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2023年3月 6日 (月)

M/S"AMADEA" (アマデア)東京港新クルーズターミナル初寄港

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プロムナードデッキに面したキャビンがバルコニ―付に改装されたAMADEA

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2006年3月 横浜大さん橋でAMADEAと飛鳥Ⅱが並ぶ

国を挙げて馬鹿げたお祭り騒ぎを繰り広げた武漢ウイルス騒動もやっと一段落で、外国から多くのクルーズ船が3年ぶりに日本にやって来る。その第1船としてドイツのPHOENIX REISEN(フェニックス・ライゼン)社の"AMADEA"(アマデア) 28,856総トン(ナッソー船籍)が東京港の新クルーズターミナルに初入港。東京には2日間停泊し4日(土)に出港するので、土曜日はUW旗を持って見送りに東京港までドライブに行ってきた。お台場地区の新クルーズターミナルは2020年9月に完成したものの、クイーンエリザベスはじめ海外のクルーズ船がウイルス禍によって寄港をキャンセルし、今回やっとAMADEAが外国船として初めてここを利用する船となったものである。今後、新ターミナル発着の国内クルーズも実施されるだろうから、駐車場などの使い勝手を調べるためにもこの見送りはちょうど良い機会と云える。


AMADEAは昨年12月フランスのニースを出た150日間の西回りの世界一周クルーズの途中で、パナマ運河を越えたあとはイースター島やタヒチを含む南太平洋の島々を経由し、約400人の乗客を乗せてグアム・サイパンから先週清水港に入港、内地2港目の東京港のあとは名古屋、神戸、広島、長崎など日本国内の10港をじっくりと訪れる予定になっている。このAMADEAはもともと初代”飛鳥”として1991年12月に三菱重工長崎造船所で完成、2005年にPHOENIX REISEN社に売船され、改装されて現在の船名になった船であり、同船にとっては久しぶりの里帰りの旅でもある。個人的には飛鳥だった時代はこの船のことについてよく知らなかったが、AMADEAとなってからは何故か浅からぬ縁ができて、今回の見送りも4度目の出会いということになった。


思い起こせばAMADEAとの初の出会いは2006年3月のことであった。偶々、横浜の中華街で仕事仲間と会食があり、食後に腹ごなしで港の方へブラブラと歩いて行ったら、ちょうどその日がAMADEAの命名式の日で、飛鳥Ⅱと同船の2船が大さん橋の両側に揃い踏みしている光景に出会ったのである。当時は飛鳥Ⅱにも乗船したことがなかったから、後年この両船にこんなに近しくなることはまったく予想できなかったのだが…。次に2011年の飛鳥Ⅱ世界一周クルーズのオプショナルツアーで、アムステルダムからドイツのワルネミュンデまでAMADEAを郵船クルーズがチャーターして、キール運河経由の2泊クルーズを楽しんだのが2度目の思い出。さらに2018年の飛鳥Ⅱ世界一周クルーズ途中、スエズ運河に向かって紅海を航海中、サラーラ(マスカット・オマーン)からエジプトのサファガに向かうAMADEAと偶然に出会い、数日間、飛鳥Ⅱと同航してお互い長旅のエールの交換を経験したのが3度目のことだ。


紅海での邂逅から5年ぶりに身近にみるAMADEAは、白い船体がきれいに塗られ発錆も遠目にはまったく見えない。ほぼ同じ時期に同じ造船所で造られた今の飛鳥Ⅱ(EX,CRYSTAL HARMONY)より外観上は美しく見映えがするほどである。その後は船体に大きな改造はされていないようだが、7デッキのキャビンの一部が、プロムナードデッキに直接面したバルコニー付きになったのが今回目立った点である。このバルコニーはプライバシーの観点から嫌う乗客もいるだろうが、他方チーク材張りの広いデッキとバルコニーが一体となって、開放的で広々として良いという声も大きいのではなかろうか。アメリカのゴルフ場に行くと、コースすぐ脇の住宅が柵や生垣もなく、ゴルフ場の緑と庭先が一体になっているのに驚くことがあるが、プロムナードデッキに面したバルコニーも同じような感覚なのだろう。一度、この種のキャビンを利用してみたいとも思うものの、気軽にパンツ一丁でバルコニーに出られないのは唯一の気懸りではある。


新しいクルーズターミナルの送迎デッキで、乗客の避難訓練の様子を見ていると、全員マスクをつけを救命胴衣持参で真面目な点呼風景なのがいかにもドイツ船らしい。こうして出港を待つうち、本船に2011年に乗船した時の思い出が蘇ってきた。川のような狭いキール運河を通航中、船尾デッキで行われた地元の若者たちのフォークダンスショーを、本場ドイツの生ビールを片手に眺めたのは忘れられない楽しいひと時だった。そういえばあの時仲良くなって朝食を一緒に取ったピアニストのギュンターさんはまだ元気で乗船しているのだろうか。飛鳥から引き継がれた、田村能里子氏の絵画もそのままだろうかなどと船内の様子も気にかかる。運河の側道を自転車に乗ってAMADEAに伴走する人々、運河を渡る鉄橋を通過する列車、鳥の声や本船の引き波の美しさなど、ビールをしこたま飲みつつ楽しんだ情景などを思いだすうち、また海外クルーズに行きたいという思いが強くなってきた。早く海外クルーズが全面的に再開されないかと願いつつ、汽笛を鳴らしながらターミナルを離れるAMADEAをいつまでも見送っていた。

2011年飛鳥Ⅱ世界一周クルーズ乗船記のリンク
AMADEA 船内の様子
キール運河終日航海日(5月18日)

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2018年4月 紅海で飛鳥Ⅱと並んで航海するAMADEA

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2011年5月キール運河を行くAMADEA船上の地元若者のローカルショー

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