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2023年10月

2023年10月30日 (月)

飛鳥Ⅱ「秋の日本一周クルーズ」その他

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海自八戸航空基地で訓練を繰り返すP3Cの迫力

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東舞鶴の老舗和菓子店「勇貫堂」

クルーズ船に乗る時、通常我々夫婦は左舷側のキャビンをリクエストする。海上交通は万国共通の右側通行なので、狭い海峡などでは船の左側にいた方が、反航する諸船舶を間近に見られるからだ。左舷と云えば、今回の様に反時計周りに日本一周する際には、常に陸上を左側に見るために、ネットや携帯の電波が通じ易く便利だというメリットもあった。飛鳥ⅡのWi-Fiによるインターネット接続は、利用した9デッキ(Dバルコニー)乗船客では、一人当たり一日10回X30分まで無料で利用できる。しかしながら船上のことゆえ、人工衛星経由ではやはり陸上の環境と同じように接続がサクサクとは進まない。ところが今回は岸からけっこう離れていても左舷ではドコモなどの電波を拾うことができて、インターネットへの接続や通信には反対舷にいるよりストレスがないことを経験した。


毎日、夫婦で自宅でも旅先でも行っているジョギングに関して、今回のクルーズ中のジョギングで走った距離を集計をしてみる。乗船翌日(終日航海日):飛鳥Ⅱデッキ23周10キロ、3日目仙台新港:船から多賀城のアウトレットまで往復7キロ、4日目八戸:船から八戸食品センターまで片道9キロ(帰りは本船のシャトルバス利用)、5日目函館:船から函館山山頂往復13キロ、6日目(終日航海日)飛鳥Ⅱデッキ24周10キロ、7日目(西)舞鶴:東舞鶴の赤レンガ倉庫から妻の祖父母の墓参りで7キロ(赤レンガ倉庫までは往復シャトルバス利用)、8日目境港:船からJR境港駅まで片道6.5キロ(帰りはシャトルバス利用)、9日目(終日航海日)飛鳥Ⅱデッキ23周10キロ、10日目岩国:船から錦帯橋まで片道8.5キロ(帰りはシャトルバス利用)11日目細島:船から細島(旧)地域など12キロ(帰りはJR日向市駅よりシャトルバス利用)、12日目(終日航海日)飛鳥Ⅱデッキ23周10キロ。正味11日間で合計103キロで、本船のデッキ上と寄港地でシャトルバスを組み合わせて結構な距離を走ったのであった。


こうしてみると、我々にとって終日航海日における船上で行うジョギングも、クルーズの重要な要素であることがわかる。1周400米以上、それも足に優しいチーク材張りの全通デッキを装備するのは、世界にあまたクルーズ船ありと云えども、”飛鳥Ⅱ”と姉妹船だった”クリスタルシンフォニー”の2隻くらいにしかないだろう。これがクルーズと云えば我々が”飛鳥Ⅱ”を選ぶ大きな理由の一つである。またクルーズ中にジョギングで上陸地を廻るのもクルーズの愉しみで、自分の足で街をゆったり走ると様々な発見があるものだ。今回は海上自衛隊の八戸航空基地でタッチアンドゴーを擦り返すP3C(オライオン)の迫力の雄姿を直下から何度も見たし、舞鶴では江戸時代から続く地元の老舗和菓子店「勇貫堂」で名物の栗饅頭を買う事ができた。西岩国駅の由緒ある駅舎を見学し、細島で足の赴くまま走ってみたら江戸時代~維新にかけて栄えた旧家や国鉄の廃線跡などに行き当たった。


