カルタヘナの要塞で考える
カルタヘナのサン・フェリペ要塞 中南米で奪った富を守るために16世紀から造られた
コロンビアのカルタヘナはかつてスペインの大西洋における奴隷貿易の中心地であった。カルタヘナの町はスペインが中南米の植民地で奪った金銀やエメラルドの集積地であり、ここに集まった財宝がスペイン本土へ積み出されたのだという。これら集まった膨大な富を狙う海賊には、英国などの列強が裏で操つる傭兵が多数いたとの事である。まさに盗人が泥棒を襲うかのような国家ぐるみの血なまぐさい略奪行為がこの辺りで繰り広げられていたわけである。
ここまで飛鳥Ⅱで欧州や新大陸の各地をざっとながら巡ってくると、彼ら西欧人の歴史は対立と戦争の連続であったという思いに至る。あちこちで常に血で血を争ういくさが繰り広げられてきたのだ。その要因は地続きの地勢をベースにした民族の移動、モスリム対キリストの宗教戦争、さらに英国対スペインなど列強の覇権争いと様々なものがあったろう。いたる所にある要塞や戦いの跡を訪れると、異なる存在が平和裡に共存することより、征服や支配をすると云う遺伝子が彼らの根底にあると思える。
翻ってわが国は明治時代まで豊臣秀吉の朝鮮出兵など極く一部の例外を除いて他国へ兵を出したことはない。列強が血で血を争った近世には徳川幕府の天下統一がなり、統一国家のもとに文化の発展や資本の蓄積が行われたのである。ケント・ギルバート氏などが述べているように、マッカーサーの進駐軍は戦争中に体験した日本軍の強さを恐れ、日本人は野蛮で伝統的に好戦的な民族だと決めつけて徹底的な愚民政策を施した。その影響はいまだ根強く残ったままだが、日本人が他国を侵略したり他の民族を支配するDNAは持っていない事を海外に出る度に強く感じる。安全保障上の法案が審議されるたびに「軍靴の音が聞こえる」「息子が戦場に行かされる」「徴兵制になる」等のキャンペーンはいい加減に止めて欲しいものだ。
« ナッソーの客船天国 | トップページ | 飛鳥Ⅱ代替船 »
「船・船旅」カテゴリの記事
- 飛鳥Ⅱ A-styleクルーズ~春彩~ 乗船 (クルーズは人と人を繋ぐ) (2025.03.24)
- 船内環境からテスト投稿(2025.03.22)
- 商船三井クルーズ (MITSUI OCEN CRUISES) が ”SEABOURN SOJ0URN” 購入 (2025.03.18)
- 飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ懇親会(2025.03.11)
- 飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ エンターテイメント ガイド(2025.03.04)
ワールドクルーズを経験すると、日本っていいなぁ。日本の国旗っていいなぁ。。
と何度も思いました
あと、少しで帰国ですね。
アデン湾、オランダの運河、寄港地での食事の楽しみなど、特に印象にのこりました。 お元気で。
投稿: | 2018年6月21日 (木) 14時03分
コメントありがとうございました。
ネット環境の不便な船上から家に帰ってあらためてコメント拝見しました。
ロングクルーズなら今の乗客構成からして、飛鳥Ⅱの環境で良いのでしょうが、これからは大幅な改善が必要だと感じました。
投稿: バルクキャリアー | 2018年7月 7日 (土) 09時50分