カテゴリー「経済・政治・国際」の記事

2019年6月12日 (水)

老後2000万円不足問題

今の年金制度では老後の資金が2000万円不足するとする金融庁の審議会ワーキンググループの報告が問題になっている。しかしこれの何が問題なのかさっぱりわからない。老後の期間の平均的支出と年金支給額を比較し積算するなど誰にでもできる計算で、これまでも銀行や保険会社が投資を薦める際に同じような試算を出していた。現在の年金制度の下で手持ち資金ゼロで不動産や金利収入などがない場合、90歳~100歳まで相当な暮らしができるなどと国民の誰一人として思っていないから、そのような金融機関の勧誘が成り立つのである。もっとも人間は80歳を過ぎれば、そう美味しいものを食べたり、あちこち出歩いたりできなくなるから、老人の支出などは住んでいる場所やそれぞれ個人によって相当開きがあるはずだ。「年金100年あんしん」などと云うのはお題目だけだから、ワーキンググループの試算を国会で堂々と俎上にあげて内容を大いに議論したらよいのに、またアホなメディアや野党の反対でせっかくの報告書も葬られるらしい。

さて日本には自宅に現金を置いておく「タンス預金」が高齢者所帯を中心に何十兆円もあると云われている。それを狙うのが「オレオレ詐欺」で、彼らはうまいところに目をつけるものだと感心する。それはさておき、こうして自宅に死蔵されている現金を少しでも市場にまわし、資金が必要な場所や機関、開発途上国などに循環させ経済を刺激させるのが政治ではないだろうか。タンス預金にせよ老後資金にせよ、預金金利ゼロのいま、老齢所帯の預貯金が目減りをしないようにするにはどういう方策が望まれるのか、その議論の一助に金融庁の報告書が役立つと思えるのに残念である。今回もただ政府の足をひっぱり、大事な問題を政争の具にしたい野党は論外だが、これを引っ込める麻生大臣もだらしない。彼の人を喰ったような発言にいつも拍手を送っているのだから、この問題もお得意の「ポーカーフェース」で突っぱねれば良いのにと残念である。

この様に重要な問題を「安倍憎し」や選挙対策のためだけに、まともに議論しない国会を見るに忍びない。重要な案件では、反日韓国に対してもっと現実的な対抗策を直ちに実施したら良いと私は思うが、野党は対韓国の論議になるとまったく及び腰のようだ。安全保障についても、日本の置かれた地政学上の位置について、与野党間で議論を戦わしてほしいところである。はたまた消費税にしても、いま話題を集めているMMT(現代貨幣理論)では、自国通貨建ての国債なら国が破綻(デフォルト)することはないから、デフレが脱却するまで、政府は消費増税を凍結し、同時に国債で政府支出を拡大していくことが必要だ、とされるがこの種の議論も国会から聞こえてこない。MMT理論では何が問題なのか、その脆弱性はどこにあるのか、こういう問題こそ大いに国民の目の前で議論してほしい。

2019年6月 1日 (土)

安倍首相の功績

先週末はトランプ大統領の訪日で都内の警戒も厳重だった。都心を運転していると思わぬところに警察の検問があり、車線が塞がれ渋滞するなど影響があったが、まずはトランプさんが無事ご機嫌で帰ったのはご同慶の至りである。グローバリズムに背を向け「アメリカ・ファースト」を謳い、中国に本気で貿易戦争をしかけるトランプは、予想外に後年歴史に名を残した「名大統領」と賞賛されるかもしれない。例によって何でも安倍首相のやることにいちゃもんをつける野党や、反日メディア、いわゆる「アベノセイダーズ」たちは、今回も重箱のスミをつつくようなケチをつけるが、日本が安全保障で頼るのは何といって日米同盟だから、アメリカのポチといわれようとご機嫌をとっていれば宜しい。それが嫌なら日本も核装備し大国の道を目指すしかない。