いわゆる観光地でなくとも船が連れて行ってくれる寄港地には、教科書には載っていなかった歴史や地理がある。地元ガイドの説明を聞きながらの観光バスツアーは勉強になって良いのだが、自分たちの足と船主催のツアーを適宜組み合わせるとより一層寄港地への理解が深まる気がする。また日本のクルーズ船は、寄港地のスーパーやコンビニで買ったビールや地元ブルワリーの地ビールを船に持ち込んでも、自分のキャビンで飲む限りそれを制限されたり余計なカネを払わされたりすることはない。地元への少しばかりの貢献とばかりジョギング中にビールとツマミを買ってザックに詰め込んで帰船し、夕方に出港したら露天風呂にゆっくり浸かり、先ほどゲットした地ビールやらツマミをキャビンで賞味しつつ海原に沈む夕日や船の造る引き波を眺める。酔いが回るにつれクルーズに来て本当に良かったといつも思うのである。(完)

歴史を感じる細島の鉾島神社
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2023年10月26日 (木)

商船三井クルーズ ”ミツイ・オーシャン・フジ”による2025年世界一周クルーズ発表

リスボン港に停泊するオデッセイの同型船 ”シーボーン・ソジャーン”(2011年)
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飛鳥Ⅱ「秋の日本一周クルーズ」の船内は、この船の2024年の世界一周クルーズに乗船予定の乗客が多い一方で、我々のようにすでにこれをキャンセルした、あるいはこれからそうするという顔見知りも何組かあった。これらキャンセル組のほとんどが金額の絶対額より、4年間待たされた挙句に、一挙に高く設定された来年の料金に対して不快感を表明していたのは予想通りで、いずれも長い間じっと我慢して待っていたのに、一方的と思われるような対応に納得がいかない様子であった。そんな折り、高級船として名高い "SEABORNE ODYSSEY"号(32477総トン)を購入した商船三井クルーズ(旧 商船三井客船)が、同船で2025年4月から100日間の世界一周クルーズを実施することを発表した。「秋の日本一周クルーズ」中に発表されたこのニュースを飛鳥Ⅱ船内で知る乗客も多く、お茶の時間などには新しいフネのことがひとしきり話題になっていた。


”SEABORNE ODYSSEY”は今後”ミツイ・オーシャン・フジ”と改名されるとのことで、RORO船かフェリーのような船名にはのけぞるが、それはさておき全室28平方米以上あるスイートルームで構成されたブティック船での100日間の世界一周料金が最安6,831,000円(オーシャンビュースイート)であり、このカテゴリーの早期割引は5,738,000円と比較的リーズナブルな設定になっている。オーシャンビュースイートにはバルコニーはないので、同じくバルコニーのない飛鳥ⅡのKステート(18平米)/Fステート(18平米)の2024年世界一周の料金(100日間)と比較すると、飛鳥ⅡのKステートが(条件付き)特別割引を適用して550万円、Fステートが同割引で640万円であり、キャビンの広さを考えると”ミツイ・オーシャン・フジ”の料金はかなり魅力的であることが分かる。また人気がでるであろう”フジ”のベランダ付キャビン(ベランダスイートF/E)は624万円であり、飛鳥ⅡのE/Fバルコニーの780~800万円よりもかなり安い。”フジ”は2009年建造と1990年にできた飛鳥Ⅱより圧倒的にモダンなことや、船上IT環境が良い(であろう)ことも大きなメリットである。


発表された"ミツイ・オーシャン・フジ"の世界一周旅程は、横浜/高雄(台湾)/ハロン(ベトナム)/ポート・ケラン(マレーシア)/コロンボ(スリランカ)/ドバイ(UAE)/スエズ運河/アレクサンドリア(エジプト)/サントリーニ島(ギリシャ)/サレルノ(イタリア)/ニース(フランス)/バルセロナ(スペイン)/ポルト(ポルトガル)/ ルアーブル(フランス)/アムステルダム(オランダ)/エジンバラ(イギリス)/ポーツマス(イギリス)/ニューヨーク(米)/マイアミ(米)/コズメル(メキシコ)/パナマ運河/グアヤキル(エクアドル)/プエルバジャルタ(メキシコ)/ロサアンジェルス(米)/サンフランシスコ(米)/シトカ(米)/ヤクタットベイ(米)/スワード(米)/横浜の27港(含む運河、氷河湾)とこれまで飛鳥Ⅱで行き漏れた場所が多いのも興味深い。また2024年の飛鳥Ⅱ世界一周航路の寄港予定22港と較べると訪れる港の数多く、特に米国西岸、アラスカへの寄港が多いなど愉しみも一層増えそうだ。


