丸の内・新宿スカイライン
東京を歩くと、以前に比べ町がきれいになったと感じる。ゴミやたばこのポイ捨てが減ったり電柱の地下化が徐々に進んだ上、古い町が再開発され、あちらこちらの風景が見違える様になっているのだ。失われた日本経済の20年などと云われていたが、東京の街に関して云えば、この間も確実に進化を続けてきたという事を肌で感じる。この週末も皇居にジョギングに行くと、秋空の下に丸の内オフィス街の景色が美しく、思わず足を止め写真を撮ってしまった。
かつて丸の内のオフィス街は100尺規制によって、一律9階建てで高さが揃っており、その景観はそれで美しかったものである。「皇居内を見下ろせない様に」あの高さにしているとの説もあったが、実は地震対策でビルの高さが100フィートまでと規制されていた為だそうだ。しかし東京駅前にある東京海上ビルが1986年に完成した頃から新しいビルが次々と建てられ、今では丸の内の景観もすっかり高層化している。ただし日比谷通りに面する新しいビルは、皇居の方から見た面を9階建てとし、高層階はその後ろに造られていて、昔のスカイラインを残しているのが心憎い。丸の内でこの余裕のビル群を見るたびに、日本の豊かさがこれらのビルに凝集されている様に感じる。

しかし丸の内や大手町の新高層ビル群は、なぜか長方形の同じ様なビルばかりなのがいささか残念である。容積率とか耐震構造など様々な要件はあろうが、ビルの形があまりにも画一的すぎて面白味がない。アメリカの町に行くと、高層ビルがそれぞれ設計者や持ち主の個性を演出している様で華やかでユニーク、その存在感を際立たせているのと対照的である。その点、東京でも都心に比べると新宿のビル群が、それぞれ違うデザインで個性を発揮している様に感じて面白い。特に代々木のNTTドコモタワーは、マンハッタンのクライスラービルを連想させる特徴的な建物だと見るたびに思うのである。こうして丸の内と新宿の違いなどに思いを馳せながら、東京の街が個性を活かしながら発展して欲しいものだと願いつつ皇居をジョギングしていた。
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