ナッソーの客船天国
バハマは米国フロリダ半島にほど近く、首都ナッソーは毎日のようにカリブ海クルーズの客船が寄港して賑ぎわっている。2011年に飛鳥Ⅱで来た時も当時新造船だった”ディズニードリーム”をはじめ、カーニバルクルーズ社など多くの船が入港しており、これらの美しい客船を見ているだけで、カリブに来たなあ、と飽きなかったものだ。今回も我々が入港した日には13万トンの”ディズニー・ドリーム”(ディズニークルーズ社)、8万トン級のエンチャントメント・オブ・ザ・シーズ(ロイヤルカリビアン社)、同じく8万トンのノルウエイジャン・スター(ノルウエイジャン・クルーズライン社)の3隻が同時に港に着いていた。
ナッソーの町自体は小さく散策するのにさして時間はかからないから、今年も間近に入港している各社のクルーズ船をゆっくり観察することにした。各船の舷門まで歩いて行き、どんな人達が乗っているのかゆっくりと見て廻るのも面白いものだ。まず飛鳥Ⅱのすぐ近くに着岸した”ディズニー・ドリーム”に行くと、ガヤガヤと下船してきた乗客たちからは、いかにも楽しそうな雰囲気が漂ってくる。ほとんどが子供連れの家族で、なかには祖父母に孫もいる3世代乗客も見られる。大半が米語を話す白人ばかりのようで、ここにいると何やら1960年代に放送されたアメリカのフアミリードラマの中にいるような気分になる。
その手前の桟橋にはエンチャントメント・オブ・シーズが停泊している。みると船から下りて連絡バスに並ぶ列は、外人特有の脂肪の塊のような太った人やタトゥーをしている乗客がディズニーより多いのが一目でわかる。黒人も多数見られるが、白人と見える人達でもスペイン語で会話してしているものもかなりいて、ディズニーとは雰囲気がかなり異なっている。最後に一番遠い桟橋についた”ノルウエージャン・スター”はかつて”プライド・オブ・アロハ”としてハワイ周遊航路に就航していた憧れの船である。同船の舷門で見ていると、ディズニー船とロイヤルカリビアン船の中間の様な印象であった。
こうして同じ”スタンダード・クラス”に分類される大型のカリブ海クルーズ船なのに、対象とする客層や旅程、その他料金の多少の違いで各船の雰囲気がかなり違う事に改めて興味を覚える。それにしてもこうして異なる様々な船が、それぞれのサービスを展開している欧米市場に比べて、日本船のクルーズ事業は同じようなカテゴリーの船ばかりで寂しいものだ。外国のクルーズ船会社が日本を含めたアジア市場に大型船を配船するようになっても邦船三社は新造船の計画も発表せず、この先どう事業を展開して行くのだろうか。カリブに来るたびにいつも日本船のクルーズの将来が心配になってくる。
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