安倍首相がトランプ大統領に信頼されていると私が感じたのは、6月に予定するイラン訪問である。百田尚樹氏の小説「海賊と呼ばれた男」でも描かれたが、元来イランは親日国であるものの、米国とイランが対立するなか、安倍首相がトランプ大統領のお墨付きを貰ってイランを訪問することは大いに注目される。紛争中の中東の国に日本の首相が乗り出して行くなどということがこれまでにあったであろうか。ひょっとすると安倍首相はトランプ氏とゴルフ中に、米・イ間のなんらか「取り持ち」の類いを頼まれたのかもしれない。「世界を俯瞰する外交」を実践する安倍首相に、アメリカが寄せる信頼が一段と高まったかの想像をするのである。また滞在中にトランプ大統領は、日米の宇宙分野での共同開発を劇的に拡大、「火星に一緒に行く」とも発言している。中国に見切りをつけ日本をアジアでのパートナーと見据えた重要な発言ととらえられる。


もっとも「8月」に何か大きな結果が出るというトランプ氏のツイッターで、日米貿易構造に関して何が起きるのか恐れているのがいまの日本だ。この点では2018年度の対米貿易収支は6兆円の日本側の黒字で、アメリカの新鋭戦闘機F35を100機以上買うと6兆円だそうだからは、これはこれでウィン-ウィンのディールなのだろう。また「人質」である在日米軍にはもっと予算上の措置を増やしても良いとも思う。大東亜戦争に突入する前と同じように中国、朝鮮半島、ロシアと潜在的な敵対国に囲まれた我が国の地勢学上の立ち位置である。海の彼方の同盟国に頼らざるをえないのだから、新鋭武器を大量購入するなど安全保障に金を投じるのは、日米両国にとってははなはだ理にかなった対応だと考える。

2019年2月19日 (火)

安倍首相、トランプ大統領に大いに推薦状を

毀誉褒貶あいなかばするトランプ大統領であるが、ノーベル平和賞を受けるに相応しい人物だと安倍首相が推薦状を送ったことが取り沙汰されている。例によって「安倍のすることはなんでも気に食わない」派の人たちはネガティブな反応を示しているようだが、私はこのニュースが本当だとすれば時宜にかなった行動だと拍手を送りたい。


ここ数年来我が国を取り巻く環境は厳しくなる一方だ。まず中国である。中国が地域の覇権だけでなく世界ルールの新たな支配者になろうとしている事に対し、初めて真正面から異を唱え、米中貿易戦争を仕掛けることができたのはトランプ氏が政権を率いているからだろう。まことに結構な事である。日本としても、中国との貿易額が大きくとも、反日を国是とする共産党の一党独裁体制の下、自由が制限される監視社会で、民族の弾圧が繰り返されるこの国と親しくなるのは無理な事である。こんな国に表立って敵対する事を始めたトランプ大統領は、やはりノーベル賞ものだと云えよう。


一方でこれまた反日国家の韓国がある。文政権の下、このまま行けば遅からず核を保有したままの北と、経済力を持った南が統一される事が予想される。休戦状態にある朝鮮半島の南北が一つになれば在韓米軍が撤退する可能性は大、その後は中国があらゆる面で半島に勢力を伸ばすことであろう。そうなれば我が国は、日本海や東シナ海を挟んで中国と中華圏内の朝鮮という反日を国是とする二つの国家と向きあわねばならない。東西冷戦に代わって西側勢力と中華勢力がぶつかる新しい壁が、日本と大陸の間に造られることになる。


潜在的な中華華夷思想に基づき、日本人とはまったく違うメンタリティーを持つ二つの国と日本が対峙すれば、いま以上に地域の軋轢が強まり混乱が生じる事を我々は覚悟せねばなるまい。一方で北方のロシアはと見れば、日本はこれまで裏切られ続けたという苦い歴史を持ち、到底信頼できる相手とはみなせない。こういう情勢のなか、韓国軍艦の自衛隊機へのレーダー照射があったように、何かの折に周辺各国と我が国の間で軍事的摩擦が起きる事が容易に予想される。日本は核を持つ三つの大国に囲まれるという大変な状況になる可能性が高いのである。


