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2023年11月 9日 (木)

岩盤保守層に見限られた岸田政権の起死回生策

20231109hanada12

秋晴れの日が続く。週に一度くらいはこのブログをアップしたいと思っているが、ここのところ平凡な日々で特に記すこともなくて困っている。困った時の政治の話ということで、なぜ岸田政権がこれほど人気がないのか、私が自民党を見限ってなぜ百田尚樹氏率いる「日本保守党」の党員になったのかを記してみたい。振り返れば2年前に岸田政権がスタートした時に、親シナの林芳正氏が外務大臣に起用されて「おや!?」と思ったことはあったが、安倍元首相の国葬儀を即決し反対の声もあった中でブレずにこれを実行、防衛予算の大幅増額も即断するのを見て、岸田氏は大方の予想に反してなかなか決断力がある首相だと一時は感心していた。しかしコロナ感染騒動ではオミクロン株への変異によって、世界では厳しい感染対策が緩和されたにも関わらず、(いわゆる)専門家という人達の意見を聞きすぎて5類に移行する決断が遅すぎたあたりから、どうもこの人の「聞く力」とは専門家の意見にことさら左右されて「政治決断」が下せない類いだと、私は彼の指導力に疑いの目を持ち始めたのだ。


財政再建にこだわる財務官僚の意見を岸田首相は聞きすぎだ、という声がかねてから挙がっていた。防衛予算や少子化対策には財源が必要だと彼は言葉の端ばしに増税をほのめかしていたが、特に不満に感じたのが今年6月に出された政府税調の中間答申で、その中では通勤手当の非課税や、退職金の控除額の見直しなどサラリーマン層への狙い撃ちが明らかだった。安倍さんが首相の時ならこのような税調案が出ても、それがメディアにことさら取り上げられないように官邸が配慮したとされるが、岸田氏自身がいくら否定しようとも財務省にひたすら阿(おもね)て増税路線を目指す政権であることが、誰の目にも明らかになってきたようだ。一方で海外向けには威勢よく補助金や支援金のバラマキを約束し、リベラル勢力がバックにいる「公金チュチュー団体」の整理にも彼は一切手をつけようとしない。「聞く力」が決定的に発揮されたのがエマニュエル米大使にそそのかされて、党議拘束までかけ首相自らが肝いりで推進したLGBT理解増進法の制定であった。文化・伝統的にわが国にまったく不要、かつ女性の人権を大きく損なう法案を何の説明もなく、強硬に採決させた岸田首相を見て、私はこんな人に率いられる自民党への支持はもうやめようと決め、日本保守党の党員になったのはすでにアップしたとおりである。


LGBT法の成立が自民党の岩盤支持層を離反させ、首相の支持率を落としたことを、これまで性的少数者の理解増進運動を推進してきたオールド・リベラルメディアはなかなか取り上げなかった。しかし最近の内閣・自民党支持率の低下でようやく「首相 保守層つなぎとめに躍起 LGBT法成立 支持離れに危機感」(10月27日読売新聞朝刊)などの論調が、岸田応援団とされる読売新聞にも掲載されるようになってきたのはよろこばしいことである。同記事は憲法改正や安定的な皇位継承問題などの議論を進めるに当たり、保守層の離反に自民党が狼狽していることについて「9月には作家の百田尚樹氏がLGBT法の反発を主な理由に、…『日本保守党』を設立した。自民幹部は『LGBT法で保守層が逃げた可能性が高い。』 」との分析を展開している。私とまったく同じように多くの自民党支持者が、この法案の成立で同党に愛想をつかしたことが分かるが、米国民主党の声を代弁するアメリカ大使と国内リベラル勢力の声ばかりを聞き、保守岩盤支持層を甘くみたしっぺ返しはまことに大きいと岸田首相は知るべしである。岸田首相には「聞く力」はあっても、安倍さんのような「国家観」がないばかりに、「聞いた」ままに、保守とリベラルの間を行き来し、財政再建派と積極財政派などの間で右往左往しているように見える。


月刊HANADA12月号の石橋文登というジャーナリスト(千葉工業大学特別教授)による「岸田総理はもっと『怒り』を」とする記事には、「支持率下落の要因は?」とする分析があり、これが岸田政権の不人気についてよく纏めていたので紹介したい。「 岸田文雄はもともと、ジェンダーフリーやLGBT問題にさほど関心はなかった。…駐米大使の甘言につられたのか、朝日新聞の『天声人語』に褒めてもらいたかったのか。いずれにせよ、左にウイングを広げようとしたばかりに、安倍晋三が誇った『右から三割』の岩盤支持層は右から崩れつつある。」「…リベラル勢力への警戒心は微塵も感じられない。ここが安倍晋三との決定的な違いだと言えよう。伝統・文化を歪め、日本を貶めようとする勢力への『怒り』がないので、『話せばわかる』『必ず妥協点を見い出せる』などと幻想を抱いてしまう。だから保守層は岸田に『危なさ』を感じているのだ。」「 安倍晋三が死去してわずか一年あまりで、自民党は保守政党としても矜持を失いつつある。」との石橋氏の意見であり、自民党支持を辞め日本保守党を応援することにした私も、この石橋氏の記事にけだし同意するところだ。さて岸田氏が失われた保守層の支持を回復する起死回生の手段はまだ残されている。安倍さんさえ成しえなかった憲法改正の議論を本格化し、早急に憲法改正発議をすすめることである。いまは右からの声に「聞く力」を持つことだが、まあこの体たらくでは余り期待できないか…。

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