飛鳥Ⅱ 2025年世界一周クルーズ第48日 ビルバオ再訪/クルーズも中盤
今回もビスカヤ橋までジョギング
クルーズ48日目の5月17日、飛鳥Ⅱはスペイン・バスク地方の中心地であるビルバオに到着した。ここは2018年にも飛鳥Ⅱで来た港である。今回も7年前と同じく、午前中は世界遺産のビスカヤ橋まで往復7.5キロのジョギング、午後は10数キロ離れたビルバオの中心部までシャトルバスを利用して往復し街の散策をした。快晴の土曜日朝で、ビスカヤ橋まで海岸べりの歩道は、多くの地元ジョガーが、かなりのスピードで走っている。午後に訪れたビルバオの市街地では、週末の昼下がりとあって、男も女も老若問わずレストランやバル前の歩道に置かれたテーブルでビールやワインを飲みつつ談笑していた。中にはタバコをくゆらす人やアルコール飲料を手に大声で盛り上がるグループも多く、人生を楽しんでいる様子が目の前に広がっている。アルコールは控え目、タバコは健康に悪いので吸わないのがすべて”善”の我が国だが、スペインやポルトガルの人々の屈託ない吞みっぷりや吸いっぷりを見ると、日本人も今やエコノミックアニマルでなし、エピキュリアン的な生き方をした方が幸せなのではと思えてくる。
ここまで毎日練習してきたダンス教室も、入港中は開かれないため、ヨーロッパ海域に入ってからは途切れ途切れになった。ということでこのところは断続的になっているが、経験者クラスの教室では、スペインに因んでパソドブレを練習している。パソドブレは10ある社交ダンスの種目のなかでも、ヴィニーズワルツと共に日本人にはあまり馴染みがない種目である。私も船の上で習うのは初めての経験だ。男性を闘牛士に、女性をケープに見立てた踊りで、「オーレ!」とばかり腕を振り上げたり、その場で回転したりと他の種目にない独特な動きが特徴のダンスである。経験者クラスには、ヨーロッパまで10名以上の男性が顔を見せてきたが、さすがにパソドブレとなると、これにチャレンジする勇気ある男性の参加者は5~6名になってしまった。経験者クラスには出て来るのにパソドブレとなると不参加なのは、自分もそうだったように今さら新しい事にチャレンジしたくないと思う保守的な考えなのか、これまでダンス会場で颯爽と踊ってきたので、この種目では初心者の躓きを人に見せたくない「ええ恰好しい」なのか? 変わった種目でも女性の人数はそれほど減らないのに、やはり男は慣れぬことに弱いことが歴然のようで面白い。
意を決して参加した今回の世界一周クルーズも早くも半分が過ぎてしまった。「今日、いま、ここにいることを楽しもう」と思ってここまで過ごしてきたが、なんと時間の過ぎるのが早い事か。デッキのジョギング、一日2回のダンス教室、たまに夜のダンス会場へ出没、元女子ツアープロによるゴルフレッスン、カラオケタイムなどの他に、マリナーズクラブのグランドピアノを借りてのピアノ練習などと思ったままに予定をこなしていると一日がたちまち過ぎ去ってしまう。その上、この航海では、これまでの仕事の経験を生かして『 クルーズ船から見る船のあれこれ』と名づけた「有志同好会」を開いてみた。信号旗や航海燈の意味、船のトン数や速力の定義、洋上で行き交う貨物船の種類などを、他の乗船者と共有しようと思ったのだが、予想以上に好評のようで、期待を上回る参加者に来て頂き第2回目を開こうと考えている。リモートで船上でこなしている本業の仕事もあり、家にいるよりもここでは中味の濃い日常が過ぎている感がする。毎日美味いものを食べ、アルコールはフリードリンクのクルーズ生活だが、忙しいためなのか体重は乗船してから2キロほど減った今日である。
防波堤から大勢の見送りを受けてビルバオ出港
最近のコメント