但し我が国に米軍が展開していれば、日本への攻撃はただちに米軍への攻撃と見なされるから、いかなる大国と云えどもそう簡単に戦火を交えようとしないであろう。米軍に人質としていて貰わなければ日本の防衛が成り立たないのが現実で、それが嫌なら日本が自ら強大な軍事力、なかんずく核を持って対抗するしかない。「なんでも話し合いで解決」などというお花畑的発想が、外交で役にたたないのは最近の韓国の敵対的態度を見れば明らかである。日本の軍備の大幅な拡大、特に核の保有が反対ならば米軍に居てもらうしかないではないか。推薦状などカネのかかることでなし、海外に展開する米軍の縮小を企図するトランプ大統領をノーベル賞級だと推薦し、貸しを作っておくことはまことに日本の国益にかなった事なのである。

2018年8月 1日 (水)

シンガポール「『豊かな小国』の躍進モデル」を読んで

20180801
シンガポール・セントーサ

今回の2018年飛鳥Ⅱワールドクルーズの最初の寄港地は4月2日シンガポールであった。当日、飛鳥Ⅱはセントーサ島に渡るロープウエイの真下にあるクルーズターミナルに着いたが、その直後に米・朝会談がここセントーサのホテルで行われる事を知るよしもなく、我々はコンクリートで造成されたこの島を見物して回ったのだ。会社の現役時代はシンガポールには毎月の様に出張で来ていたし、妻も若い頃に長期出張で3カ月ほど滞在しているからここは我々には馴染みの国である。


米・朝会談で話題になった躍進するシンガポールから我々日本人が何を学ぶか、経済学者である猪木武徳・大阪大学名誉教授の読売新聞7月29日(日)付けコラム「地球を読む」がとても興味深かった。人口560万人のこの特異な都市国家は、今や一人当たりのGDPはアジアのトップで経済成長も年6%をマークしている。低成長にあえぐ我が国とは大きな違いだ。ここに来るたびに街が再開発され景色が変わるのに驚かされるが、かの有名なマリーナ・ベイ・サンズは完成から数十年後に取り壊す事を前提として、その期間もてば充分と韓国のゼネコンに安く作らせた、という噂さえ流布されている。


この様に日本とはまったく違う体制のシンガポールだが、猪木氏は出稼ぎ労働者の低賃金に支えられて国の経済が繁栄している事が問題だと指摘する。低所得の外国人に頼る 「 国家の統合性が不安定 」 な体制では、経済的価値以外に何を求めるのかについて国民的なコンセンサスを得るのが難しい。今は中国やシンガポールの様に一党独裁かつ自由が大きく制限された体制の国が、短・中期には経済成長しているのも事実である。しかし所得格差が是正されないまま富の不平等が進めば、いずれ独裁的な政治と市場経済は両立しなくなるであろうし、その徹底した実利追及主義では、長期的には国民の潜在的な力を引きだせなくなる可能性が大である事を猪木氏は指摘している。


さて猪木氏が関心を寄せるシンガポールは、はたしてこの先どうなるであろうか。かつて良く会ったシンガポール企業のトップは、この国では誰が何をしているかすぐ分かってしまうから、息を抜く時にはタイに遊びに行くと言っていた。我が国の企業から派遣された日本人も、便利だが季節感のないシンガポールにはあまり永く住みたくないという人が多い。経済が躍進する事が国家の第一目標だとしても、実利と競争一辺倒で、国民に根付いた慣習や社会構造が浅く、上質な文化の醸成が希薄、すなわち重層的な価値の蓄積が感じられない国が国民を幸福にする事ができるのだろうか。実験都市国家シンガポールの行く末は興味深いと、クルーズでの思い出や猪木氏のコラムを読みつつ考えた。

2017年10月26日 (木)

堂々と憲法改正せよ、安倍首相

予想どおり自民党の圧勝で終わった総選挙だった。企業の景気は上向きで失業率も改善、株価もアップしているのに、どうしても安倍首相をやめさせたい勢力は、格差が拡大する一方だとか、戦争ができる国に突き進んでいるなどと、まるで愚にもつかないへ理屈のキャンペーンを張ったが、国民はそれほどバカではなかったという事だ。ましてやモリカケ問題を国会で延々とやるなどは時間の無駄以外のなにものでもないから、安倍首相は今後この問題は無視したらよいのではと私は思っている。


