飛鳥Ⅱ 南極・南米ワールドクルーズ2015-2016写真集
この週末に”飛鳥Ⅱ 南極・南米クルーズ2015-2016”の写真集とDVDのセットが届いた。セットの値段はちょっとはるものの、100日のクルーズとなると我が一生にはそうないイベントだから、記念に2011年と同様に購入しようと船内で予約しておいたものだ。さっそく届いた写真を開き、夜はDVDを回して見ると、船内で知った多くの顔と懐かしい光景が次々と登場し、あんな事があった、こんな事もあったと記憶が蘇ってくる。こうし見ると僅か半年前の事でも随分と過去に起きた様に思える場面もあれば、つい最近だったようなものもあって、人間の記憶とは面白いものだと改めて思う。
もともと妻は子供の頃過ごしたブラジルに、一緒に行きたいと予ねてから漏らしていたが、実は私自身は乗船前はあまり乗り気でなかった南極・南米行きクルーズだった。大枚はたいて乗る長期クルーズなら、やはり欧州や北米方面に興味があり、わざわざ寒い南極に行ったり、治安上、安心して町をジョギングできない南米など行く気がしなかった。しかし帰ってしばらくすると、天国の様なタヒチの島々、イースター島のモアイ像、イグアスの滝やパタゴニア氷河の圧倒的な迫力、真の白銀世界だった南極など、クルーズで行った先がすべて素晴らしい思い出となって残っているから不思議なものだ。
さて例によって今回も写真集の末尾にある船長の航海日誌をじっくりと読むと、クルーズ中にはわからなかったクルーの苦労の一端が偲ばれて興味深い。だが本当は航海中の毎日正午に行われる定時放送で、気象・海象のもっと詳しい状況を知りたかったし、航路やスケジュールの変更はより包み隠さず乗客に知らせて欲しかったと乗船中から思っていた。なので1月20日にプンタ・アレナス(チリ)からウシュアイア(アルゼンチン)に向かう際になぜ航路を変更したのか、3月6日ホノルルの米国コーストガードによる出港差止めの理由は何なのか、などを今回届いたこの航海日誌で読めると思っていたが、その詳細が書かれていないのはちょっと残念だ。私の知っている英国人の船長や機長は、航路状況について判りやすい英語で細大漏らさず乗客に説明するのに対し、飛鳥Ⅱの船長はやや知らしむべからずなのであろうか。
そうは云うものの届いた写真集やDVDを見ているうちに、やはり良き思い出は自らが積極的に参加して作りだすものだとの思いが湧いてくる。なかには「???」と思われる変わった人もいたが、船で知り合った友人と云えば、長さ200米余り、幅30米の狭い空間で100日間の生活を共にした言わば「共同体」でもある。写真集を見ているうちに、あの人はどうしただろうか、住所の交換をしたから連絡をとってみようかなどとあらためて思いを馳せた週末だった。そう云えばカメラマンの目によく留まったのか、この写真集にはデッキパーティにおける我が”決死”のステテコ・腹巻の植木等スタイルが出てくるのがちょっと嬉しかった。
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