寄付始め
母校の運動部から寄付の要請がくる。1月1日以降向こう10年に亘り、通常のOB会費や諸寄付の他、特別強化資金の寄付を毎年頼むと云う。監督やコーチが手弁当でやっていた我々の時代と違い、今やどのスポーツも「見せるスポーツ」となり「学校の宣伝の場」となってしまっている。特にテレビの全国中継などがある箱根駅伝は、レースで終始画面に学校の名前が出るだけで、入学志願者が何万人と増えるそうで、一人三万円の入試料としても大学としては億単位の増収になる。費用対効果の面で、それはそれは各学校関係者も運動部の育成に力が入ると云うものだろう。
仕事の知人で、ある宗教系学校法人の理事長をしている人と懇意にしているが、これまでまったく運動など話題にも上らなかったその大学が、数年前から箱根駅伝出場の為に陸上部強化に乗り出したそうである。学校上げての大応援、億単位の予算割当て、学生の諸義務免除などの話をしばしば聞いて、なんとも羨ましい限りだとも思うのだが、さてそんな風にして卒業した学校の後輩が、仮に同じ業界に就職して来ても、その学校の先輩は同窓として親しみを持って後輩と付き合っていけるのかな、などと言う気もする。
そんな風潮の各大学に何とか対抗する為に、我が後輩達も寮の運営やコーチの報酬・有望新人の勧誘などの諸活動に相当の金が必要なそうだが、なにせ母校は体育会には伝統的に冷たい学校で、あの江川が受験したいと言ったのをあっさり袖にした伝統もある。学校ぐるみと言うよりは、入学者の努力はもとより、金銭面では先輩や周辺からの寄付に頼る部分が大きい様である。しかしながら体育学部やスポーツ推薦がない中、我が部は何とか関東インカレの第一部で踏ん張っており、他の各部も相応の成績を残しているのは立派というべきと秘かに誇りに思っているし、自分達も大先輩、諸先輩の物心両面での世話になった万分の一でも恩返しはしたいものである。
なので新年になって、早速銀行に振込みに行ったのだが、今日は予想以上にATMの前で長蛇の列、それでも期待を込めて寄付金を振り込んだ仕事始めの日であった。特別強化資金を払いんでいる10年間の中に、久々の箱根復活、オリンピックの代表選手の輩出という初夢を期待しつつ。
ただ振込みなど事務的なものでなく、昔我々がした様に、制服を着用して職場まで現役学生が集金に来てくれたら、倍額出してついでに昼飯もおごってやるのに、といつも寄付金の際に少し残念に思うのだ。
« へそ曲がりの未来は? | トップページ | 希望再興へのビジョン »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 読売新聞夕刊・インティマシーコーディネーターの流儀 (2025.09.25)
- シニアの秋(2025.09.16)
- ビールはミニグラス、ワインには氷(2025.03.06)
- 八千穂寿司のおいなりさん(2025.02.27)
- 神田川・環状七号線地下調節池(2025.02.24)

コメント