それにつけても我々から2~3年上の世代、いわゆる団塊まっさかりの連中とよく酒を飲むのだが、彼らの多くがいわゆるリベラル、というより左翼っぽい思想を持っているのに驚く。企業や社会でそれなりの実績を挙げてリタイアしようかという世代なのに、いかに日教組の教育や進駐軍のWAR GUILTY INFORMATION PROGRAMの影響が恐ろしいものかとつくづく感じるこの頃である。


読売新聞がこの23~24日に行った世論調査でも、50歳代以下では今回の選挙結果が「よかった」というのに対し、60歳代は「よくなかった」が多数を占め、内閣支持率も低い結果だったそうだ。ネットの普及で若い世代が日本の本当の姿を知っているのに対し、上の世代になるほど旧態以前たるサヨクメディアから流されるステレオタイプの虚偽情報にだまされるのであろう。シナや朝鮮の味方のような朝日新聞や毎日・東京新聞などは、やがて段階の世代の人たちがいなくなれば、彼らとともに消えてなくなる運命に違いない。


サヨクの連中は今回の結果が小選挙区制による死に票の結果だと、またぞろ制度のせいにする向きも多い。その小選挙区は中選挙区制がとかく腐敗を生み出しやすい、利益誘導型の選挙になるとの批難の中で、1990年代に小沢一郎や細川内閣、社会党の村山内閣らいわゆるリベラル(パヨク!?)も多数加して検討・導入されたものである。どうもリベラル・サヨクの退潮は制度の問題ではなく、もう従来型のかれらの存在価値が賞味期限を迎えた結果だとみるべきではないか。安倍首相は「慢心を戒め」などせず、トランプ大統領と組むとともに、原発も活かし、なにより70年もほっておかれた時代遅れの憲法の改正に敢然と挑んでほしいものだ。

2017年6月 5日 (月)

「加計」などやってる場合か?

東証株価が上がり有効求人倍率もあのバブル時代を超えたそうで、課題はまだまだ山積であろうがまずは順調な安部政権の経済政策だ。ご同慶の至りである。一方で北朝鮮の暴発やシナの軍拡、かたやパリ協定からの離脱表明など予想がつかないトランプ政治と、外交や安全保障では片時も世界の情勢から目が離せない。わが国の舵取りも極めて難しい時節といえよう。こんな時にどうでもよいような「森友」や「加計」問題を、悠長に時間を割いて国会で質疑をしている民進党や共産党の議員を見ていると、あなた方はどこの国の議員ですかと情けなくなってくる。健全な野党がいない日本は不幸である。


「加計」の本質については、元通産官僚で慶應大学の岸博幸教授による読売新聞5月31日朝刊「編集委員が迫る」の解説が一番合点がいった。これは獣医師の需給を所管する農水省や族議員・獣医師会による岩盤規制と、それに対して穴を開けたい内閣府のせめぎあいが事の本質であって、規制緩和の要請を文科省が認めたくなかったのが問題の構図だという。とすると内閣府との交渉に負けた前川とかいう元文科省事務次官の腹いせが事の発端であり「内閣府との交渉に負けたということだ。なのに、問題の文書を根拠にして『行政がゆがめられた』と発言したことに著しい違和感を感じる」「行政がゆがめられるとまで感じたら、なぜ在任中に体を張って戦わなかったか。・・・理解できない。」と岸教授は述べる。


ここのところANAの修行で、羽田や那覇空港のラウンジで過ごす時間が多いから、そこに置いてある新聞各紙にじっくり目を通す事ができるが、人一倍「加計」に熱心なのが朝日新聞であろう。もっとも朝日を手にとる度に、こんな下らない事に紙面を割いているようでは、団塊老人がいなくなるに従い、この新聞の行く末が決まってくるような気がしてならない。読売新聞の6月3日朝刊の「変奏曲」欄では「(民進党の支持率がこうも)上向かないのは、『森友』や『加計』で国が滅びることはなくとも、(民心党が苦手中の苦手である)『安全保障』ではそれ(国がほろびること)があることを国民が知っているからだろう」との事。安部憎しのあまり、安全保障の危機の前に大切な事をすっとばし、瑣末な議論をしていてよいのかと民進党やサヨクテレビ・新聞などに文句を言いたい。

