日本百傑
週末は陸上競技の関東学生選手権(関東インカレ)のネットでの速報に一喜一憂していた。日本人として100米で初の9秒台に最も近いと言われる山縣亮太君を中心に、母校は関東インカレではチームとして総合入賞を期すはずだったが、ゴールデンウイークの陸上グランプリシリーズに出ずっぱりの彼が、足に違和感を感じなんとインカレ初日で棄権。エースの不在で浮き足だったか、他の入賞候補の選手も伸びず、最終日を前に2部落ちの危険さえある始末である。幸い最近の強化策が実って投擲や中距離でも加点して、なんとか1部にとどまったが土日は結構ドキドキしてパソコンから流れる情報を見ていた。
こんなに家でハラハラしているなら、無精しないで国立競技場まで応援に行けば良かったとも感じるが、OBが集まる応援席に行っても白髪の大先輩たちにジロっとにらまれると、いつまでたってもなんとなく居心地が悪いものである。だいたい人間と云うものは年下の名前などは忘れがちの上、私の様な元へぼ選手は彼らの記憶に残っているはずもなく、大OBに挨拶をしても「きみ、誰?」などとほとんど無視されるのが落ちである。なにしろ早稲田で箱根駅伝を走ったという映画監督の篠田正浩氏でさえ、競走部の先輩達がいまだに怖いというから、運動部の上下関係は社会の地位などに関係なく一生続くものなのかもしれない。
それはさておき、陸上といえば勝敗も大事だが記録がつきもので、関東インカレで活躍するような選手たちは、だいたい高校50傑や日本100傑の上位に名を連ねている様な子供たちである。そういえば最近つらつら眺めていた市民マラソンやジョガー向け雑誌に、昨年一年間フルマラソンを完走した15万人ランナーの一歳刻み、年齢別ランキングが表示されている特集があった。もちろん高校50傑などという本物に比べると、あまりに市民ランナーの数が多いので、個々の名前などは載らず5分毎に人数を一くくりにした大雑把な記録集になるのだが、それでも自分の記録が全国でどの位に位置するのか一目で判る様になっている。
さっそく興味を覚えて、今年の東京マラソンの我が記録が、全国でどのくらいになるのかと一覧表に当てはめると、年齢別ではどうやら全国100番くらいには入る事を発見して、何だかとてもうれしくなってきた。かつて高校・大学とあれだけ毎日練習しても日本100傑などには程遠かった私でも、途切れずにジョギングを続けていると、いつの日か年齢別では日本で100番以内に入れる様になったという訳で、走るのは若者だけの特権ではないのだ、とパソコンのインカレの記録をハラハラ見ながら一人でニンマリとしていたのだった。継続は力なり、か。
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