2024年の飛鳥Ⅱ世界一周クルーズをキャンセルした我々にとっては、翌年に実施される”ミツイ・オーシャン・フジ”による世界一周クルーズには大いに心が動かされるが、とはいってもまだ同船は商船三井クルーズのフリートとしては稼働していない。フィリピン人クルーは”にっぽん丸”と同じくマグサイサイ社から供給されるのか、ゆくゆくは大浴場を設置するなど日本人向けの改造はなされるのか、日本人の好きな正式な「社交ダンス」が踊れるようなスペースができるかなど、長いクルーズを過ごすためにどのようなサービスが展開されるのかよく見ていきたい。一方で”にっぽん丸”と較べてよりフレンドリーなクルー、ジョギングもできる全面チーク材張りの一周440米のデッキ、至福の露天風呂や、洋上の専用ダンス会場クラブ2100、お代わりも自由なディナーなど老いたりと云えども飛鳥Ⅱの数々の魅力は捨てがたいのが事実。毎日の船上ジョギングを欠かさない我々には、乗れば乗るほど飛鳥Ⅱは良くできた素晴らしい客船であることを実感している。いずれにせよ日本船の選択肢が増えることは素晴らしいことで、今後郵・商両社でサービスをより一層競い合って欲しいと願っている。

洋上の露天風呂など乗れば乗るほど飛鳥Ⅱも素晴らしい客船だと認識する:日本船同士で競いあってほしいものである
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2023年10月22日 (日)

飛鳥Ⅱ「秋の日本一周クルーズ」下船して

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秋の日本一周クルーズ航海軌跡

12泊13日と感染大騒動後としては、もっとも長い旅程になった今回のクルーズである。ダイニングのテーブル間にあったパーティションはすでに無く、クラブ2100では夜な夜なダンスが繰り広げられ、船内どこへ行ってもかつての賑わいが戻ってきたことがよくわかる。今回は飛鳥ダンス(エイキー ブレーキーハート)も2度ほど踊る事ができたし、函館港出港時の有志でハジけた「いか踊り」も良き思い出となった。久しぶりに10日を超える旅程とあって、この日を待ちかねていたコアな飛鳥Ⅱファンも多く、周囲は世界一周クルーズ中に見た顔が大勢で、あちこちで久闊を叙する輪が広がっていた。一方でこのクルーズの区間乗船を利用した「豪華客船”飛鳥Ⅱ”に乗って旅する○○4日間の旅」などの旅行商品が販売されていたようで、これに参加し初めて飛鳥Ⅱに乗船したようなツアー客も見受けられた。いずれにしてもヘビーリピーターとチョイ乗り乗船者の混在する船内からは、やっと「クルーズの日常」が戻ってきたことが感じられて嬉しい。ちなみに高齢者が目立つためか乗客では半分ほど、クルーは7割くらいがマスクを着用しているようだった。


12泊の船旅と云えば世界一周クルーズ以外では2008年に乗船した”ウエステルダム”号による「英国周遊の旅」以来の長さである。今回の日本一周クルーズでは終日航海日が4日、寄港が7日となっていたが、連続して上陸日が続くと年齢を重ねたせいか、せわしなく感じるようになってきた。ゆったりと日がな一日、昼はダンス教室など船内イベントのうち限られた幾つか楽しみつつ、飛鳥Ⅱの誇る1周440米のチーク張りデッキでジョギングをこなし、ライブラリーで借りた本を読むというのが我々の「お約束」の終日航海日の過ごし方である。夕食も午後8時近い2回目を選択するのが基本だし、最近は船内で行われるショーも部屋のテレビモニターで見るだけと、より「ゆったり」の船内生活になってきたが、入港するとこの生活リズムが変わってしまうのが難となる。まあ岸壁に着いてもジョギング以外で上陸しなければ良いとは思うものの、せっかくだからやはり知らない名所旧跡も訪ね、土産を買いたいのが人情というもの。少しでも我々シニア層が地域経済のお役にたてればと、寄港地の地ビールや特産品のつまみを買っては、ディナー2回目の時間までキャビンで飲みつつ、ゆったりと愉しんで時間を過ごしていた。


