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2020年11月22日 (日)

しなの鉄道・ろくもん

20201122ef63
軽井沢駅にて:展示されているかつての峠のシェルパEF63と「ろくもん」

大人の休日倶楽部が催行する【予約が取りにくい人気の観光列車を一度に楽しむ!信越の海・山・里の景色とこだわりの食を堪能『ろくもん』と『雪月花』 】と名づけられた団体旅行に参加した。旧信越本線の長野県側を引き継いだ「しなの鉄道」が運転する観光列車「ろくもん」と、旧信越本線と旧北陸本線の新潟県部分を引き継いだ「えちごトキめき鉄道」の「雪月花」を一挙に楽しもうという企画ツアーである。旅は初日に軽井沢から長野まで「ろくもん」に乗り長野で一泊、2日目は上越妙高から糸魚川まで「雪月花」に乗車し、両日とも豪華昼食を車内で楽しみつつ、山間部から海岸線まで沿線の情景を楽しむと云う趣向である。GO TOが利用できるというので、以前「TOHOKU EMOTION」や「肥薩おれんじ鉄道」でこの種の列車の楽しみにすっかり味をしめた妻のたっての希望で参加することにした。


東京駅の集合場所に現れたのは「大人の休日倶楽部」とあって50歳以上と見られるシニアが16名で、まずは添乗員に引き連れられ皆で北陸新幹線で「ろくもん」の出発駅・軽井沢に向かう。しなの鉄道・軽井沢駅に造られた旧国鉄軽井沢駅の貴賓室を模した部屋で休むことしばし、10時34分発、115系電車を改造した3両編成の電車「ろくもん」に乗車となった。「ろくもん」とは信濃ゆかりの戦国武将、真田幸村の家紋だそうだ。軽井沢から長野まで74キロ余りを2時間15分かけ、地元のレストラン「アトリエ・ド・フロマージュ」のフレンチを味わいつつ、「美食・自然・文化を満喫する」(パンフレット)。指定されたシートに座り乗車料金に含まれるドリンクを注文すると、いきなり地ビールの缶が一人2本も出てくる豪華版ランチだ。最近は昼にアルコールを飲むことを極力さけているが、こんな日は午前中から堂々グビグビ呑めて嬉しい。


昼食なのでそうボリュームはないものの、長野に向かいながら、地元の鱒やサーモン、チョウザメほかプレミアム牛など素材の味を活かした料理が次々と出される。かつて新幹線開業前、特急「あさま」や急行「妙高」が1時間ちょっとで駆け抜けた区間を2時間以上費やして走るとあって、沿線の見どころでは徐行運転しながら詳しい案内放送、主要駅のホームで地元特産品のワゴンセール、随所でお約束の地元の送迎と嫌が上にも旅心が掻き立てられる。そうこうするうちに最初の缶ビール2本づつではおさまらず、地元産ボトルワイン(2500円)を頼んで2人で1本開けてしまった。昼からほろ酔い、まことに良き鉄道の旅である。と言いつつも酔眼をこじ開け沿線の情景を眺めると、旧信越本線は浅間山や白根山系の西麓を巻き、江戸時代の善行寺往還を辿りながら千曲川の河岸段丘に沿って施設された事が良くわかる。ゆっくりの旅は、新幹線の車窓からでは気が付かない地史がわかって面白いなどと思っているうちに終点・長野へ到着した。


この種のイベント列車は時間に余裕がある上に鉄道関係者がフレンドリーで、普段聞けないような鉄オタ質問が気軽にできるのも思わぬ利点である。軽井沢で先行電車の車輪空転により「ろくもん」の入線が遅れたが「山岳線用115系の2M 1T(2両モーター車1両付随車)で砂箱を装備しても結構空転するのですか?」と尋ねると「この落ち葉の季節、信濃追分などの上り勾配で雨の降り始めには車輪は空転しまくり、下り勾配ではそりの様に滑走してしまいます」。戸倉駅で「この中継信号機は出発信号が遠いから設置しているのですか」との問いに「お詳しいですね。信越本線時代は旅客も貨物も編成が長かったから出発信号機はあんなに先なのです」と駅の人が応じてくれる。JR貨物のタキ(タンク車)やEH200が入線して来るのは「けっこうな使用料をJR貨物から頂いています」とのことで、気になった鉄道好奇心がその場で確かめられる。景色も食もテツもあっという間の「ろくもん」の旅だったが、敢えて一点無理とわかって注文をすれば、碓井線の粘着運転ももうないのだから、115系のDT21Bコイルばね台車は、ふんわか料理を楽しめるように空気ばね付き台車に換装できればなお良いと思った。

地元産の食材を使ったフレンチ
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「ろくもん」車内
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コメント

バルクキャリアーさま

早速の「ろくもん」の記事UP興味深く拝読しました。充実した鉄旅ぶりが十二分に伝わってきてこちらまで幸せな気分になります。それにしても、「空輪について」とか「中継信号機の設置位置」等々鉄道関係者への質問が、鉄オタを通りこして専門的というか鉄道に対する「造詣の深さ」に感服致します。質問された方も「相当出来るな」とさぞかし驚いたことでしょう(笑) 次の「雪月花」の記事も楽しみにしています。

さて本日のラグビー対抗戦、明治は帝京に逆転勝ちしました、前回慶應に目を覚ましてもらったおかげでしょう。是非とも明日は慶應に早稲田を倒して欲しいです、伝統校が実力伯仲すると実に面白いです。今宵は博多で旨酒を飲むとします。

M・Yさま

ラグビーの帝京戦勝利おめでとうございます。

明日の早慶ラグビーですが、だいたい慶應が強い年でも相性が悪いのでどうなることやら。

鉄道は先人の知恵と、どんな路線でも大変な歴史がその背景にあってできています。実際に乗ってみることで歴史を堀り起こせるきっかけになるのが乗り鉄のだいご味でもありますね。

博多でうまい酒を楽しんで下さい。

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