明治神宮プール
夏になると神宮プールを思い出す。千駄ヶ谷駅から程近く、総武・中央線の車窓からよく見えたプールの正式名称は「明治神宮水泳場」、昭和5年にオープンし水泳日本を代表する古橋・橋爪らも活躍した由緒正しい屋外プールで、私もかつて関東大学の水球リーグ戦などを観戦したことがある。夏場で大会のない日は一般に開放されていたから、子供の頃からよく泳ぎに行ったが、神宮プールが良いのは競泳用なので水深が深く、アベックが水中でいちゃついていたり、子供が水遊びなどをしていないため、ゆったりと泳げる事であった。
夏場は夜も8時頃まではオープンしていたので、会社員になっても夏は仕事を終えてよく行ったが、すぐ近くの千駄ヶ谷駅前に東京体育館の屋内プールがあるので、夜の神宮プールは都心の穴場の様に閑散としていた。数えるほどの人しかいない夜の競泳用プールはちょっと寂しいほどで、他人のつくる波も少なく外苑の杜をバックに新宿の高層ビルを遠くに眺めながら、光線に照らされた広々としたプールをゆっくり50米方向に泳ぐと、「隠れた都会のオアシス」という言葉が浮かんできたのだった。
そんな具合だったから夏場プール営業の採算は苦しかった様で、残念ながら平成14年に神宮プールは閉鎖されてしまい、跡地は現在フットサルのコートになっているそうである。夏と云うので公営のアスレチック系のプールに行くと、セパレートされたコースで本格的にガンガン泳ぐ人に煽られてゆったり泳いでいられないし、さりとて都心のホテルのプールは混雑している上に、この季節は入るだけで法外な値段で誠にあほらしい。しかたなく大汗をかきながらジョギングをしていると、大きな神宮プールのちょっと冷たい水を思い出して、そんな穴場プールがどこかになかったかな、などと考える夏の日である。
2021年8月追記:NHK BSで1966年に制作されたウルトラQシリーズを再放送している。その一作「2020年の挑戦」に在りし日の神宮プールの一コマがあったので貼り付けておく。この撮影当時はメインプールの横は飛び込み用プールだったが、後年ここは子供たちのプールになったと記憶する。右側後方に見えるスタンドの下が50米プールだった。
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僕本人が人生初めて「神宮プール」に来場したのは、1993・6・12にでした。そいつにしても料金は大人1.800円だった事に驚きましたが、若者さえ集われとてもの施設だと思いました。思えば、隣にアイドルのコンサートには欠かせなかった「日本青年館」だってありました。
投稿: 岡本ひろげん | 2021年2月 8日 (月) 23時27分
岡本ひろげん様
コメントをありがとうございます。
そう、たしかプールの料金は高かったですね。しかしブログにあるように夜はゆったりと50米泳げたのはとても良かったです。日本青年館と云えば、まだ運転免許取り立て50年前の少年時代、交通違反でつかまりここで一日講習を受けて免罪になった事もありました。今はここもすっかり建て替わりましたね。
今でも神宮球場には学生野球を見にいきます。国立競技場が建て替わっても神宮外苑の雰囲気は良いものですね。
お気軽に当ブログへのコメントお寄せください。
投稿: バルクキャリアー(ブログ主) | 2021年2月 9日 (火) 01時17分