アンティグア観光
十字架の丘
グアテマラはかつて栄えたマヤ文明の中心地であった。スペインが統治したあと19世紀初頭にメキシコに併合されたものの、他の中米の国々と同じようにメキシコの内紛によって独立した。マヤ文明の中心地だけあってインディオの比率が高く、住民は純朴で我々と目が合うと「オラ!」とにっこりと笑って挨拶してくれる。飛鳥Ⅱはそのグアテマラのプエルト・ケッツアルに6月11日に入港した。プエルト・ケッツアルは首都グアテマラシティの外港とは云え周囲にこれと言った観光地もなく、治安もあまり良くない。なので我々は船から出る有料の連絡バスで約100キロ離れた古都アンティグアに行って観光することにした。
アンティグアはスペイン植民地時代の首都で高度約1000米余の高原にある。プエルケッツアルからマイクロバスで2時間弱だが、折りしも入港前に噴火したフエゴ火山によって最寄の高速道路が通行止めとなり、バスは途中からローカルの山道を抜けてアンティグアに向かう。日本製のバスはシートベルトもない古いクルマで、がたごとの道を飛び跳ねながら走ると「田舎のバスはオンボログルマ♪」と昔の歌を思い出す乗り心地である。片側一車線の山道は渋滞続きだったが、民家の軒先をかすめてノロノロ進んでいると、グアテマラの人達の生活が垣間見えゆっくりの旅も楽しいものである。
アンティグアの町は、3キロ四方ほどのこじんまりとした町で、石畳の道を歩いて観光できる。ガイドからは「十字架の丘は歩いて登る山道に強盗が出て危ない」と聞かされたが観光の要所には警官が配置されており危険はまったく感じなかった。20年前に当地にいた義弟によると、当時も強盗に注意と云われていたそうで、多分その頃の事件がいまだに上書きされず語り継がれているのだろう。総じて飛鳥Ⅱから出るツアーは安全第一に傾き過ぎるばかり、自分達で歩いて回るには充分な情報が行き渡らない時もある。それにしてもかつて義弟からグアテマラの話を聞いても、ひどく遠い国に感じていたものだ。それが飛鳥Ⅱに乗るとこうして簡単に来る事ができる。有名観光地だけでなく、思わぬ場所へ連れて行ってくれるのもクルーズの楽しみだと今さらながら思うのである。
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