第54回 都民と消防のふれあいコンサート
日比谷公園の再整備計画で、野外小音楽堂が改築されるのに伴い、長年聞き続けてきた東京消防庁音楽隊による金曜コンサートが終了することは先日アップしたとおりである。しばらく定期的に消防庁音楽隊の演奏が聞けぬとあって、7月20日(木)に文京シビックホールで開催された第54回「都民と消防のふれあいコンサート」に行ってきた。新聞折込みの東京都広報紙にふれあいコンサートの案内があったので、これに応募して当選したのであった。東京消防庁音楽隊は昭和24年に日本初の消防音楽隊として創立、都民の防火・防災への意識向上と協力を呼びかけるための各種音楽活動を日ごろ展開しており、その一環としてフラッグ演技で華を添える女性カラーガーズ隊とともに年に数回この「ふれあいコンサート」を開いている。今回はコロナ禍で中断していた演奏会が久しぶりに開かれたものである。
会場の文京シビックセンター大ホールは、例によってシニア層の聴衆が目立ったが、夏休みを控えて家族連れも多く、座席はほぼ満杯の盛況ぶり。曲目は最近、この種のコンサートでよく演奏されるジョン・ウイリアムズの曲(レイダーズマーチ、ハリーポッター)のほか、ヘンデル、グリーグなどのクラシック作品、内外映画音楽のテーマなどで、途中休憩をはさみ広い年代向けの2時間弱の演奏を楽しむことができた。屋外で聞くときと比べると、ホールでの演奏は音響効果もあって、ブラスが圧倒的にふくよかかつブリリアントで、彼らの音楽性、技巧の高さが聞く者によく伝わってくるようだった。自治体などの音楽隊は音楽を専任する隊員で構成されているものと、業務を兼任するものがあるが、東京消防庁や警視庁音楽隊は、専任隊員で構成されているうえ、最近は専門の音楽大学出身の隊員も多いというから、その技量は相当なものなのだろう。
消防庁のコンサートらしく、曲目の合間には日ごろ心がけねばならぬ消防・防災上の注意喚起案内あり、曲目にあわせて演技するカラーガーズの溌剌とした振付ありであっという間に終了、夏の夜のひと時の生音楽を楽しむことができた。それにしても音楽隊には打楽器のほかはキーボードやベースギターが一本あるだけである。弦楽器が一切ない中で管楽器のかくも豊かな表現を聞くと、木管、金管問わず管楽器を一度吹いてみたいという思いがあらためて強く湧いてくる。我々が中学生の頃はスペリオパイプしかなく、本格的な管楽器演奏の音楽部があるような公立の学校はほとんどなかったので、当時から興味はありながらついにここまで管楽器にふれることもなくきてしまった。70歳を過ぎた今でもピアノこそ毎日練習しているが、今さら新たな楽器を覚えるのも難しいかと逡巡していると、妻が音楽教室生徒募集の新聞の折り込み広告を出してきて、「何を始めるにも今が一番若いのよ、試しに音楽教室に通ってフルートなどをやってみたら」と傍らでけしかける。
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