ピアノのお稽古
消費税アップの前にと今年3月に電子ピアノを買い、夏場から暇な時にポロポロとピアノの練習を再開した。55年ぶりのブルグミューラーである。「まず30分でも練習するか」とピアノに向かうもあまりの初心者ぶり、すべて忘れているのに愕然となり、やっきになって繰り返し練習する週末が続く。子供の頃は親に言われてイヤイヤやらされていたピアノで、当時は何が楽しみだったかといえば先生の家でレッスンの後にいただくカルピスと、その家の子供で私より数歳年上のやさしいお兄ちゃん達と遊ぶ事だったが、こうして独学で練習を再開してみると上手く引けない自分が何とももどかしい。(半世紀ぶりのピアノ練習2014年3月25日)
年をとると時間の経つのが早く感じると云う通り、「まず30分!」のつもりがふと気がつくと1時間となり、日によっては夕食後にまた練習するか、となるからピアノ嫌いの人間も変れば変るものである。毎回フォルテやらピアノ、クレシェンドなどの強弱は無視してまず右手で数回、左手で数回音を追って弾くところから練習を始めるが、五線譜から上下に離れている音符はいつも押しまちがうので、”レ”だとか”ソ”だとか鉛筆で書き込む。そんな事はしてはいけないと昔はよく怒られた事も、ここは独学の強みとあって自己流で良いのである。なんとか片手づつ弾ける様になると両手でトライ、そして次にスラーや強弱など装飾符に気をつけて弾いてみる。
いよいよ最後にペダルを踏む練習を加えると急に足に注意がいってしまい、せっかく上手く弾ける様になった手までがばらばらになるから、手と足で独自にリズムを刻めるドラムの奏者は凄いものだとの思いが浮かぶ。それでも練習を続けていると、前はうまく弾けなかった箇所がスムースに通過できたりして、人間は歳をとっても学習すれば前進できる事が実感できて嬉しい。これまで走るなどスポーツに関係した趣味ばかりで、年齢と共にいかに劣化を防ぐかという事に腐心する身としては、遅々としていても進歩するものがあると云う事実を発見しボケ防止の楽しみが増えたと云えよう。こうなれば若い女の先生に週一度でも習ったら見栄っ張りの私ははもっと一生懸命に練習するのではないか、などとあらぬ妄想を抱きつつ、週末はピアノに向かって練習しているのである
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