2017年2月 4日 (土)

国防を考えるチャンスが来た

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話題はトランプ政権である。ニュースを見たり聞いたりしていると、とんでもない大統領にも思えるし、少なくとも日本人には海のものとも山のものともわからない人という感じがする。しかし肝心のアメリカの幾つかの世論調査によると、彼を支持する人が支持しない人を上回っており、母国ではまずは相応に期待されているのかもしれない。もっともそうでなければ、トランプ氏が大統領に選出されたりする事はないのだろうが・・・。まあ彼がとんでもない大統領だとわかれば、日本は戦後永らく続いた米国追随から自主独立するために、憲法改正や核兵器保有を真剣に検討するよい機会が巡ってきたと捉えるべきなのだろう。


かつて”ピーナッツキング”、ジミー・カーターや、”B級俳優”と云われたロナルド・レーガンが大統領に選ばれた時はどうだったのだろう。そう云えば1985年に製作された映画”バック・トゥ・ザ・フュチャー”で、主人公のマーティがタイムマシーンに乗って1955年に戻り、マシーンの発明者であるドクに出会うシーンがあった。マーティがドクに「1985年のアメリカ合衆国大統領はロナルド・レーガンだ」と言うと、55年時代のドクは「俳優の? じゃあ副大統領は(喜劇俳優の)ジェリー・ルイスかい?」などと大笑いする場面があったものだ。1980年にレーガンが合衆国の大統領になった時も、独特な発想は今と同じ様なものだったに違いない。その後のレーガン氏の功績をみるにつけ、とかくメディアが流すトランプ大統領のネガティブ情報も、そのまま信じてはいけないと云うのが今回の教訓だろう。


それにしてもトランプ新政権のマティス新国防長官が、最初の訪問地を極東にした事は印象的である。彼は尖閣は日本の施政権下にあり、日米安保条約の適用対象と述べたと云う。この発言で、わが国は、尖閣と云う「領土」を守る事について米軍のお墨付きを再度得たとされている。しかし考えてみれば、大統領が誰であれ米軍が関与する前に、日本人は自らの領土なら自らがまずそれを守る覚悟を示さねばならないのではないか。私達が2012年に当時の石原東京都知事が14億円を募った尖閣買取資金に相応の寄付したのも、たとえ僅かでも身を削ってこそ、自らの領土は自ら護ると云う意志を示さねばならないと思ったからである。


軍事評論家の兵頭二十八氏が「日本の武器で滅びる中華人民共和国」(講談社+α文庫)で主張するように、まず日本自身が尖閣に施政権を及ぼしている事を示すため、島にはなんらかの我が兵力を常駐させてこそ(兵頭氏は魚釣り島に74式戦車を砲台として埋め、自衛隊員を交代で派遣せよとする)、いざと云う時にトランプ大統領率いるアメリカ軍が出動できると云うものである。これを平和の為の抑止力、「トリップ・ワイヤー」として兵頭氏が紹介する通り、いくら日本国内で米軍に基地を提供しようと、日本人が後方で安穏としているなかで、尖閣の為にアメリカ人がまず血を流すと考えるのは甘すぎるだろう。未来永劫に中華序列圏に入るわけにはいかないわが国にとっては、トランプ政権が誕生したのを機にもう少しまともな国防論議が始まる事を期待したいものである 。


2017年1月19日 (木)

ベンチャーか伝統か?

