年に一度の一斉健康診断
気の小さい我が身にとっては、年に一度の一大イベントである会社の一斉定期健康診断が終了した。何度もブログにした通り、数年前までこの恒例イベントに向け、酒の量を減らしたり油濃いものを控えるなどして調整に励んだものだが、最近はそれも面倒になって「あるがまま」で受診しようと、直前の宴会でも誘われるままに杯を重ね、検査の前日もいつも通りフツーに酒を呑んできた。検診後しばらくして結果が来たが、予定通りと云うべきかやはり幾つかのリマークがついており、例によって会社の医務室に呼び出される事になった。「いちいち呼ぶな、健康などは個人の問題だから、半強制的に出頭せよというのは人権蹂躙だ」と内心ではむっとするも、それを声を出して言ったり、あるいは断固呼び出し拒否を貫くほど私は強くない。よって、今年もしぶしぶと会社嘱託の医師の診察を受ける事になった。
今回、普通に飲み食いした結果、基準値を超えたのは、いつもの血圧の他に中性脂肪と尿酸値である。しかし、そもそもこの基準値というのが、どうやって設定されるのか良くわからない。ネットで調べると、血圧に限らず検診の各種基準値は「20歳くらいから60歳」くらいの「健康」な人のうち、上と下各2.5%をとった中間の95%の人の数値を云うらしい。しかし血圧に関して云えば、健康診断の結果、50歳代では過半数が高血圧と判定されているそうだから、「高血圧だが健康」な人も母数に含まれているのだろうし、逆に20歳台の健診受診者が多ければ平均値はぐっと下がるであろう。そもそも健診に来た人のデータしかないはずだから、受診しない多くの人の数値はまったく反映されていないし、60歳以上の記録も入ってないから、簡単に云えば「若く元気(そう)で健診に来る人」から導かれた基準をベースに、老若男女を問わず上下限が決められ、皆がそれに合わせるべく国民的な大運動と医療費の浪費が為されていると云えよう。
これほど高血圧だらけの不健康な国が、なぜ世界有数の長寿国となるのかも疑問だが、医療関係者から云えば国民的健康診断を行い(こんな一斉健診をしているのは日本だけらしい)、厳しい基準を設定しているからこそ長寿国になるのだと反論も聞こえそうで、どちらが卵かニワトリなのか議論が尽きないところだ。私自身に関して云えば、直ちに大きな病院に行って検査を受けて下さいなどという重篤な結果がなくて今回もまずは一安心だったが、老化をもっと加味した柔軟な基準値が設定されるとか、酒飲みのための測定法が開発されたらとも思う。「毎年のように医務室に呼び出される」と夕食を食べながらブツブツ呟いていたら、傍らで妻が「学校の成績でもないのにあなたは結果に一喜一憂し過ぎ!」「ここ一年ほとんど休肝日を作っていなかったのだから、来週からまた禁酒日を作ればいいじゃない」と正論を述べるので、反論もできず、「たしかに・・・」と唸ったままその日はますます晩酌の杯を煽るのであった。
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