あたり前田のクラッカー
なぜか義理の母が私に前田製菓のクラッカーをくれた。そのビニール製の小さな袋に ”あたり前田のクラッカー”と印刷されているのを見て、藤田まことや懐かしい日曜日の夕方のテレビ番組を思い出した。前田製菓は、かつて日曜夕方に放送されていた人気番組「てなもんや三度笠」のスポンサーで、「おれがこんなに強いのも当たり前田のクラッカー」と主役の藤田まことが連呼するのがいつの間にかすっかり定着し、「あたり前」と言えば「クラッカー」となったものである。その「てなもんや三度笠」といえば、藤田まことと白木みのるの他に随分いろいろな芸人が出演していて、財津一郎の「非常にキビシー!」とか「やってチョウダイ」などギャグがテンコ盛りだった。
当時、時々出演していた島倉千代子が阪神の藤本選手と結婚したばかりで、藤田まことが「結婚したら最近は藤本さんもあきまへんな~」などとちょっかい気味のアドリブを入れると、島倉が本気で恥ずかしがるのもウけたし、ルーキー新一が自分の胸を衣装の上からつまみながら、「イヤーン、イヤーン」と女性のまねをするお下劣ギャグも一世を風靡したものだ。我々悪ガキ共はさっそくルーキー新一を真似て、学校に行っては女の子の前で「イヤーン、イヤーン」とやって毎回ひどく顰蹙をかったのだが、このビニール袋を見ただけで60年代のテレビ番組のシーンが蘇るのだから、”あたり前田のクラッカー”と云うフレーズもそれほど強烈なインパクトがあるといえよう。
そんな具合であの頃の日曜日は「てなもんや三度笠」を6時から見て、6時半からは「シャボン玉ホリデー」を見るのが皆のお約束。日曜日は近所で真っ黒になって遊び、夕方になると誰かの家に上がり込んでは、「てなもんや」に続き、「シャボン玉ホリデー」定番の「お呼びでない?、お呼びでない、こらまった失礼しましった!」と植木等のセリフが出てくるのを皆で待ったのだった。シャボン玉のエンディングで”スターダスト”の音楽と共にハナ肇とピーナッツの掛け合いが始まる頃になると、だいたいどこの家にいても「おばさんの家は良いけど、お家が心配するからそろそろお帰りなさい」とやんわりと帰宅を促されたものだが、お母さん達は子供達を帰すのにさぞ苦労したのだろう。それにしてもあの頃は良く遊んだとクラッカーの袋を見て当時が懐かしい。
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うーん、あのクラッカーだけでこんなに書けてしまうとは。
少なくとも文の書き出だしは「なぜか」ではないですよね(笑)。
投稿: のすけ | 2012年8月19日 (日) 15時07分
のすけさん、
お疲れさま。ブログのネタ探しは結構大変な時があって、そんな時はウンウンうなるのです。その上起承転結をなんとかつけなければならないので、「なぜか」と云う冒頭で始める事もあるのでありました。
ところでスポンサーサイトにならないように、夏休ブログ更新期待してますね。
投稿: バルクキャリアー | 2012年8月19日 (日) 22時54分