さて「食事は何度でもお代わりして下さい」とする飛鳥Ⅱのサービスは、お代わり原則不可の「食のにっぽん丸」との大きな違い。スープやメインが1~3のチョイス間で選択できる際も「1と2の両方」というのもアリなのが飛鳥Ⅱである。といっても高齢者が多い船客の中にあって「1と2両方」とか「1のダブル」などと注文するテーブルは他にほとんどないそうで、その意味で我々夫婦はウェイターたちの間で時々話題になっているようだ。たまたま「今日は1だけで結構」と言うと「少ないけど?大丈夫?」と心配されることしばしである。ただ今回のクルーズではディナー時に注文した覚えがないのに、メインの皿を1~3まで3つ出された日があって、これにはさすがに面食らった。私は日頃、フィリピン人ウェイター達には(ウケをとるためもあって)なるべく覚えたタガログ語で話しかけようと心掛けているのだが、その時はメインの3番である魚料理を食べたかったので、ウエイターに「1はイサ、2はダラワだよね、では3は何だっけ?」と聞いたつもりが、彼は私が1~3のすべてをチョイスするものと勘違いしたらしい。この客はいつも1皿では足りないので、今日は3つとも食べるのかとまったく何も疑わずに牛、豚、魚3種類の料理を運んでくれたのだった。彼の厚誼に感謝しつつ、ここで残しては男がすたると次々と出てくる皿を気合で腹に詰め込むことになってしまった。それにしてもメインの料理を目を白黒させながら3人分食べたのは人生初めての貴重な体験であった(後で日本人のチーフに話したら「僕が厨房に中継しました。やっぱり○○様でしたか」と笑われたが…)。


もっとも航海半ば、愉しみにしていたゲストシェフによる中華料理は「ヌーベル・シノワ」とかで、我々にとってはエレガント過ぎ。強い裸火が調理に使えぬ船内と云え、町中華とはいかぬまでもせめて味の濃い「中華らしい中華料理」を期待していた我々には、その上品すぎる内容が残念であった。もう一点、この航海で指揮をとった田口船長は、船内アナウンスが通り一遍のひどく淡泊なものであった事にはやや興がそがれた。船長は各港入港時にウイング上から操船を見学する乗客達に一言も挨拶しないことが多く、着岸後はブリッジに直ちに引き込んでいたが、これは私の乗った日本船では初めて見る光景で、彼はよほど人嫌いなのだろう。着岸操船の様子を興味をもって見ている何人かの乗客を無視したりせず 「おはようございます」 くらいは言ったらいかがだろうか。関門海峡でデッキに出て通峡を楽しんでいた見物客からも、「もっとブリッジから航路に関する説明が聞きたかった」とする声が幾つか挙がっていたことを付記したい。また最終日に横浜帰港の際には「出港船の遅れで入港が30分遅くなる」旨を船長でなくチーフパーサーがアナウンスしたが、前方を見ているとその後に港内から出港船は一切なく、なんとなく飛鳥Ⅱは定刻よりやや遅れてベイブリッジをくぐって入港した。このような航路管制に関する乗客への説明や、その後の対応は事務部でなく船長が自らすべきであろうと思う。しかしこれらの点以外、横浜を出港した夕方以外はすべて天気に恵まれたうえ、この季節には珍しく台風にも遭わず、久しぶりに10日以上船上で快適に過ごすことができたことをクルーに感謝したい。楽しいクルーズが終わり、今日はいささか虚脱状態である。

