陸と海と空 その2 京急編
旅の序章は京浜急行。京急蒲田駅が昨年10月に高架になり、列車が空港線へ乗り入れする方法が変ってから初めて通る事になる。かつて現役だった頃は出張で月に何回もここを通っていたのに、「そうかそんなに飛行機に乗っていなかったのか」と嘱託社員の我が身を顧みてふと寂しくなる。一方で新しい蒲田駅を通るとなると、その運用や配線がどう変ったのかと、好奇心もちょっとくすぐられるものだ。折りしも乗ったのは地下鉄浅草線から来た快特・羽田空港行き。以前は日中に運転されていなかった空港行き快特が頻繁にやって来て、空港線の糀谷・大鳥居・穴守稲荷・天空橋のローカル駅を通過するので便利なダイヤになった。これも蒲田駅改良の成果だろう。余談ながら空港線の他の3駅が下町らしい風情ある駅名なのに、天空橋とはなんと薄ぺらい名前をつけたものかといつも思う。
問題の蒲田駅は、かつて一時期は単線の空港線が本線の下り線から分岐していた上に品川方面のみに接続されていたから、横浜方面からの空港直通列車は一度蒲田駅上りホームで停車した後に少し品川方面に走って向きを変え、ポイントを亘って下り本線から空港線に乗り入れていた事もあった。また空港から品川方面に向かう上り直通列車は蒲田を出発後、下り本線に設けられたポイントを亘って上り本線に向かうので、その間は蒲田に接近するすべての下り本線列車が信号待ちとなり、ラッシュ時にここを通ると事故もなく運転されるアクロバティックなダイヤに感心したものだ。さらに蒲田駅に平行する国道15号線を空港線が横切るため、ここはお正月の箱根駅伝の時は選手の通過と踏み切りの遮断が重ならないか注目の場所だった事もあって京急蒲田駅の工事は急がれたのだった。
さて初めて通った新しい京急蒲田駅は高架線3階が下り線専用ホーム、2階が上り線専用ホームになって、品川方面から空港へ向かう列車、又は空港から品川に向かう列車はそれぞれダイレクトに直通する様に改良された。一方で横浜方面から来た空港直通列車は、駅手前のポイントを亘って2階空港側ホームへ入った後にスイッチバックして空港線に向かう様だ。また空港から横浜方面への直行列車は3階ホームでスイッチバックして横浜に向かうのだろう。新しい蒲田駅は随分便利となったものだが、どうやらまだややトリッキー面も残っていて、それもこれもここががY字型の配線になっているためだが、こればっかりは完全な市街地になっているなかで、根本的な線路の付け替えは無理なのであろう。しかし空港線の列車本数からすればこの程度の運用は京急にとってはお茶の子歳々であろうし、駅伝の難所も解消された事になったのである。
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