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2016年8月24日 (水)

NHK FM ジュークボックス

初めてFM放送と云うものの存在を知ったのは、昭和40年代初めの頃、ちょっとませガキだった中学校の友達からだった。その当時始まったAM各局の深夜放送について「私はパック・イン・ミュージック派よ」とか「オレはオールナイトニッポンだ!」などと学校の休み時間によく好みを較べたものだが、そこに「本当に音楽が好きならFM放送を聞かなきゃ」と年が離れた兄をもつその友人が割り込んできたのだった。彼の話を聞きFMとはどんなものなのか、試しに我が家にあったステレオ・プレーヤーに付いていたFMチューナーのフィーダーアンテナを窓際に展張して、初めてステレオ放送なるものを聴いてみた。それにしてもあの頃のステレオ・プレーヤーは家具の様な木調で、応接間なんかにデンと構えて偉そうだった事が懐かしい。


クリスマスや誕生日に貰うお祝いやお年玉などをためて、自分の机で聞けるFMラジオを買ったのはそれから1年くらいだったろうか。雑音の混じる従来のAM放送に較べると音がきれいで歪がなく、なにより右と左の音源から違う音が奏でられるFMステレオ放送に私はたちまち魅了されてしまった。当時はNHKはたしかNHK・FM実験放送局と云い、唯一もう一局あった民放がFM東海・東海大学FM実験放送局であった。FM東海の方は夕方の6時半から9時頃まで東海大学の通信教育高校(望星高校)講座が流されていて、FM放送と云うのはこんなゴールデンタイムに通信教育を放送するのかととても驚いた。その優れた電波特性を活かしてNHKFMはもとより、FM東海も当時はクラシックの音楽番組が数多く放送されており、そのラジオから流れる美しい音楽にどれほど耳を傾けた事であろうか。


さて現在、民放FM各局から流れる番組といえばおしゃべりが中心で、ほとんどAM放送と変わらない内容ゆえ聴く事もすっかり減ってしまった。しかしこれから仕事を離れ家で過ごす時間が増えるにつれ、ラジオを聴く機会も増えるから、昔のような質の高いFM音楽番組をまた放送してくれないものか。串田孫一さんの詩朗読でビバルディが流れたFM東海の「音楽の絵本」のような上質の番組が再び民放FMラジオから流れる日を期待したい。そういえば当時、学校や部活のない平日の午後3時過ぎには、毎日チューニングを合わせたNHKの「FMジュークボックス」の番組テーマ曲、ビリーボーン楽団の「ラブ」を最近Youtubeで発見した。もともとドイツのベルトケンプフェルトが作った曲だが、こちらの楽団の方がテンポや歯切れが良くて私は好きである。これを聴いていると学生時代の様々な場面が蘇って、なんとも懐かしい気分になるのである。

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