1月17日付けの読売新聞は内閣府がまとめた「世界経済の潮流」と云う報告書から、米国では企業の新陳代謝が雇用拡大などを通じて経済成長に重要な役割を果たし、また設立から20年以下の歴史が浅い企業による雇用が約7割(日本は2割)を占めていると報じている。と云う事で内閣府から発表されている報告書の「アメリカ経済」(URL)の項目を読んでみた。それによるとそもそも起業に対する心理的抵抗がアメリカ人は少なく、ベンチャーキャピタルなどが資金的な後盾になって若い新しい会社が増えているとある。また会社設立後20年以下の企業の数を比較したところ、米国は全体で9割を超えたが日本は2割にとどまっているという。


アメリカではM&Aなどを通してエネルギー分野や小売・卸売・ヘルスケアなどで短期間に世界的企業に成長する会社も多いと報告書は述べ、「企業の新陳代謝が経済成長に重要な役割を果たしており、このようなビジネスダイナミズムを維持・強化するための環境整備が重要であると考えられる」と結んでいる。たしかに私も1990年代にアメリカに駐在していた経験からすると、世界各地から移り住んできた多様な人種から成り立つその社会は、さまざまな分野で日本より冒険精神が富んでいるとしばしば感じたものだ。周囲にはよい年をして永年勤めた会社をフッと辞めまったく違う事を始める人が何人もいたし、東部がいやになったから好奇心で西部に移ってきたなどという家族もいて、純日本式のサラリーマンである私はアメリカ人の自由な精神に驚かされる事が多かった。もともと移民というのはそれぞれの国で食えなかった人たちだから、新天地アメリカでは自由な気持ちで上昇志向を保ち続けるのだろうし、起業家精神も富んでいるに違いない。


一方で報告書は、日本人の起業に対する抵抗感がアメリカのみならずフランス・ドイツ・イギリスなどより強い事をデータを用いて示している。老齢化や成熟した社会を背景に子供が大事にされ、なるべく無難に生きるように薦められる今の教育システムによるものだろう。もっとも日本には老舗企業ランキングでは世界でダントツでギネスものだという事実もかたや存在するのである。現存する世界最古の企業は寺社や文化財の復元・修理を手がける金剛組という会社だそうで創立は紀元578年と云われるが、ほかにも旅館や清酒製造など多種の分野で200年以上の歴史を持つ多くの会社が活躍し、古い会社が元気なのは日本が世界一だと云う。創業者一族のみで会社を受け継ぐ事なく、年功序列で従業員が永く在籍する日本式システムが古い企業が時代に即して生き残るポイントだと云われ、会社が社会の公器のようになっているのは日本の良き伝統と云えるだろう。これからの我が国では、日本の古き良きシステムとアメリカの起業家精神がミックスして、新しい活性化の仕組みができないものかと報告書を読みながら考えていた。

2017年1月18日 (水)

がんばれ アパホテル

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産経ニュース(ネット)によると、「日本のビジネスホテルチェーン大手のアパグループが運営するアパホテルの客室に、『南京大虐殺』や『慰安婦の強制連行」を否定した書籍が備えられていることに対し、中国外務省の華春瑩報道官は17日、『日本国内の一部勢力は歴史を正視しようとしない。正しい歴史観を国民に教育し、実際の行動でアジアの隣国の信頼を得るよう促す』と述べた」とある。「中国外務省が日本の民間の言論にまで批判の矛先を向けるのは異例だ」とそのニュースが述べている通り、他国の一私企業にすぎないホテル備え付けの本にまでイチャモンをつけるとは、まさに開いた口がふさがらないとはこの事だ。


こんなアホなコメントは無視しておけばよいが、ホテル側は「日本には言論の自由が保障されており、一方的な圧力によって主張を撤回するようなことは許されてはならない」と気骨のある(当然すぎるといえば当然の)見解を出したそうだ。アパホテルといえば32年前に金沢で第1号店が創業し、今では全国有数のビジネスホテルチチェーンとなっている急成長企業である。近年、ことに東京地区で攻勢をかけており、「あ、こんなところにもアパホテルが!」というくらい都内あちこちにそのオレンジ色の特徴的な玄関を見る事ができる。私は泊まった事がないが、こんな立派な考えを持ったホテルがあるなら、これから出張や旅行の際には大いに利用することで応援したくなってきた。


