターズ竹芝(WATERS takashiba)の新ホテル「メズム東京」のエントランスにある停留所に定刻にやってきたのは、青色のボディに「FUEL CELL BUS」のロゴも眩しいトヨタの燃料電池バス「SORA」である。燃料電池バスは屋根上に置かれた高圧タンク内の水素と大気中の酸素を化学反応させて発電し、発生したエネルギーを蓄電してモーターで走るとのことで、ちょうど水の電気分解の逆の作用を利用するのだという。自動車は内燃機関で動くものと長いあいだ思い込んできた上に、学生時代は化学など大嫌いだった私には、水素と酸素でバスが動くという事実はどうにも信じ難いし、せっかくバスに乗ったのにディーゼルエンジンの音が聞こえないというのも寂しい気がする。しかし動き出すと機械的なモーター音こそ聞こえるも普通の市内バスのようなスムースさで、SORAは東京駅に向かって走りだした。

 

最近の市内型低床型バスは全高が3米のところ、SORAは全長10.5米で全高は3.35米とやや屋根が高いのは水素タンクのほかに化学反応装置も積まれているためである。トヨタによると最高速度は時速65キロで、系列の日野自動車と共同開発のドライバーの各種安全装置が装備されているそうだ。乗り心地はやや硬めと感じたが、竹芝のある浜松町から第一京浜を東京駅に向かうには車の流れにもよく乗り、60キロくらいまでの加速もトルクフルに感じる。電気で動くクルマというと、どうしてもゴルフ場のカートを思いだしてしまうが、「SORA」の動力性能なら都市内の交通機関として十分実用的である事を体験できた。ただ1000万円~2000万円と云われる在来車に比べてこのバスは価格が1億円もするそうだし、水素供給のインフラやそのコストを考慮して今後どこまで需要が伸びるのか。「脱炭素」と云う怪しげなビジネスではあるが、珍しいバスの出現は乗り物好きにとっては好奇心が掻き立てられて楽しいものだ。

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