アマデア
アムステルダムの客船ターミナルで、飛鳥Ⅱの前に停泊したドイツのフェニックスライゼン社アマデアに乗り換えた。これは旧飛鳥一世であるアマデアに乗り、飛鳥Ⅱでは大き過ぎて通行できないキール運河を2泊でクルーズするという、今航海の目玉企画の一つなのである。我々は旧飛鳥には乗船した事はないが、折角のキール運河通行のチャンスとあって、他にはあまり申し込んでいないオプショナルツアーではあるがこれは外せぬと乗船したのである。そのアマデアではあるが、旧飛鳥に乗船した人達は「すっかり中が変わったね」との声が多いものの、大変きれいな室内で船体も手入れが良く、飛鳥Ⅱよりきれいなのではないか、と思うほどである。
ドイツのフネに乗るとあって、旨いビールをしこたま飲んでやろうと、飛鳥Ⅱの前夜は禁酒をしてアマデアに乗船した我々は、運河を通行開始する昼過ぎからドイツの生ビールをジョッキでグイグイとピッチを上げる。飛鳥から200人、そのほか区間乗船のツアー客も加え総勢300人弱の日本人客にチャーターされたアマデアは、小鳥がさえずる北ドイツの田園地帯をゆっくりと進んで行くが、酔眼朦朧とした頭で、現地の若者の催し物であるローカルダンスを後部デッキで見ていると、この一瞬が永遠に続いて欲しいという気持ちも湧き起こってくる程だ。
飛鳥Ⅱのワールドクルーズも中盤にさしかかり、船内生活にもややマンネリを感じてきた頃である。飛鳥Ⅱでは顔を知っていても、実際に話をした事がない乗客とアマデアではお近づきになれたり、また新たな人と知り合ったりと、ちょっとした息抜きにちょうど良い2泊のショートクルーズであった。それにしても妻は学生時代に第二外国語で覚えたドイツ語を断片的に思い出し、先ほどから何かと言うと「ヤー、ヤー」と連発して、ドイツ人クルーのウケをとっているが、昨夜の50年代ロックンロールショーも良かったし、ネット接続が早くて(飛鳥Ⅱより)安いと言う点など、外国船の良さもしばし味わえるアマデアの船上である。
« 久しぶりの満腹 | トップページ | ダグラス・ワード氏のサイン »
「船・船旅」カテゴリの記事
- 飛鳥Ⅱ A-styleクルーズ~春彩~ 乗船 (クルーズは人と人を繋ぐ) (2025.03.24)
- 船内環境からテスト投稿(2025.03.22)
- 商船三井クルーズ (MITSUI OCEN CRUISES) が ”SEABOURN SOJ0URN” 購入 (2025.03.18)
- 飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ懇親会(2025.03.11)
- 飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ エンターテイメント ガイド(2025.03.04)
キール運河の旅、ありがたく拝見いたしました。
キール運河の存在価値ですが、遠回りをしても、2日もあれば回れるのに、何故建設されたのか不思議です。
軍事的な意味合いもあったのでしょうか?
今となっては、むしろ陸上交通への阻害要因の方が多くて、高さ制限したり、幅員を狭めて橋の建設を容易にした方が良いように思いますが、ご意見などいただければ幸です。
投稿: | 2012年6月12日 (火) 10時39分
こんにちわ、当ブログを訪問いただきありがとうございます。
さて飛鳥Ⅱが通れず初代飛鳥であった”アマデア”がキール運河を通過できたのは、運河の橋の下をクリアする高さの問題だったそうです。キール運河を通行してみると交差する橋は道路が(多分)7箇所、鉄道が4箇所で、周囲はほとんど田園地帯のため橋の取り付け部分の橋脚も長くとれ、それほど陸上交通の障害になるという感じはしませんでした。
運河が建設された19世紀末はデンマークとドイツは敵対国、キール軍港のあるバルト海とブレマーハーベンやハンブルグのある北海が運河建設で250マイルも短縮される上、デンマークの影響も受けず荒天に見舞われるスカラゲック海峡を通過しないで、北海や大西洋に出られるルートが出来るとなるとドイツも運河の建設に熱心だった事でしょう。
投稿: バルクキャリアー | 2012年6月12日 (火) 22時21分
ご丁寧にお話いただき有難うございました。
これからも楽しく読ませていただきます。
投稿: | 2012年6月13日 (水) 15時47分