町おこし
初めて尾道を訪ねたのは80年代の半ばであった。造船所に出張で行ったのだが、当時は町は寂しく、繁華街の人通りも少なかった記憶がある。しかしこの町は、そのもてる観光資源を活かして町興しを次々と成し遂げ、ここ数年ですっかりきれいになった。町を訪れる観光客も年間600万人以上にのぼり広島県では広島市に次ぎ第2位だそうだ。この数字は平成18年の県の調査だが、最近はもっと増えている事は間違いない。
造船所の斜陽に加えて、しまなみ街道の開通で尾道港から出ていた四国連絡の高速船もなくなり、普通なら過疎化が進むこの町の健闘ぶりは見事である。そういえばご当地出身の映画監督である大林宣彦の尾道を舞台にした映画で、町が脚光を浴び始めたのが80年代中ごろであった。そうしているうち、魚でスープを取った尾道ラーメンは90年代にメジャーになった。町のすぐ裏に控える千光寺山には、志賀直哉の旧家があり、林芙美子の歌碑が立ち、訪れる度に散歩道が整備されている事に気がつく。この前までは造船所の構内を使った「男たちのYAMATO」の大和艦上の大きなセットが駅前から見えていたし、今はNHKの朝の連ドラ「てっぱん」で尾道が舞台になっている通りである。
尾道に出張すると、時間を作って必ず千光寺山に登る事にしている。標高144米の小高い千光寺山は、駅前から小一時間もあれば往復可能でちょうど良い散歩道である。登る時間が朝だと、目の前の尾道水道を行き交う小フェリーから通勤通学客の息吹が伝わってくる様だし、夕方に登ると遠く瀬戸内海の島々の向こうに夕陽がかかって何とも云えぬ風情がある。かつては瀬戸内の潮待ち風待ち港として賑わった尾道が、往年の繁栄を取り戻しつつあるのを見ると、市役所や商工会議所の努力や町の人々の創意工夫が地方活性化にいかに大切かを感じる。
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