「綾戸知恵meets新日本フィルハーモニー」と「澤田慶仁 津軽三味線ライブショー」
付き合いのある金融機関から、二つのコンサートの切符を頂戴した。すみだトリフォニーホールで行われる綾戸知恵と新日本フィルハーモニーのジャズコンサートと、近所の区民ホールの津軽三味線ライブショーである。共に平日の夕方の開催だったが、現役サラリーマン時代ならわざわざ時間を割いては行かないようなコンサートも、今なら気軽に参加できるのが嬉しい。シニアー世代万歳だ。最近は夫婦二人して午後5時過ぎからビールを飲み始め、6時には夕食を開始するパターンが多いが、こんな日はトイレに行きたくならない程度に出発前にわが家でビールを軽く飲み、コンサート終了後は会場近くで外食することにする。現役を退くと生活が画一的になりがちなので、目先を変えて、普段は聞かないジャンルの音楽もなるべく積極的に触れてみようという気持ちである。
「綾戸知恵meets新日本フィルハーモニー交響楽団」と銘打ったコンサートは大きなホールにほぼ満員の盛況であった。彼女のファンらしき人達、我々のように切符を貰って見に来た者に、金融機関の関係者らしき背広組みも混ざった雰囲気は、ジャズコンサートとしては少し異色に感じる。伸長150センチにも満たないエネルギッシュなおばさんという感じの綾戸さんは、お母さんの介護とコロナ禍ででしばらく音楽活動を休止し、これが再開後初のコンサートとのことだが、のっけから声ののりも良いようで曲間のトークも快調だ。フル編成のオーケストラの演奏に負けないジャズスタンダード曲の歌声を聞いていると、これで食べるプロとはすごいものだと感心し、ビールの酔いにも関わらず居眠りもせず聞いてしまった。コンサートの帰りはホールそばの錦糸町駅ビルでカジュアルなイタリアン。都心から隅田川を越えて川向うに行くと、心なしか物価が安くなり、コンサ―トの余韻に駆られて気持ちよい夕食を採ることができた。
一日おいて、別の金融機関から貰った切符で津軽三味線ライブショーへ。飛鳥Ⅱの船内ショーでも津軽三味線の催しなどはパスして見に行かないのだが、当日は予定もなくすぐ近場が会場とあって区民ホールへ赴くことにした。三味線の音色でも聞きながらゆっくりと午睡を楽しむことになるかと思っていたらこれが大間違い。澤田慶仁という津軽三味線の名人を中心に芸大出の尺八奏者も交えた3人組は、演奏技量の高さもさることながらエンターテイメント性抜群で、タダ券を貰って来場し、ともすればテンション下がりそうな邦楽にも関わらず盛り上げ方が実に巧み。ジョークも交えた進行に最初は遠慮がちだった客席の手拍子も最後はヤンヤの喝采で、こちらもプロの底力を見た思いである。なるほど津軽三味線の演奏会ではなくライブショーと名付けられたのは、こういうことだったのかと感心して会場を後にした。もし彼らがクルーズ船に乗船してきたら、その時は間違いなくステージを見に行くことだろう。今まで興味が薄かったジャンルの音楽も、こうして見直す機会が来るとは有難いことだ。
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