フォーマルディナーの宵のダンス会場 クラブ2100:フォーククダンスも恥ずかしかったのによくこんな場で踊れるようになったものだ 
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2023年10月14日 (土)

飛鳥Ⅱ「秋の日本一周クルーズ」中盤

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苦労して登った函館山の山頂付近から見た飛鳥Ⅱ

横浜を出てはや5泊、飛鳥Ⅱ「秋の日本一周クルーズ」は中盤に差し掛かった。ここ数日、仙台(新港)、八戸、函館と寄港日が続いて忙しかったが、今日は北海道から一気に舞鶴まで南下する終日航海日とあって、ほっと一息感ある船上である。12泊のこのクルーズの乗船者は500名以上、途中の港での乗船者や下船者を含めると延べ700名以上が乗っており、3年半以上続いた感染騒動からやっとクルーズの日々が戻ってきたことがわかる賑わいだ。こんな日が来るのを待っていたように、今航海の乗船者のうち70%がリピーターで、中でも500泊以上のアルバトロス・ソサエティーの会員が70名ほどとのことで、あちこちカタフリ(船員同士の雑談の意)の輪が開いている。こちらもアルバトロス組まではいかないが、知っている人達にあちこち出会うので、いったいどれだけ顔見知り合いがいるかと試しに数えてみたところ70数名だった。旧知の船友に会えば、体の調子はどうか、病気がどうなったのかなどと会話が弾み、船上は養老同窓会の様相を呈している。


これまでのところ、出港地の横浜を除いて天気はどこも秋晴れ。海上もごく穏やかであった。今回の「秋の日本一周クルーズ」の最初の寄港地である仙台では、久しぶりに瑞巌寺や松島観光に行く船のツアーに参加したが、同じ名所・旧跡、寺社仏閣を訪ねても、若い時より感動が深いものだ。そのうえ松島では、おりしも航空自衛隊松島基地を本拠地にするアクロバット飛行隊ブルーインパルスの訓練が行われており、大空にスモークで描かれたハートや富士山の姿を間近に目にするオマケつき。八戸は仕事で何度も訪れた港や工場の景色を懐かしみつつ、出張では見る機会もなかったウミネコの繁殖地の蕪島や、種差海岸に初めて行くことができた。函館は飛鳥Ⅱが停泊する岸壁の目の前に聳える函館山にジョギングで駆け上がろうと船を後にしたが、頂上までの往復が12キロ、そのうち山道が9キロと想像よりきつい行程だった。2011年に飛鳥Ⅱで寄港したベルゲン(ノルウェー)のフロイエン山と同じくらいの高さ(330m)だったので当時を思い出し本船から飛び出したが、函館の方がよほど急斜面かつ山頂まで遠かったのが計算違いであった。一晩明けた今日は足の筋肉が痛くて堪らない。さてこの後、舞鶴、境港、岩国、細島とどういう旅が待っているだろうか。


それにしても自分のキャビンでいったん荷ほどきをして落ち着くと、自宅の居間兼寝室のようにくつろげるのがクルーズの良い点だ。出港最初の夜こそ夜中にふと目を覚ますと、はてここはどこだったかと寝ぼけ眼で一瞬思考が回らないが、数日すれば船の揺れやエンジンのかすかな振動が揺りかごや子守歌のようになる。妻の洗濯のローテーションも手慣れており家にいるよりも手際がよい。エンターテインメントの若いクルーは、コロナ禍の3年ですっかり顔ぶれが変わってしまったが、ダイニングのフィリピン人サービスクルーは見慣れた顔も多く、彼らの笑顔の「おかえりなさいませ」の挨拶に心も和む。もっとも感染対策もなくなり踊れるようになったクラブ2100の夜のダンス会場では、久しぶりの慣れぬ場の雰囲気にすっかり気後れしてしまい、ルーティンを飛ばして違うことをして妻に怒られることしきりである。曲の途中で立て直そうと焦ると、ますます泥沼に陥るダンスの難しさだけは、いくらクルーズ船に慣れても当分克服できないのだろうと毎度失望するのもわが船上のお約束である。ここまで既に5泊していてもまだ先はあと一週間あるし、やはりクルーズ船は長く乗るのがよいものだと改めて感じている。

