交通ルールを守るチリの犬
飛鳥Ⅱは1月14日チリのバルパライソに到着した。チリに来たのは日本企業も資本参加したアンデス山脈の銅鉱山開所式に来て以来で、あれから早くも15年になる。考えてみればこの15年は中国人の爆買いで世界中の資源やエネルギー源が高騰し、そしてまた彼らの経済成長急減速で産油国や資源を輸出する国が苦境に陥いった期間であった。この歳月におけるわが仕事の変化や自分の来し方を思いおこし、思わず「時代は廻る」などと云う言葉が我が脳裏に浮かんでくる中、本船は首都サンチアゴの外港であるバルパライソに入港した。
街並みが世界遺産に登録されているバルパライソだが、そのカラフルさも主に粗末なトタン板でできた家々の外壁にスプレーで塗りたくられたカラーが作り出すもので、地震国チリでこんな建築物が密集していて大丈夫かとの思いが頭をかすめる。ごみや空き瓶が町のそこここに散らばっているが、日本で「世界遺産」に登録されるとなると地域ををあげて美化運動、保護運動などが展開されるのとは大違いのようだ。世界遺産を認めるユネスコの政治性や偏りが指摘される今、ここを見るとその選定基準の胡散臭さや杜撰さをどうしても考えてしまう。
バルパライソの港を出ると、町には鎖をつけずウロウロとしている犬が多いのに気がついた。野犬というよりシェパードやラプラドールレトリバーなどの立派な犬も多く、彼らは町を我が物顔に闊歩している。概して毛並みこそ汚れているものの、こそこそ餌をあさると云うより自分が町の主であるが如く実に堂々としているし、人の往来の頻繁な歩道のど真中で何の警戒心も見せずぐっすりと寝ていたりする。
驚いたのは彼らが多数のクルマが通る道路を横断する時は、数十米おきにある交通信号を守る事である。どうやら歩行者が信号待ちしている時は、彼らも人間を見習って横断歩道の手前で止まり、人が歩き出すのを見て道を渡る習性が着いているらしい。チリの犬は「交通のルール」を犬から犬へ伝えるすべを持っているのかと見まごうばかりの行動であった。後で地元の人に聞いたら、ここでは犬をリードでつないだり庭に囲っておく習慣がなく、飼い犬は朝になると町に出て夜また家に帰ってくるそうだ。ところ変われば文化も変わるが、「信号を守る犬}はこの南米の旅で最初のカルチャーショックであった。
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