もし中国の人々が嫌なら泊まらなければよいだけの話で、なぜ他国に「正しい歴史観を教育し、実際の行動でアジアの隣国の信頼を得るよう促す」などと上から目線で言うのか腹立たしい限り。覇権主義・軍国主義に走る中国に対しては、この言葉をそっくりそのままお返ししたいところである。かたやもう一方の「アジアの隣国」は、国と国の合意事項や国際条約に違反し、他国の公館の前に売春婦の像を置き、撤去は国の力では出来ないなどとうそぶいている。こちらこそ自国の民間の違法な行為に政府が為すすべもなく立ち尽くしていて、もはや国の体を成していない。いやはやとんでもない国々が日本の「隣国」なのだと、このアパホテルのニュースで改めて気付かされた。それにしても何かにつけ「言論弾圧だ」と叫んでいる我がサヨク連中が、中国外務省のコメントに黙っているのも笑える。

2016年12月12日 (月)

明治維新150年とカジノ法案 (北岡伸一氏のコラムを読んで)

12月11日付け読売新聞朝刊の「地球を読む」欄は、日本の政治外交史を専門とし、JICA理事長を始め各方面で活躍している北岡伸一氏の「明治維新150年」「開国と民主的変革に意義」というものであった。そのコラムのなかで再来年の2018年に迎える明治維新150周年にあたり、北岡氏は明治維新の意義をわかりやすく解説した上で、今後すすめるべき事業についての構想を述べており、私にはその内容がとても興味深かった。  


氏は明治維新とは「積極的に国を開き、西欧諸国と対峙するために、国民すべてのエネルギーを動員すべく、既得権益を持つ特権層を打破した民主化革命であり、人材登用革命であった」という。武士社会の既得権益を覆した上で、王政復古から廃藩置県、憲法の制定と内閣制や選挙の導入、職業選択の自由や義務教育の導入など「要するに、明治の偉大さは、開国と民主的な変革によって、国民の自由なエネルギーの発揮を可能ならしめたこと」だと纏めている。


北岡氏の文章を読むと、徳川300年の眠りから覚め、改革に向かった当時の強いエネルギーがわかる一方、冷戦後この20年に亘る日本の停滞をどうしても思いおこしてしまうのである。文中で氏も指摘するごとく「多くの既得権益に手がついておらず、海外の事物の導入にも消極的であり、弥縫策で現状を糊塗」してきたのが最近の日本のありようだろう。同じ様に永い停滞に陥っていた英国がサッチャー革命で「英国病」から脱出した如く、日本も高度成長期やそれ以後の時代を通して溜まってきた既得権益や社会のひずみを、強いエネルギーによってただす必要がありそうだ。


北岡氏は今後、日本の近代化経験などを世界に発信しかつ共有するプロジェクトを推進したいとしているが、それはそれとして、コラムを読んでふと現実に立ち返ると、いま安部首相が取り組んでいるのは、戦後パラダイムのなかで溜まりきった社会的な澱(おり)から、日本を脱出させる試みなのではないかと思われる。アベノミクス、集団的自衛権、年金改革、ロシア関連、真珠湾訪問などの一連の施策は(中にはうまくいかぬものもあるものの)、新たな時代へステップアップするために、首相のエネルギーをもって断行される平成の維新活動だという気がする。そしてその施策がおおむね国民にも理解できるところが、安部政権の支持率が高いゆえんではないだろうか。


その観点から話題のカジノ(IR)法案は、まか不思議な景品交換システムや、半島に多くの金が流れる噂があるなど、とかく不透明と云われるパチンコ業界に大きく影響を及ぼすから、戦後パラダイムへの挑戦ともなるべき法案であろう。これが成立して公営のカジノが開かれれば、パチンコに使われていた金のうち、かなりの額がカジノへ流れるだろうから、競馬などと同じ明らかな金が国や自治体に入る事になる。カジノによって巷間云われる巨大な既得権益の構図が揺るがされる事は、戦後利権に挑戦する安部政治にとって維新の一里塚となること間違いない。反対論者が云う「依存症」の心配は、病気や性格の問題でまったく別次元の話であろう(なんと依存症の一位はパチンコ!だそうだ)。安部首相の指導力に期待したい。


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