松島上空のブルーインパルス
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2023年10月 8日 (日)

飛鳥Ⅱ「秋の日本一周クルーズ」に乗船

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最後は今年5月に乗船した飛鳥Ⅱ 於:別府港 客船は美しいのが一番 ‼


明日から12泊13日の横浜港発着 飛鳥Ⅱ「秋の日本一周クルーズ」に乗船する。我々にとって2018年の本船の「世界一周クルーズ」以後、もっとも日程が長いクルーズとなる。2020年初頭に”ダイヤモンド・プリンセス”号から始まったコロナ騒動以来、感染症対策に明け暮れ、ごく短い日程ばかりで連続乗船もできず、マスク着用に船内あちこちのパーティションなど、あらゆる面でひどく窮屈だった飛鳥Ⅱクルーズもやっと以前の状態に戻ったそうだ。コロナ騒動前には当たり前だった船内での過ごし方が復活したと思うと乗船が楽しみである。いつもは乗船直前になっても寄港先すらチェックせず、荷造りも始めずで、妻には「真面目にやって」と言われるばかりの私だが、久々の長いクルーズとあって、今回はいそいそと衣類やら持ち物をトランクに詰め込む優等生ぶり。「こんな場合はなんて言うんだっけ」と、かつて船内で習ったタガログ語のメモを引っ張り出して予習までしている。


来年の飛鳥Ⅱによる「2024年世界一周クルーズ」をキャンセルしたため資金的に余裕ができ、この冬から来年にかけては色々と旅に出たいと思っていたが、「秋の日本一周クルーズ」はその第一弾との位置づけである。今回の寄港地は横浜を出て、仙台、八戸、函館、舞鶴、境港、岩国、細島の7港で、何れの地もすでに何度も訪問したことはある。この中で八戸はニッケル鉱石や木材チップの一大輸入港であり、細島もニッケル鉱石やマンガン鉱石の揚げ地としてはわが国有数の港湾。現役時代には、これら輸入原料を運ぶ大型貨物船の建造企画、営業・航路運営などの業務に永年従事したなかで、両地の工場や代理店は陸路で頻繁に訪れる機会があったが、海路、クルーズ船での入港は初めて。船からの目線で港にアプローチするとどういう光景が展開するのか。サラリーマン時代の思い出の場所への入港とあって興味が尽きないクルーズである。


また舞鶴は「氷川丸」などに乗っていた妻の父方の祖父が居を構えていた場所であるし、境港から今回ショアエクスカーションで訪れる松江は、たまたま私と妻それぞれの母方の祖父の里である。この「秋の日本一周クルーズ」を選んだ理由は、これら自分たちのルーツを辿ることにもあった。さて直近で飛鳥Ⅱに乗船したのが今年5月の「横浜発新緑の別府・博多クルーズ」だったが、その時にあったフォーシーズン・ダイニングの感染症対策のパーティションはすで取り払われたとのことで、久しぶりに隣席となった乗客との会話が弾むかもしれない。またクラブ2100でのダンスタイムも再開しているので、各種ダンスのステップの再確認なども忙しい。飛鳥ダンス(エイキー・ブレーキー・ハート)を踊る機会はあるだろうか、などと明日からの船内生活をあれこれ想像しながら乗船を待っているが、旅は準備をしている時が一番楽しいのかも知れない。

2023年10月 3日 (火)

日本保守党(百田新党)に入党(新規会員登録)

