皇居・北の丸公園
皇居周回コースは今や都心で走る人のメッカのような場所となり、多くのランナーが昼夜問わず走っている。信号もなく安全で走りやすのだが、週に何度も走っているとさすがに飽きてくるものだ。そんな時にはすぐお隣にある皇居・北の丸公園でジョギングをすることが多い。公園と云えば都心には日比谷公園や皇居東御苑などもあるが、日比谷公園が和洋折衷の庭園、東御苑は名所・旧跡となっているのに対し、北の丸公園は都心の緑の森の公園だといえよう。皇居北の丸はもともと江戸城の火災除け用地だった場所で、江戸中期より徳川家の御三卿家である田安・清水両家の領地になっていたそうだ。明治以降は近衛師団の兵営地で立ち入りができなかったが、戦後は森林公園として整備され、東京オリンピックに際してその一画には日本武道館が建てられている。昭和44年からは環境省が管理する公園として、常時一般に開放されている場所である。
この皇居北の丸は周囲の長さは約1.6キロほどのこじんまりした場所なのだが、園内に造られた遊歩道を辿れば、一周1.3キロほどの起伏に富んだ周回コースをつくることができる。ただしここでは環境省北の丸公園利用案内に「個人・団体を問わず、公園内の歩道・遊歩道、車道等においてランニング(ジョギングを含む)される場合、タイム計測やインターバル・ダッシュ等に代表されるような、いわゆる『スプリント・ラン』については、例え全力疾走でなくとも絶対に行わないでください。また、大会等への参加を見越したマラソンの練習についても、その疾走スピードは『他の来園者・利用者にとっては脅威』なので絶対に行わないでください。」とあるように、他の通行人の迷惑になるような、あるいは集団で走るような行為はご法度である。あくまでゆったりと公園の情景の一部となるように走ることが求められるのである。
という事で私はタイムを計測したり目標をもって走る際には隣の皇居周回コースを、ゆっくりと気分よくジョギングしたい日には北の丸公園を利用することにしている。緑多き園内は中央に池が配置され、その周囲は山道あり渓谷あり竹林もあり、さらには湿性植物園などもあって景色に飽きることがない。森の中には旧近衛連隊の碑もあり、コンパクトな敷地の中に上手に公園が造られている事がわかる。春は桜の花、今の季節なら木漏れ日を、秋になれば紅葉を楽しみながら園内を巡ると、走る辛さも忘れ、いつまでもこの道が続いて欲しいと云う気持ちにさえなってくる。ここは最寄の地下鉄竹橋駅や九段下駅からやや離れているため、普段は訪れる者も少なく、地元の人や近隣の勤め人が訪れる程度である。本当はなるべく秘密の場所にしておきたいような静かな公園なのだが、都会のど真ん中で緑豊か、鳥の声を聞きながらゆっくり走ったりそぞろ歩くには最適の場所なのである。
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