現存最古クルーズ船
夫婦揃って買い物にはあまり興味がないので、上陸して立ち寄るところは、雑貨屋やスーパーなど町の人達が日常行く店が多い。そこで生鮮食品の値段を比較したり、どんな魚が売られているか、はたまた日本にはない野菜などを見て回るのはなかなか面白いものがある。ついでに船内で飲むためにローカルのビールや安ワインを町のスーパーなどで買ってくるのだが、船内の飲み代で稼ぐ外国のカジュアルクルーズ客船と違って、アルコールは舷門で下船まで預けさせられたりしないのが、飛鳥の高級船たるゆえんである。
その他、クルーズ中に町のコンビニなどで良く買うのがクルマやクルーズに関する地元の雑誌。日本に輸入されている外車が現地ではどの位で売られているのかを比較してみると、輸入車がいかに日本で高く売られているのか、それが儲けなのか、日本仕様にする為のコストなのか、税金の類なのか、とにかく日本の消費者は高いものを押し付けられている事に驚く。フネの雑誌について見ると、イギリスはさすが海運国だけあって、スーパーなどの雑誌売り場に海運関係の本、それもクルーズにとどまらず貨物船やらフェリーの事を記した趣味誌が多い。海運関係の雑誌を買って、船内でゆっくり読むのも、ゆったりしたクルーズの楽しみの一つである。
という訳で、今回もドーバーで2冊ほど海運雑誌を買い、つらつらと暇にまかせてそれらの記事を読んでみたのだが、そのうちの"SHIPS MONTHLY"6月号がなかなか面白い。クルーズの記事に混じって軍艦やフェリー、コンテナ船に歴史上の船、タグボートや米国五大湖の貨物船など様々な船がいろいろな切り口で書かれていて、読んでいて飽きないのである。その中で「おやっ!」と思ったのがクルーズ船にかんする「SOLAS条約の余波」(The Aftermath of SOLAS)という特集で、この中には先ごろガイランゲルフィヨルドで飛鳥Ⅱと一緒に湾内を航行した"ATHENA"(16144トン)が大きな写真つきで出ている。
要約すると海上安全に関する国際条約(SOLAS)が要求する船舶の安全基準が2010年に改定期限を迎えた事によって、かつての多くの名船が基準に満たなくなりこの1~2年で引退したと云う事である(その中にはピース・ボートで日本人にも馴染みの深いトパーズなどが含まれている)。その結果、現存するクルーズ船で最も古い船が、そのATHENA(1948年建造、現在はCLASSIC INTERNATIONAL社所有)になったそうで、その現役最古のATHENAの美しい航行姿を、風光明媚なフィヨルドでじっくり見る事ができたわけだ。SHIPSは日本で云えば”ラ・メール”と”丸”とクルーズ関係の雑誌をミックスした様な感じだろうか、さすが海運の伝統国イギリスの雑誌だけあって内容多彩、年間購読料は66ポンドだそうで、帰国したら定期購読してみようかと考えている。
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