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愛蔵する百田尚樹氏のサイン本「禁断の中国史」

新しい保守勢力、日本(にっぽん)保守党に入党(新規会員登録)した。開設されたばかりの同党ツイッター(X)のフォロー数があっという間に自由民主党を凌駕し、自民を大慌てにさせている話題の政治団体である。日本保守党は、別名、百田(尚樹)新党と云われており、保守右派陣営からの期待は大きく、私も既に一年分の一般党員会費6000円を支払った。政治団体の会員になることなどは生まれて初めての経験だが、安倍さん亡きあとに左に急旋回する自民党についに愛想が尽きたのである。もっともここ暫くの間、自民党に代わる勢力として当ブログでは参政党を取り上げ、先の参院選では比例区で同党に一票を投じたのが事実。ところが参政党は8月末に代表である松田学氏が突如辞任するなど、どうもその実態や内情が分からず困惑していたところだった。こうしたご時勢に百田氏率いる日本保守党が旗揚げするとあって、新しい党の応援に回ることにしたものである。百田氏といえば名作「永遠のゼロ」以来「日本国史」「カエルの楽園」と洛陽の紙価を高める名作を生み出しつつ、多くのYoutube番組やニコ動の百田尚樹チャンネルで憂国の情を訴えてきた保守の作家である。「ポリコレ」などどこ吹く風の彼の脊髄反射的な物言いも、最近の妙に持って回った発言ばかりの言論界の中で好感が持て、彼の新党に期待するところ大で会員登録したのだった。


まず百田氏による日本保守党の結党宣言を読んでみよう。そこには 『日本ほど素晴らしい国はないと私は断言します』 『その日本の海が、山野が、いま脅かされようとしています』  『野放図な移民政策やLGBT理解増進法にみられる祖国への無理解によって、日本の文化や国柄、ナショナル・アイデンティティが内側から壊されかかっています。これらを座視していてはなりません』 『断固として日本を守る――。そのための新たな政治勢力が必要です』 とあり、これらの宣言は最近の政治に対する私の思いとそのまま符合する。私が岸田政権で 「これは保守ではない、これではあかん!」 と決定的に感じたのがろくな議論もなく決めてしまったLGBT理解増進法で、6月14日に「LGBT法案が成立したら自民党支持はやめる」でアップしたとおりだ。米エマニュエル駐日大使の差し金か、はたまた公明党への忖度か、女性の人権を無視した同法の制定、その上その後発表された外国人移民に妙に融和的な政府の方針を見て、「もう自民党はリベラル真っ只中、いやサヨクだ」と失望したのは百田氏と軌を一にする。


今般発表された日本保守党の綱領には 『日本の国体を守り、伝統文化を継承しながら、日本独自の叡智を現代に活かして協和社会をつくる』  『日本国を守るに相応の国防力の保持、必要な強化、それを達するための日本国憲法改正を含む法整備を図る』 とこれまた極めて真っ当な事柄が謳われている。日本の国体護持と国防力の強化、憲法改正は保守を名乗る者の一丁目一番地であり、日本国は日本人自身で守る気概なくして成り立たないのは言うまでもない。また綱領には 『減税と行政の適正サイズ化によって国民の負担を軽減させ、可処分所得を増やすべく、税と国家財政のあり方の大改革を企図する』 とも定められている。私としては、リベラル勢力やノイジーマイノリティ等に寄生する「公金チューチュー」団体への援助縮小、ODAなどによる海外への資金バラマキ政策の中止、過去最高71兆円にも上る潤沢な税収などを基にした庶民への「直接減税」を日本保守党は訴えて欲しいところだ。願わくば日本経済の復活は欧米の新自由主義や略奪的株主資本主義でなく、株式持ち合いの日本型資本主義で、また少子化対策や子育て支援には専業主婦の尊厳回復とその復活を主軸とした政策立案を期待したいところである。日本復活には伝統的な経済運営や社会・生活様式へのいささかの回帰が必要だと考えるが、新規会員に登録したからには、日本保守党内ではこうした意見発表の場も持てるだろうと期待したい。尚、9月30日に党員募集を開始してから僅か2日間で3万6千名が日本保守党に会員登録したとのことで、これからは自民党の岩盤支持層も相当侵食されることになるだろう。

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