ワールドクルーズの食事
旅といえば最大の楽しみは何と云っても食事である。航海中、午後になるとメインのフォーシーズンズダイニング入り口にその夜のメニューが掲示されるので、夜の献立をにらみつつ、おやつを食べる量を調整したりしたのだった。さてこのワールドクルーズ中100日余のディナーのうち、約60回が和食で約20回が洋食というラインナップだったが、和食中心であるのもワールドクルーズの乗客年齢上こんなものかと感じる。ただ和食は先附け・向附・蒸し物・焼き物・煮物と続くいわゆる宴会料理で、味も高齢者に配慮してか、我々にとってはかなり薄めである( 揚げ物は出たり出なかったり )。もっと若い乗客の中には「 だしがいつも同じ味で薄味なので食べた気がしない 」と云う批判もあったが、味にこだわらない私でも、もう少ししっかりとした味付けをして欲しかったと言うのが感想である。
当初は一皿に盛られる量も極めて少なかったので、途中で提出した中間アンケートにその旨書いたところ、さっそくEXTRA PORTION REQUEST CARDを作成してもらったのは5月31日にアップしたとおり。それによって刺身が3切れのところに我々のテーブルだけは5切れ、焼き物が海老2尾のところが3尾と、お腹は満足したものの、いかんせん、最後までうす味は変わりなかった。この宴会料理という料理、たまに食べると美味しいものだが、毎日毎日続くとうんざりしてくるのは、忘年会シーズンや国内出張などで経験するところ。クルーズの後半は結構多くの乗客がダイニングに行かずに、リド・グリルでハンバーガーや焼きそば、ラーメンなど味の濃いジャンクフードの夕食を摂っていたのである。
シェフも一生懸命に工夫を凝らしているのだろうが、長期航海の際は、和食も宴会料理だけでなく、ハンバーグや玉子焼き、メンチカツやら野菜炒め、鳥の唐揚げなどのごく普通の家庭料理をディナーで出せないのだろうかと思った。火気の問題があるかもしれないが、すき焼きなども和食として出したらどうなのだろうと思ったのは、私たちだけではないはずである。また長期クルーズの場合は、夜にリド・グリルを開けて朝・昼のブフェ献立の一部でも供せば、こんな不満も出なくなるだろうにとちょっと残念であった。それにつけてもやや食傷気味の宴会料理を前にすると、家族に飽きさせない様に毎日毎日、限られた予算で献立を考える主婦は偉いものだと妙な事に思いを馳せたのであった。
« 乗客の織り成す雰囲気 | トップページ | 飛鳥Ⅱの重さと安定 »
「船・船旅」カテゴリの記事
- 飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ第46日 ポルトのジョギング(2025.05.17)
- 飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ第43日 サクラダファミリアとリーブヘル クレーン (2025.05.14)
- 飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ第39日 テネリフェ・トラム(2025.05.10)
- 飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ第33日 キリンがいるぞ(2025.05.05)
- 飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ第32日 飛鳥Ⅲとの邂逅(2025.05.02)
コメント